【2024年4月】電気代が高くなった原因!安くなる電力会社の乗り換え方法と理由も解説!

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電気料金の請求書を見て「電気代が高くなった!」と驚いている方も多いのではないでしょうか。中には「電気の使用量はあまり増えていないはずなのに、なぜ高くなったの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

電気代が高くなった原因のひとつは、2023年6月1日から一部の地域電力会社が規制料金を改定したことです。また燃料費調整額が上がっているのも、電気料金が高くなっている原因です。

今後も電気料金の高止まり状態は続くと見込まれるため、エアコン使用で電力消費量が増える夏場のことを考え、頭を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では「電気料金が高くなった原因」や「電気代を安くする方法」について解説します。

最後まで読んでいただければ、「電気代を安くして家計を守るためにやるべきこと」がわかります。

電気の乗り換え窓口電気の乗り換え窓口

高くなった電気代を安くするために、電気料金の内訳を知ろう

電気代は以下のようにいくつかの要素から構成されています。

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金

「電気代が高いな」と思ったときには、電気代のどの要素が高くなって電気代が上がったのか知っておくと対策しやすくなります。

この章では電気代の内訳について解説します。

電気代の内訳1:基本料金

基本料金は、電力の使用量とは関係なく毎月かかる料金です(定額)。

多くの電力会社では「アンペア制」を採用しており、契約アンペア数(同時利用できる電気の量)によって基本料金が決まっています。

アンペア数が大きいほど基本料金は高くなり、小さいほど安くなる仕組みです。

東京電力の例ですと、以下のようになっています。

アンペア数 料金単価(従量電灯B)
10A 311円75銭
15A 467円63銭
20A 623円50銭
30A 935円25銭
40A 1,247円00銭
50A 1,558円75銭
60A 1,870円50銭

※価格は税込みです。※2024年4月1日現在の情報です。

なお一部の電力会社ではアンペア制を採用しておらす、基本料金ではなく「最低料金」が設けられています。また基本料金がかからない電力会社もあります。

電気代の内訳2:電力量料金

電力量料金とは、使用した電気の量に応じて支払う料金のことです。たくさん電気を使えば高くなり、電気をあまり使わなければ安くなります。

電力量料金は、以下の二つの単価に使用電力量をかけたものを足して計算します。

  • 電力量料金単価
  • 燃料費調整単価

つまり電力量料金は「電力量料金単価×1ヶ月の電気利用量+燃料費調整単価×1ヶ月の電気利用量」です。

電力量料金単価とは

電力量料金単価については、「三段階制」を採用している電力会社が多いです。電力量が多いほど、単価は高くなります。

東京電力の例ですと、以下のようになっています。

段階 料金単価/kWh
第1段階(~120kWh) 29円80銭
第2段階(121~300kWh) 36円40銭
第3段階(300kWh超過分) 40円49銭

※価格は税込みです。※2024年4月1日現在の情報です。

燃料費調整単価とは

燃料費調整単価は、電力をつくるための原材料(石炭、石油、液化天然ガスなど)の価格によって上下する金額のことです。

燃料価格の変動を電気代に反映させることで、電気事業者の経営安定につなげる効果があります。原料価格が上昇したのに電気の値段が変わらないと、電力会社としては「売れば売るほど赤字が大きくなる」という状態になるからですね。

燃料費調整額は直近3ヶ月分の貿易価格に基づいて計算され、毎月各電力会社の公式サイトで単価が発表されています。

東京電力の2023年1月の燃料費調整単価は5.13円/kWhでした。

原材料費が高くなれば燃料費調整額も高くなり、消費者が支払う電気代が高くなってしまいます。2022年には燃料機調整額が高騰し、電気代があがりました。

ただし「従量電灯B」など、規制料金の一般家庭向けの低圧プランには燃料費調整額の上限が設けられていて、上限に達すると、それ以上は電気料金に燃料価格を反映できなくなります。

消費者の負担が極端に増えるのを防げますが、超過分は電力会社が負担することになるため、電力会社の経営が悪化して電力の安定供給に支障がでるリスクもあります。

一方自由料金(新電力や地域電力の新プラン)は燃料費調整額の上限を撤廃しているところも多く、燃料価格を電気代に反映しやすくなっています。そのため新電力では原料価格があがり続けると、それに伴って電気代も高くなり続けます。

電気代の内訳3:再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」での買い取りにかかった費用を、消費者が負担するものです。

単価が年度ごとに決められていて、2023年度(2023年5月分~2024年4月分)の単価は1.40円/kWhとなっています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金単価に1ヶ月の電力使用量をかけて計算します。

制度開始から2022年度までの単価は上昇していましたが、2023年度(2023年5月分から2024年度4月分まで)の再エネ賦課金単価は2022年度から2.05円/kWh値下げされます。制度開始以来初めての値下げです。

実際どれくらい高くなった?電気代の推移

実際に電気代はどれくらい高くなったのでしょうか。

資源エネルギー庁が「電力取引報」をもとにまとめたデータによりますと、家庭用電気料金の電力量料金単価は以下のようになっています。

2021年1月から料金があがっているのがわかりますね。

家庭用電気料金月別単価の推移(青:規制料金/オレンジ:自由料金)

  家庭用電気料金月別単価の推移
※消費税・再エネ賦課金を含む
出典:資源エネルギー庁

2022年9月以降は燃料費調整単価の高騰によって、燃料費調整単価の上限値が決まっていない自由料金のほうが、規制料金よりも高くなっています。

なお2023年2月にガクッと値下がりしているのは、国による補助金事業が始まったからです。補助金事業についてはのちほど紹介します。

電気代が高くなった主な原因3つ

なぜ電気代が急に高くなったのでしょうか。電気代が高くなった理由を3つ紹介します。

  • 2023年6月1日から一部の地域電力が規制料金を値上げした
  • 2023年4月1日から一部の地域電力が託送料金を値上げした
  • 燃料費調整額が高騰している
  • 新電力各社の料金見直し

順番に解説します。

なお上記のほか「家庭の電力消費量が増える」「漏電」といった理由でも、電気代は高くなります。

電気を使いすぎている方は家電の使い方の見直しを行いましょう。節電に気をつけているのに電気代が高い場合は、漏電も疑ってみてください。

2023年6月1日から一部の地域電力が規制料金を値上げした

電気代が6月使用分から急に高くなったのだとしたら、2023年6月1日から実施された一部地域電力による「規制料金」の値上げの影響を受けていると考えられます。

規制料金とは…

規制料金とは、電力の小売りが自由化される以前から存在した、地域電力・旧一般電気事業者(東京電力など)の電気料金の種類のこと。具体的なプラン名は「従量電灯B」など。電気料金に上限が設けられており、上限額を変更するためには国の許可が必要となる。

一方自由料金は、電力の小売り自由化以後に設けられた料金プラン。値上げに関して国の許可は不要となっているため、電気代高騰後は自由料金の方が規制料金より高くなるケースが多かった。

地域電力・旧一般電気事業者(東京電力など)と契約している一般家庭では、規制料金(従量電灯Bなど)を契約しているケースが多い。

2023年6月1日から規制料金の値上げを実施した地域電力会社(旧一般電気事業者)は以下の通りです。値上げ幅は電力会社によって異なり、14~42%となっています。

  • 北海道電力
  • 東北電力
  • 東京電力
  • 北陸電力
  • 中国電力
  • 四国電力
  • 沖縄電力

上記電力会社で「従量電灯B」などのプランを契約している方は、値上げの影響を受けています。

規制料金が値上げされたため、規制料金の方が自由料金よりも高くなってしまいました。

規制料金が値上げされた理由は?

なぜ規制料金が値上げされたのでしょうか。その理由は、燃料費調整額が高騰し、燃料費調整額の上限に達したからです。

燃料費調整額では高騰する原材料コストを吸収しきれなくなり、規制料金を値上げすることになったのですね。

また電気の原材料コストがあがり、自由料金プランや新電力各社の料金プランが値上げされたことにより、「規制料金の方が自由料金プランより安くなる」という現象が起きていました。

そのため自由料金プランや新電力プランから規制料金に乗り換える(戻す)人が増え、電力会社の収支が悪くなったことも、規制料金値上げの原因です。

従量電灯ってなに?

従量電灯とは、電気の使用量に応じて電気料金を支払うプランのことです。自由化以前からあった「規制料金」のプランとなります。

「従量電灯A」「従量電灯B」「従量電灯C」があり、東京電力管内の一般家庭では「従量電灯B」を契約することが多いです。

飲食店や事務所などで使用電力量が多い場合には、東京電力管内では「従量電灯C」を契約することが多いです。

従量電灯は料金に上限があったため、電気代高騰後は料金設定に上限のない「自由料金」よりも安くなるケースが多く、自由料金(新電力)から地域電力の従量電灯に戻すご家庭も多くなっていました。

ただし2023年6月1日の値上げによって、再度、規制料金の方が自由料金よりも高くなる状態となっています。

2023年4月1日から一部の地域電力が託送料金を値上げした

2023年4月1日から一部の地域電力が託送料金を値上げしたことも、電気代が高くなった一因です。

託送料金とは…

電力の小売を行っている事業者が、電気を送電する事業者(電線を管理運用して売る電力会社)に支払う電線網の利用料を指す。電気代の30~40%を占めている。

託送料金が値上げされた理由は、「再生可能エネルギーでつくった電気を送るための設備を新設すること」「老朽化した設備のメンテナンスや更新」などです。

2023年4月1日から託送料金を値上げした電力会社は以下の通りです。

  • 東京電力
  • 中部電力
  • 北陸電力
  • 関西電力
  • 中国電力
  • 九州電力

燃料費調整額が高くなった

燃料費調整額(燃調費)が高騰していることも、電気代が高くなった原因です。

燃料費調整額が高騰している理由は、ロシア・ウクライナ情勢などによって電気の原材料となる燃料の価格が高騰したことです。

日本における発電は、石油・石炭・液化天然ガスを使った火力発電がメインとなっています。

また日本は資源に乏しく燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、「海外の燃料価格高騰」「円安」によって燃料費調整額が上昇してしまいます。

一部の地域電力と新電力は、燃料費調整額の上限撤廃を発表しました(地域電力では自由料金プランのみ上限撤廃)。上限なく燃料費調整額が上乗せされると、電気代がかなり高くなる可能性もあります。「電力会社からのお知らせ」や「公式サイト」をしっかりチェックし、電気料金の動向を確認しておきましょう。

燃料費調整額は各電力会社や電力小売事業者の公式サイトで毎月公表されています。

新電力各社が料金見直し(値上げ)した

新電力の電気料金見直し(値上げ)も、電気代高騰の要因のひとつです。

新電力では「従量料金の値上げ」「燃料費調整額の上限撤廃」などが行われているからですね。

新電力の自由料金プランは値上げに際して国の許可が不要なので、燃料費価格を転嫁しやすく、容易に値上げされます。

また自由料金プランの中には「市場連動型のプラン」というものがあります。

「市場連動型のプラン」とは、電気の取引価格に応じて電気代が上下するプランのことです。

燃料費価格が上昇したり、夏場・冬場の電力需要が供給を上回ったりして電気の取引価格が高騰すると、契約者が支払う電気代も高くなります。

市場連動型のプランは「料金見直し」がなくても電気代が高くなる可能性があるということですね。電気代が一定にならず、毎月の負担額が大きく変わってしまうことに困るご家庭もあるでしょう。

現在の電気代が市場の影響を受けやすいのか、安い電力会社はないのかお悩みの方はこちらの窓口でぜひご相談ください。

主要電力会社の規制料金値上げ率一覧(2023年6月1日)

2023年6月1日の電気料金(規制料金)値上げについて、主要地域電力会社の値上げ率をまとめると以下のようになります。

電力会社 2022年11月の電気代 値上げ後の電気代 値上げ率

北海道電力

15,662円

18,885円 21%
東北電力

13,475円

16,657円 24%
東京電力 14,444円

16,522円

14%

北陸電力 11,155円 15,879円 42%
中部電力 14,289円 値上げなし 値上げなし
関西電力 12,192円 値上げなし 値上げなし
中国電力 13,012円 16,814円 29%
四国電力 12,884円 16,123円 25%
九州電力 11,844円 値上げなし 値上げなし
沖縄電力 14,074円 19,397円 38%

※標準的な家庭を想定した経済産業省資源エネルギー庁の試算をもとに作成。

参考:経済産業省資源エネルギー庁「電気料金の改定について(2023年6月実施)」

電力各社からは「もっと値上げしたい」という申請が出されていましたが、経済産業省の審査によって値上げ幅は縮小されました。

とはいえもっとも値上げ幅が大きい北陸電力では42%もの値上げとなっており、家庭の負担はかなり大きくなることがわかります。

主要電力会社の燃料費調整単価一覧(2023年8月分)

主要電力会社の燃料費調整単価一覧(2023年8月分)をまとめました。

電力会社 2023年8月分 2023年8月分(補助金措置後) 【参考】2022年8月分

北海道電力

-3.33円/kWh -10.33円/kWh 3.66円/kWh
東北電力 -4.31円/kWh -11.31円/kWh 3.47円/kWh
東京電力 -4.21円/kWh

-11.21円/kWh

5.10円/kWh
北陸電力 -3.38円/kWh -10.38円/kWh 5.02円/kWh
中部電力 -2.57円/kWh -9.57円/kWh 3.66円/kWh
関西電力 ‐4.76円/kWh -11.76円/kWh 2.24円/kWh
中国電力 ‐4.39円/kWh ‐11.40円/kWh 7.03円/kWh
四国電力 ‐3.08円/kWh ‐10.08円/kWh 2.55円/kWh
九州電力 1.86円/kWh -5.16円/kWh 1.94円/kWh
沖縄電力 -6.07/kWh -16.07円/kWh 3.98円/kWh

※すべて低圧プラン(一般家庭向け)の場合

燃料費調整単価が上がれば電気代は高くなりますし、下がれば安くなります。

とくに燃料費調整単価の上限を撤廃した自由料金プランでは、原料価格をどこまでも電気代に転嫁できるため、燃料費高騰の影響が大きくなります。

なお多くの新電力や地域電力の自由料金プランは、燃料費調整単価の上限を撤廃しています。

今度も電気代が高い状態は続くと見込まれる

今後も電気代が高い状態は続くと見込まれます。

エアコンを使う夏に向けて、電力消費量が増えるからです。

また2023年9月使用(10月検針分)までは電気代に対して国からの補助がありますが、10月使用分からは補助がなくなる可能性があるからですね。

詳しく解説します。

2023年9月使用分までは電気代に国の補助金が出る

主要電力会社の電気代については、2023年1月使用分(2月検針分)から2023年9月使用分までは国による負担軽減策がとられています。「電気・ガス価格激変緩和対策事業」という事業です。

生活するのになくてはならない電気の値段が高騰しており、国民の負担が増えているため、国が補助してくれているのですね。

具体的には、2023年1〜8月使用分に対しては「7円/kWh」、2023年9月使用分に対しては「3.5円/kWh」の補助金が出ます。

試算では、2023年1〜8月使用分については、標準的な家庭で2,800円程度の値引きを受けられることになります。電気の価格設定は高くなったものの、補助金のおかげで家計への影響はやや抑えられている状態です。

とはいえ電気代そのものが従来に比べてあがってきているので、夏場エアコンを使う時期には、電気代が高くなることは避けられません。

ちなみに補助金を受けるために申請などは必要ありません。契約先の電力会社が電気・ガス価格激変緩和対策事業に採択されていれば、自動で月々の電気代から値引きされています。

また都市ガスについても同様の措置がとられています。

沖縄エリアでは独自の電気代値引き事業が実施されている

沖縄電力エリアでは、国が実施している「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に加えで、沖縄県と一般社団法人沖縄県経営者協会による「沖縄電気料金高騰緊急対策事業」が実施されています。

実施期間は2023年6月使用分(7月検針分)から2023年9月使用分までです。

2023年6〜8月使用分からは「3円/kWh」、2023年9月使用分からは「1.5円/kWh」が値引きされます。標準的な家庭では月あたり1,200円程度の値引きとなります。

「沖縄電気料金高騰緊急対策事業」についても、一般家庭からの申請は不要です。

電気・ガス価格激変緩和対策事業が2023年10月以降も継続されるかは不明

電気・ガス価格激変緩和対策事業は2023年9月使用分までの予定です。10月以降に継続して実施されるかどうかはわかりません。

2023年10月以降からは電気・ガス価格激変緩和対策事業がなくなってしまう場合、電気代が高くなる可能性があるのです。

今すぐに電気代を安くしたい方はぜひこちらのでんき乗り換え窓口にご相談ください。
お安くなる電力会社をお調べいたします。また無料で手続きを代行してもらえますし、いきなり申し込み画面には飛ばないので安心してください。

電気代が高くなったときにできる対策5つ

2023年9月使用分までは国から補助金が出ているとはいえ、夏場は電気代が高くなることが予想されます。

「電気代が高くなった」と感じたときにできる対処法を紹介します。

  • 節電を心がける
  • 古い家電を省エネ家電に買い替える
  • 太陽光発電設備を設置して自家発電する
  • 契約アンペア数を下げる
  • 電力会社や電気料金プランを乗り換える

順番に解説します。

節電に取り組む

「電気代を減らす方法」としてまず思いつくのが「節電」ではないでしょうか。電気使用量が減れば電気代も下がるのですから、節電は値上げへの対策として有効です。

代表的な節電方法をいくつか紹介します。どれも手軽に取り組めますので、ぜひ実践してみてください。

エアコンの節電方法

エアコンの節電方法を紹介します。

  • 設定温度は夏28℃、冬20℃
  • サーキュレーターと併用して冷暖房効率アップ
  • フィルターを掃除する
  • 室外機の周りにモノを置かない
  • 自動運転を活用する
  • 頻繁にオンオフしない

家電は「使わないときはこまめに消す」という方が多いですね。

しかしエアコンは冷房・暖房ともに運転開始時(室温を設定温度にするまでの時間)に多くの電力を使うので、つけたり消したりを繰り返すとかえって効率が悪くなってしまいます。

冷蔵庫の節電方法

冷蔵庫の節電方法を紹介します。

  • 食品を詰め込みすぎない
  • 冬は温度設定を「弱」にする
  • 冷蔵庫の周りに空きスペースをつくる
  • 扉の開け閉めを減らす

冷蔵庫は常時稼働しているため、消費電力量の多くなる家電のひとつです。

季節・気温によって設定温度を見直して、節電につなげましょう。

洗濯乾燥機の節電方法

洗濯乾燥機の節電方法を紹介します。

  • まとめて洗濯する
  • すすぎや脱水の回数を減らす
  • 乾燥機能を使う頻度を減らす

乾燥機を使いすぎると電気代は高くなります。外干しができる環境であれば、天気の良い日はできるだけ自然乾燥を取り入れましょう。

できるだけまとめて洗濯するのが望ましいですが、詰め込みすぎるときちんと汚れが落ちなかったり、脱水に時間がかかったります。洗濯物の量は「ドラムの8割程度」が目安です。

他に「テレビの明るさ調整」「照明をこまめに消す」などの節電方法もありますので、取り組めそうなものから試してみてください。

古い家電を省エネ家電に買い替える

省エネ家電に買い替えるのもおすすめです。家電の省エネ性能は年々進化しており、古い家電を新しい家電に買い替えることにより、節電効果が見込めるからですね。

とくに10年以上同じエアコンを使い続けている場合は、買い替えを検討してみましょう。

購入するための初期費用はかかりますが、長い目で見ると節電・電気料金の低下につながります。

買い替えの際は「省エネラベル」を参考にすると、各商品の省エネ性能がわかりやすいです。

太陽光発電設備を設置して自家発電する

太陽光発電設備を設置するのも、電気代の値上げ対策に有効です。太陽光発電して電気を自宅で発電すれば、購入量が減るからです。

自宅で使う電気全てを賄うことはできなくても、かなりの節電・節約効果があると期待できます。

もちろん太陽光発電システムを設置するには初期費用がかかります。

しかし業者が増えて比較見積もりもしやすくなっていることから、昔よりも設置費用は安くなっています。また発電効率のよいパネルも製造・販売されています。

電気代を気にせず暮らしたいなら、太陽光発電はぜひおすすめです。

契約アンペア数を下げる

契約アンペア数によって基本料金が変わるプラン(アンペア制)の場合には、契約アンペア数を下げることで電気代は安くなります。例えば「40Aから30Aに変える」などです。

アンペア数が低いほど、基本料金が安くなるからですね。

ただしアンペア数を下げすぎると、複数の家電を同時に使用したときなどに、すぐにブレーカーが落ちてしまいます。

適切なアンペア数を計算できるツール(東京電力エナジーパートナーの「わが家のアンペアチェック」など)がありますので、シミュレーションしてみるのもよいでしょう。

なお関西電力など一部の電力会社は、「最低料金制」を採用しており、アンペア制ではありません。

電力会社や電気料金プランを乗り換える

電気代が高くなった場合、電力会社や電気料金プランを乗り換えるのもおすすめです。

家電の買い替えや太陽光発電システム設置のように初期費用がかからず、節電のような細かい注意や行動も不要だからですね。

しかも乗り換え方法も「新しい電力会社に申し込みするだけ」で、かなり簡単かつ手軽。

「自分はこまめに電気を消すなど節電に取り組んでいるのに、家族があまり協力してくれなくて腹が立つ」「家電購入などのまとまった金額を用意するのは難しい」という方におすすめの方法です。

一時期は電気の市場価格が上昇したことなどで、新電力各社の電気代があがり、契約先を新電力から地域電力に戻した人も多くいました。

しかし地域電力の規制料金や託送料金が値上げされたことで、また新電力の料金プランに価格的優位性が生まれています。

「電気代が高くなった」と感じる今こそ、電力会社やプランの乗り換えタイミングといえるでしょう。

電力会社・電力プランを乗り換えたら電気代はいくら安くなる?比較一覧

電力会社や電力プランを乗り換えると、実際に電気代はどれくらい安くなるのでしょうか。

アンペア数・使用電力量別(世帯タイプ別)に、主要電力会社とおすすめ新電力(たのしいでんき)の電気代を比較してみましたので、ぜひ参考にして下さい。

20A・使用電力量150kWhの場合(一人暮らし想定)

まずは一人暮らしを想定した契約アンペア数と電力消費量で試算しました。

エリア 料金改定前の地域電力の電気代試算(月平均)

料金改定後地域電力契約時に想定される電気代(月平均)

たのしいでんき契約時に想定される電気代(月平均)

北海道電力エリア 4,466.2円 6,252.7円 5,320円
東北電力エリア 3,649.5円 5,398円 4,720円
東京電力エリア 3,774.98円 5,228.48円 4,840円
中部電力エリア 3,862.1円 3,927.6円 4,795円
北陸電力エリア 3,276.7円 5,346.2円 4,345円
関西電力エリア 3,244.86円 3,337.26円

4,275円

中国電力エリア 3,639.57円 5,345.12円 4,425円
四国電力エリア 3,441.43円 5,217.34円 4,485円
九州電力エリア 3,381円 3,542.48円

4,330円

※2024年2月25日時点の情報です。※沖縄エリアではたのしいでんきが契約できないため、比較していません。

たのしいでんきに切り替えると、かなり電気代が下がるとわかります。

2023年6月1日に規定料金を値上げしなかった中部電力・関西電力・九州電力では、たのしいでんきに切り替えないほうが電気代は安くなります。

そのため中部・関西・九州では、現在のところ地域電力との契約を続けるのがおすすめです。

30A・使用電力量250kWhの場合(夫婦・カップル想定)

夫婦・カップルなど二人暮らしを想定した契約アンペア数と電力消費量で試算した結果は以下の通りです。

エリア 料金改定前の地域電力の電気代試算(月平均)

料金改定後地域電力契約時に想定される電気代(月平均)

たのしいでんき契約時に想定される電気代(月平均)

北海道電力エリア 7,833.2 10,799.7 8,500
東北電力エリア 6,512.5 9,413.8 7,500
東京電力エリア 6,721.22 9,243.72 7,700
中部電力エリア 6,699.1 6,804.6 7,625
北陸電力エリア 5,691.7 9,120.7 6,875
関西電力エリア 5,815.86 5,908.26 6,575
中国電力エリア 6,453.57 9,296.12 6,825
四国電力エリア 6,140.43 8,855.34 6,925
九州電力エリア 5,984 6,246.72 6,850

※2024年2月25日時点の情報です。※沖縄エリアではたのしいでんきが契約できないため、比較していません。

一人暮らしと同様に、中部・関西・九州では、現在のところ地域電力との契約を続けるのがおすすめです。

40A・使用電力量350kWhの場合(ファミリー想定)

3人暮らしのファミリー世帯を想定した契約アンペア数と電力消費量で試算した結果は以下の通りです。

エリア 料金改定前の地域電力の電気代試算(月平均)

料金改定後地域電力契約時に想定される電気代(月平均)

たのしいでんき契約時に想定される電気代(月平均)

北海道電力エリア 11,460.6 15,607.1 11,680
東北電力エリア 9,573 13,626.9 10,280
東京電力エリア 9,871.96 13,403.46 10,560
中部電力エリア 9,683.6 9,829.1 10,455
北陸電力エリア 8,192.2 12,980.7 9,405
関西電力エリア 8,536.36 8,628.76 9,205
中国電力エリア 9,373.57 13,353.12 9,555
四国電力エリア 9,014.93 12,758.84 9,695円
九州電力エリア 8,737 9,100.96 9,370円

※2024年2月25日時点の情報です。※沖縄エリアではたのしいでんきが契約できないため、比較していません。

北海道電力エリアでは、規制料金値上げ前とほとんど変わらない値段にまで安くなることがわかります。

一人暮らし等と同様に、中部・関西・九州では、現在のところ地域電力との契約を続けるのがおすすめです。

「たのしいでんき」とは?

たのしいでんきは「HTBエナジー」が運営する新電力です。

九州にある有名テーマパーク「ハウステンボス」発の新電力として誕生し、全国的に電力小売り事業を展開しています。

基本料金と従量料金が一律でわかりやすい料金プランなのが特徴。料金を抑えつつも、生活サポートが無料でついてくるなどサービスが充実しています。

コールセンターの対応力にも定評があるので、初めて新電力を契約する方も安心できるはずです。

電力会社を乗り換える手順と乗り換えの注意点

今後も電気代が高い状態は続くと見込まれるため、できるだけ早く電気代が安くなる新電力に乗り換えるのがおすすめ。

電力会社を乗り換える手順(契約先の電力会社を変更する手順)や注意点について紹介します。

電力会社を乗り換える手順

電力会社を乗り換える手順は以下の通りです。

  1. 契約する電力会社を決める
  2. 契約したい電力会社に申し込みする

とても簡単ですよね。

契約中の電力会社(もともとの電力会社)への解約連絡は不要です。乗り換え先の電力会社が手続きしてくれるからです。

申し込みはオンラインでできる電力会社がほとんどなので、申し込み手続き自体もとても簡単ですよ。

申し込み後、はがきやメールで新しい電力会社から「利用開始予定日のお知らせ」などがあります。

電力会社切り替えにあたって原則工事などは必要ありませんが、スマートメーターへの交換が発生する可能性はあります。

スマートメーターへの交換費用などはかからず、立ち会いも不要なので、安心してください。

電力会社への申し込みに必要な情報

新しい電力会社に申し込みするときには、「供給地点特定番号」や、今まで使っていた電力会社の「お客様番号」が必要となります。

「供給地点特定番号」や「お客様番号」は検針票や請求書で確認できます。そのため申し込み時には検針票を手元に準備しておくとスムーズです。

また電力会社のサイトにマイページをもっている人は、マイページからも確認できます。

どうしても「供給地点特定番号」がわからない場合は、契約中の電力会社に問い合わせてください。

電力会社を乗り換えるときの注意点

電力会社を乗り換えるときには、以下の点に注意しましょう。

  • 自宅がサービスエリア内か確認する
  • 最新の電気料金をチェックする
  • 市場連動型の料金プランはリスクが高い
  • キャンペーン適用条件に注意する

順番に解説します。

自宅がサービスエリア内か確認する

電力会社によってサービス提供エリアが異なりますので、自宅が契約したい電力会社のサービスエリア内にあるかどうかをチェックしましょう。

また「関東エリアでサービス展開中」の会社であっても、一部エリアは対象外になることがあります。

最新の電気料金をチェックする

多くの電力会社では、原材料価格の高騰などにともなって電気料金の値上げを行っています。

切り替えることで電気代が本当に安くなるのかどうか、最新の情報でシミュレーションしてから申し込みましょう。

しっかり調べてから申し込まないと、思ったほど電気代が安くならないかもしれません。

またオール電化の場合、適切なプランを契約しないと電気代が高くなってしまうこともあるので、プラン選びにはとくに注意しましょう。なおオール電化用の「夜間料金が安いプラン」などについては、新規受付を停止している新電力もあります。

市場連動型の料金プランはリスクが高い

一部の電力会社では、電気の市場価格に連動して電気代が変わる「市場連動型の料金プラン」を採用しています。

市場連動型プランでは、電気の市場価格が下がれば電気代も安くなりますが、市場価格が高騰すると電気代も予想以上に高くなってしまう可能性があります。リスクが高いので、現在のところあまりおすすめしません。

キャンペーン適用条件に注意する

電力会社によっては「契約するプラン」「契約する期間」などによってキャッシュバックやポイント還元などの特典をつけてくれます。

複数の条件を満たさないと特典を受けられないケースもありますので、キャンペーン狙いの方は適用条件をしっかりチェックしておきましょう。

もっと簡単に電力会社を乗り換える方法

電力会社を切り替えるのが初めてで、手続きなどに不安がある場合には、以下の窓口を利用するのがおすすめです。電気申し込みの取次実績が豊富な窓口だからですね。

電話または申し込みフォームで手続きすれば、電気の切り替え作業を代行してもらえます。

都市ガスの切り替えも同時に申し込めるので、引っ越しを期に電力会社やガス会社を乗り換えたい方にもおすすめです。ガス代も節約できる可能性があります。

気になる方はぜひこちらのリンクからチェックしてみてください。無料で代行してもらえますし、いきなり申し込み画面には飛ばないので安心してください。

まとめ:「電気代が高くなった」と感じたら新電力への乗り換えを検討しよう

2023年6月1日に東京電力など一部の地域電力が規制料金(従量電灯Bなどのプラン)を値上げしました。また2023年4月1日に託送料金を値上げした電力会社もあります。

14~42%程度の値上げになったため、「電気代が高くなった」と感じている方も多いでしょう。夏、エアコンを使う時期が近付いているのでツラいですよね。

2023年9月使用分(10月検針分)までは国の事業から補助金が出るため、家庭の電気代負担は軽減されています。しかし10月使用分(11月検針分)以降に制度がなくなってしまった場合、また暖房を使う時期にはまたぐっと電気代が高くなってしまう可能性も。

電気代を安くしたいなら、節電に取り組むのはもちろん、電力会社を新電力に乗り換えるのもおすすめです。

「料金が高くなった地域電力の従量電灯」から「新電力」に乗り換えれば、電気代が下がる可能性があるからです。

ただし規制料金が値上げされていない中部電力・関西電力・九州電力のエリアでは、乗り換え先を慎重に検討しましょう。ケースによっては、地域電力と契約したままのほうがオトクです。

新電力への切り替えは、以下の窓口で代行してもらえます。無料で使えるので、電気代を安くしたい方はぜひ利用してください。

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