引っ越しでもらえる補助金・助成金・給付金7選!対象者や注意点を解説
引っ越しには運搬費用や新居の敷金・礼金をはじめ、まとまったお金が必要です。少しでも負担を減らすために、費用の一部を国や自治体が負担してくれる補助金や助成金、給付金といった制度があることを知っていますか。
本記事では、引っ越しのときに申請できるさまざまな制度の中から、7種類をピックアップして紹介します。対象となる世帯の条件やもらえる金額を詳しくまとめました。
申請時の注意点や引っ越し費用を抑える方法も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
なお、引っ越し時にはライフラインの見直しや変更手続きも必要です。面倒な手続きは、無料で依頼できる代行サービスに依頼して負担を減らしましょう。
引っ越し時にもらえる補助金・助成金・給付金とは?
引っ越しの費用にかかる負担を軽減するために、国や自治体から一定金額の援助を受けられる制度があります。
受け取るための条件は制度によって異なり、申請すれば受給できるものから審査があるものまでさまざまです。
まずは具体的な制度を紹介する前に、違いのわかりにくい補助金・助成金・給付金の定義を確認しておきましょう。
補助金
補助金は主に国が推進する事業や、新しいサービスを普及させる目的で支給されるお金です。
実際にかかった費用の一部を補填する制度が多く「引っ越し業者への支払い費用の50%を上限10万円まで補助」のような条件で支給されます。
受け取るには、費用を証明する書類(領収書や契約書)の提出が必要です。申請後に審査や面談が実施されることも少なくありません。
助成金
助成金は地方移住や就職支援といった、雇用の創出や労働環境を安定させる目的で支給されるお金です。
実費に対する補填ではなく、条件を満たしていれば一定の金額を受給できる制度が多いのが特徴です。
受給にあたって審査が不要な制度が多いですが、もらったお金の使い道を報告しなければならない場合もあります。
給付金
事業の継続や生活支援を目的としているのが給付金です。要件を満たしている人は、申請すれば誰でも受け取れるのが特徴です。
特定の理由で働けない人や、収入が不安定な世帯に対して一定の金額が支給され、使い道に制限はありません。
引っ越し時に補助金・助成金・給付金をもらえる主な対象者と制度7選
世帯の状況や収入によって、引っ越し時に申請できる制度は異なります。今回は世帯の状態ごとに、次の7つの制度をご紹介します。
- 収入に不安がある世帯「住居確保給付金」
- 地方移住する世帯「移住支援金」
- 新婚世帯「新婚生活支援事業」
- 子育て世帯「次世代育成転居助成(新宿区)」
- ひとり親世帯「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」
- 高齢者世帯「高齢者住み替え家賃等助成事業」
- 親との同居・近居を検討している世帯「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金」
各制度の条件等をよく読み、引っ越し時にもらえるお金がないか確認しましょう。
収入に不安がある世帯「住居確保給付金」
「住居確保給付金」は、収入の減少によって住居を失う可能性のある世帯に向けた制度です。
3ヶ月分の家賃が支給されますが、上限額は自治体によって異なります。2回まで延長でき、最大9ヶ月分まで受給可能です。
なお、支給された給付金は、自治体から直接、不動産会社や大家さんに支払われます。
条件
以下のすべての要件を満たしていること。
- 主な生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合、もしくは個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合
- 直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12と、家賃(上限あり)の合計額を超えていないこと
- 現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額を超えていないこと
- ハローワーク等に求職の申込をし、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと
金額
市区町村ごとに定める額を上限に、実際の家賃額を原則3ヶ月間。延長は2回まで、最大9ヶ月間支給。
例:東京23区の場合(月額)
- 一人世帯:53,700円
- 二人世帯:64,000円
- 三人世帯:69,800円
地方移住をする世帯「移住支援金」
「移住支援金」は、東京23区に居住、もしくは東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)から23区に通勤している人が、東京圏外へ移住する場合に受け取れる支援金です。
テレワークによる業務継続や、移住先の中小企業への就職といった条件を満たしていれば、移住先の自治体から最大100万円の支援を受けられます。
条件
以下のすべての要件を満たしていること。
- 【移住元】東京23区の在住者、または東京圏から東京23区へ通勤している
- 【移住先】東京圏以外の道府県、または東京圏の条件不利地域への移住者(移住支援事業実施都道府県・市町村に限る)
- 【就業等】地域の中小企業等への就業やテレワークにより、移住前の業務を継続、地域で社会的起業などを実施
金額
単身者は60万円、世帯の場合は100万円以内で都道府県が定める額を支給。
新婚世帯「新婚生活支援事業」
「新婚生活支援事業」は、こども家庭庁が実施する「地域少子化対策重点推進交付金」の一つです。
所得合計が500万円未満で、夫婦ともに39歳以下の世帯を対象に、結婚に伴う引っ越しや住宅費用の一部が支給されます。
条件
夫婦ともに39歳以下の新婚世帯かつ、世帯所得が500万円未満であること。
金額
婚姻に伴う住宅取得費用、リフォーム費用、住宅賃借費用、引っ越し費用の一部を支給。
- 夫婦共に29歳以下の場合:60万円以内
- 夫婦共に39歳以下の場合:30万円以内
参考:令和6年度地域少子化対策重点推進交付金の概要 – こども家庭庁
子育て世帯「次世代育成転居助成(新宿区)」
子育て世帯を対象に、家賃や引っ越し費用の一部を支援してもらえる制度もあります。自治体によって異なるため、引っ越し先で確認してみましょう。
例として、東京都新宿区の制度「次世代育成転居助成」を紹介します。募集数に上限があるため、申請の際は早めの準備がおすすめです。
条件
義務教育修了前の児童を扶養して同居する世帯であり、新宿区の定める住宅要件、所得要件を満たしていること。
※予定登録申請時に胎児(出産予定)の場合は、本申請までに出生の事実を確認できる予定であること。
金額
転居前後の家賃差額を(最長2年間、月額最高35,000円)、引っ越し代として最大10万円を支給。
ひとり親世帯「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」
「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」は、ひとり親世帯に向けた、無利子または低利子での貸付金制度です。
転居以外にも、子どもの就学や結婚資金といった目的での借り入れもできます。
条件
次のいずれかに該当すること。
- 母子家庭の母、父子家庭の父(20歳未満の児童を扶養している方)
- 母子家庭の母または父子家庭の父が扶養している20歳未満の児童
- 父母のいない20歳未満の児童
- 寡婦または寡婦が扶養する子
金額
移転に伴う住宅賃借に必要な資金として26万円を貸付(償還期間は3年以内)。
高齢者世帯「高齢者住み替え家賃等助成事業」
高齢者を対象とした制度は自治体によって異なるため、確認が必要です。
例として、東京都荒川区の「高齢者住み替え家賃等助成事業」を紹介します。
防災上の都合での転居や、取り壊し等により立ち退きを求められている高齢者世帯に、転居後の家賃といった費用の一部を助成する制度です。
条件
70歳以上の一人暮らし、またはその配偶者、兄弟姉妹で構成された世帯であること(現在の住宅や転居先、世帯の状態に関して荒川区の定める条件を満たしていること)。
金額
- 家賃:転居後の家賃と転居前の家賃との差額を助成し、最高で月額4万円を支給
- 礼金・権利金(敷金は対象外):家賃補助額の2ヶ月分を支給
- 仲介手数料:家賃補助額の1ヶ月分を支給
- 転居費用:支払額として4万円を支給
- 契約更新料:契約更新後の家賃補助額の1ヶ月分を支給
親との同居・近居等を検討している世帯「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金」
自治体によっては、引っ越しで親と同居や近居する場合に、住宅の取得(賃貸は対象外)やリフォームにかかる費用の一部が交付される制度があります。
例として、神奈川県厚木市の「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金」を見てみましょう。
条件
以下のすべての要件を満たしていること。
- 親世帯が1年以上厚木市に居住している方で、近居・同居のために市外から転入する子世帯(転入する日以前、厚木市に1年間住民登録のない方)
- 補助を対象とする住宅に、10年以上近居・同居をする予定の方
- 宅の新築工事もしくは購入の契約者、または既存住宅の増改築の工事(改修工事を含む)の契約者
- 外国人を含む場合は、永住権のある世帯
- 木市若年世帯住宅取得支援事業補助金の交付を受けていない世帯
金額
基本額
- 住宅取得補助金:近居の場合は40万円、同居の場合は60万円を支給
- 住宅改修補助金:補助対象経費の10分の1(20万円を限度)を支給
加算額
以下項目につき10万円を支給。
- 子世帯に中学生以下の子どもがいる場合
- 子世帯の世帯主または配偶者が40歳未満の場合
- 定住促進地域に住宅を取得する場合
- 子世帯に市内に在勤する勤労者(1年以上)等がいる場合
他にも埼玉県では、同居・近居による助成金をもらえる市町村を一覧でまとめたページ「同居・近居、住宅リフォームに関する助成等」が用意されています。
引っ越し先の自治体のホームページを確認してみましょう。
引っ越しで補助金や助成金を受け取る際の注意点
引っ越しで補助金や助成金を受け取る際は、以下3つのポイントに注意しましょう。
- 自分がもらえるお金を把握する
- 申請手続きの期限を守る
- 他の制度との併用ができるか確認する
それぞれ詳しく説明します。
自分がもらえるお金を把握する
引っ越しの際に利用できる制度は、世帯の状態や転居先の地域によって異なります。
まずは自治体のホームページを確認してみてください。よくわからない場合は不動産会社に状況を伝え、自分が申請できる制度があるか聞いてみるのも良いでしょう。
制度について押さえるべきポイントは以下のとおりです。
- 申請時期
- 対象者の条件(所得・家族構成)
- 対象物件の条件(広さ・家賃・設備)
- もらえる金額
申請できるか判断できない場合は、必ず事前に自治体の窓口に問い合わせましょう。
申請手続きの期限を守る
制度によっては申込期限が短かったり、募集人数の上限が決まっていたりする場合があります。申請が遅いと受給できない可能性があるため、期限や人数が決まっているときは早めの対応を心がけましょう。
補助金のように実費の支払い後に申請する場合は、事前に申し込み書類を入手しておくとスムーズです。
他の制度との併用ができるか確認する
他の支援制度や生活保護などを受給している場合は、申請できない制度があります。申請しようとしている制度の要件をしっかりと把握しておきましょう。
申請資格があるかわからない場合は、各自治体の窓口に確認してください。
補助金がもらえない場合に引っ越し費用を抑える方法
国や自治体の制度が使えない場合でも、引っ越し費用の負担を軽くする方法があります。
- 会社からもらえる手当を確認する
- 会社負担にならない場合は特定支出控除を検討する
- 引っ越し業者の相見積もりを取る
できることを確認し、少しでも費用を抑える方法としてお役立てください。
会社からもらえる手当を確認する
会社によっては、福利厚生として引っ越し費用や住宅に関する費用の一部を負担してくれる場合があります。会社からもらえる手当がないか確認しましょう。
【会社負担になりやすい引っ越し費用】
- 引っ越し費用
- 交通費・宿泊費
- 転園・転校にかかる費用
- 単身赴任手当
- 帰省手当
ただし、引っ越しの理由によっては、適用されない場合や、負担してもらえる金額に上限が定められていることがあります。
引っ越しが決まったら、早めに就業規則や転勤取扱規程、雇用契約書を確認することが大切です。
会社負担にならない場合は特定支出控除を検討する
会社都合の引っ越しで補助が出ない場合は「特定支出控除」の対象となります。
特定支出控除とは、仕事に必要だと認められた経費(今回であれば転勤のための引っ越し費用)の合計額が給与所得控除額の半分を超えた場合に、その超過分を給与所得から差し引ける制度です。
例)年収500万円の場合
給与所得控除額の半分:144万円(収入×20%+44万円)÷ 2 = 72万円
特定支出(引っ越し費用):90万円
特定支出控除として、18万円(90万円−72万円)が控除可能です。
確定申告の際には、領収書の添付が必要になります。引っ越しにかかった費用の領収書はしっかりと保管しておきましょう。
引っ越し業者の相見積もりを取る
引っ越し費用自体を抑えるために、なるべく複数の引っ越し業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
また、業者によっては、荷造りや荷解きを自分で済ませることで安くなるケースがあります。見積書をもらったら、不要なオプションや削れる項目がないか確認しましょう。
引っ越し時の面倒な手続きは一括手続き代行にお任せ
引っ越し時にもらえる補助金や助成金などを確認することは重要ですが、ライフラインの切り替え手続きも忘れてはなりません。つい後回しになりがちなので注意しましょう。
さまざまな手続きが多くて忙しい方には、面倒なライフラインの切り替えを代行してくれるサービスの利用がおすすめです。
「ライフライン一括引っ越し代行」なら、退去時と入居時に必要な以下の手続きを無料で任せられます。
- ガス
- 水道
- 電気
- インターネット回線
引っ越し先のエリアで最適なプランを提案してくれるため、多くの人に選ばれている人気のサービスです。少しでも引っ越し時の負担を減らすための方法として、ぜひ利用を検討してみてください。
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