一人暮らしのスタートにかかるお金は「物件の契約にかかる費用」「引っ越し費用」「家具・家電の購入費用」を合わせて、「40~50万円くらいは必要」と言われます。
ただ物件の選び方や引っ越し方法によっては、もっと安く抑えられます。家賃や引っ越し方法によって、賃貸契約・引っ越しにかかる費用が上下するからです。
この記事では、一人暮らしのスタート時にかかるお金の相場や「総額を安く抑えるコツ」を紹介します。
記事を最後まで読んでいただければ、「一人暮らしにあたり用意すべき初期費用の総額や内訳」「費用を安くするためにできること」がわかります。
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一人暮らしの引っ越しの初期費用の目安
初めて一人暮らしをする際にかかる初期費用は「総額40~50万円くらいが目安」と言われます。
しかし初期費用の総額は、実際には家賃の額にかなり左右されます。初期費用の多くを占めるのが、賃貸物件の契約時にかかる費用であり、その内訳が「家賃の○ヶ月分」と決まることが多いからです。
計算してみますと、一人暮らしに必要な初期費用は「家賃の1~5ヶ月分+15~25万円」となります。
まずは「必要な初期費用の目安金額」と「家賃の目安」を一覧表にしました。
初期費用の目安 | 家賃の目安 |
18~35万円 | 3万円程度 |
20~45万円 | 5万円程度 |
22~55万円 | 7万円程度 |
24~65万円 | 9万円程度 |
住む予定のエリアの家賃相場から一人暮らし開始に必要な初期費用を見積もったり、用意できる初期費用から家賃の上限を決めたりしましょう。
ちなみに家賃は「手取り収入の1/3」が目安とされています。自分で家賃を負担する方は、家賃を無理のない範囲におさめてくださいね。
一人暮らしをする際に想定される初期費用はどんなものがあるの?
では一人暮らしでかかる初期費用には、どのようなものがあるのでしょうか。大きく分けて、次の3種類の費用がかかります。
- 賃貸物件を借りるときにかかる費用
- 引っ越し料金
- 新居で使う家具・家電・日用品の購入費用
この章では、賃貸物件を借りる際にかかる初期費用の内訳・詳細を紹介します。
賃貸物件契約にかかる費用は家賃5ヶ月分程度
一人暮らしの初期費用でもっとも金額が大きくなるのが、賃貸物件を借りるための費用です。
賃貸マンション・アパート・戸建を借りるときにかかる費用は主に以下のとおりです。
初期費用の種類 | 金額の目安 |
敷金 | 家賃1~2ヶ月分 |
礼金 | 家賃1~2ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
前家賃+前管理費(共益費) | 家賃1ヶ月分 |
日割り家賃+日割り管理費(共益費) | 契約日から月末までの家賃と管理費(共益費) |
保証料 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
鍵交換費用 | 1~2万円 |
消毒料 | 1~2万円 |
火災保険料 | 1~2万円 |
各種オプション料 (鍵紛失、機器故障への対応など) |
1~2万円 |
具体的に計算してみましょう。
【家賃6万円(管理費込)の場合の例】 ・敷金:6万円 ・礼金:6万円 ・仲介手数料(家賃0.5月分の場合):3万円✕消費税=3.3万円 ・日割り家賃(半月分の場合):3万円 ・前家賃:6万円 ・保証料(家賃0.5月分の場合):3万円 ・鍵交換費用:1万円 ・消毒料:1万円 ・火災保険料:1万円 合計:30.3万円(家賃5.05ヶ月分) |
おおよそ家賃5ヶ月分がかかるとわかりますね。
ではそれぞれの費用について詳しく解説します。
敷金(家賃1~2ヶ月分)
敷金とは「事情があって家賃を払えなくなってしまった際の補填」や「借りた部屋を汚したり傷つけたりしてしまった際の修繕費用」にあてるため、大家さんに預けておくお金です。
「家賃を滞納しなかった」「退去時に大規模な修繕が不要だった」等の場合には、退去時に敷金の全額または一部が返金されます。
敷金の金額は賃貸物件により異なりますが、一般的には家賃1~2ヶ月分です。また敷金なしの物件もあります。
礼金(家賃1~2ヶ月分)
礼金は大家さんへの「入居させてもらうことへのお礼」として支払うお金です。敷金は預けるお金ですが、礼金はお礼として支払うお金なので返金されません。
礼金の金額は賃貸物件により異なりますが、一般的には家賃1~2ヶ月分です。礼金がない賃貸物件もあります。例えばURの賃貸住宅では礼金はありません。
地域によっても「礼金が一般的な地域」「礼金があまり浸透していない地域」があります。
仲介手数料(家賃0.5~1ヶ月分)
仲介手数料とは、賃貸物件を紹介してくれた不動産会社に対して支払う手数料です。内見に案内してもらうだけでは手数料はかからず、部屋を決めて契約する際にかかります。
なお「不動産会社を介さず直接大家さんから部屋を借りる」「URの賃貸住宅を借りる」などの場合には、仲介手数料は発生しません。
前家賃+前管理費(共益費)
賃貸物件に入居する際には、翌月分の家賃と管理費・共益費を事前に支払います。例えば3月に入居するなら、4月分の家賃を前家賃として支払います。
「初期費用が増えてしまうので嫌だな」と思う人もいるかもしれませんが、家賃を前納しているだけなので「損」ではありません。
大家さん・管理会社にとっては滞納リスクを軽減するための策です。
また次月の家賃を払い忘れる心配がないので、入居者にもメリットはあります。口座振替などではなく振込で家賃を払う場合、「引っ越し直後でバタバタしていて、家賃を振り込み忘れた」という人も多いからですね。
日割り家賃+日割り管理費(共益費)
入居時には前家賃と同時に、入居当月の家賃と管理費(共益費)も支払います。当月分の家賃の額は、入居開始日から月末までの日割りで計算されます。これを日割り家賃といいます。
月の後半に入居開始するなど、入居日数が少ない場合には、それだけ当月分の日割り家賃は少なくなります。
ちなみに管理費・共益費とは、建物全体や共用部の維持管理などに使われるお金です。金額は賃貸物件によりまちまちですが、家賃の5~10%程度で設定されているケースが多くなっています。
家賃と管理費・共益費が別々に設定されている物件もあれば、家賃に管理費・共益費が含まれている物件もあります。
家賃と管理費・共益費が分かれている場合には、敷金や礼金は家賃部分のみをもとに計算します。この場合、初期費用が安くできるのがメリットですね。
ただし「家賃が安く見えても、管理費・共益費を入れると相場よりかなり高くなる」というケースもあるので注意しましょう。管理費・共益費が高いと、結局毎月の支払い金額は増えてしまいます。
保証料(家賃0.5~1ヶ月分)
保証会社を利用する際に支払う必要があるのが保証料です。
保証会社とは連帯保証人・保証人の代わりになる会社です。
入居者が家賃を滞納してしまった場合には、保証会社が家賃を一旦立て替えて払ってくれます。入居者は後日保証会社に対して、立て替えてもらった家賃を返済します。
最近では賃貸物件を契約する際には、「保証会社の利用」が必須となるケースが多くなっています。連帯保証人を立てられる場合でも「保証会社を利用してください」と言われるケースが多いですね。
鍵交換費用(1~2万円)
鍵交換費用は、賃貸物件の鍵を新しいものに交換するための費用です。
国交省のガイドラインでは「入居者の入れ替わりによる鍵交換については、貸主(大家さん)が負担することが妥当」とされていますが、実際には入居者に負担を求めるケースが多くなっています。
鍵交換は任意ですが、交換しないままだと防犯上のリスクがあるため「鍵交換しないで住み始める」という選択肢は考えにくいでしょう。
前の入居者は鍵を返却しているはずですが、「合鍵を作って持っている」など、鍵を開けられる状態になっている可能性はゼロではないからです。
鍵交換費用は鍵の種類によって異なり、防犯性能の高いディンプルキーなどですと費用が高くなります。
室内消毒料(1~2万円)
入居前に室内を消毒するための費用です。入居前にスプレーなどで消毒しておくことで、防虫・消臭効果などが得られます。
室内消毒を頼むかどうかは任意です。
ただし消毒を拒否した場合には大家さんや管理会社から「消毒しない人とは契約しない」と言われてしまう可能性もあります。
火災保険料(1~2万円)
火災や水漏れなどによる損害を補償するための保険が火災保険です。
また地震保険は地震に備えるための保険で、火災保険の特約として契約することになっています。地震保険単独では契約できません。
賃貸物件を契約する際には、火災保険や地震保険にも加入します。
大家さんや不動産会社が提携している火災保険に入るのが一般的ですが、自分で火災保険を選ぶこともできます。
もし不動産会社が提携している火災保険が「一人暮らしの家財に対して補償内容が手厚すぎ、保険料も高い」と感じたら、自分に合う火災保険を探してみるのもいいでしょう。保険料を安くできる可能性があります。
火災保険は保険の見積もりサイトなどで簡単に探せます。
火災保険の契約期間は1~2年のことが多く、一人暮らしのワンルームであれば「2年契約で1~2万円」程度が相場です。
各種オプション料(加入オプションによる)
不動産会社では「入居サポート」などのオプションを用意しています。
例えば「水漏れのときに提携業者を手配してくれる」「鍵紛失時に対応してくれる」「初期消火用グッズの販売」などのサービスがあります。
ただし「水漏れの修理代金が無料になる」といったサービスではなく、「手配してくれるだけ」ということが一般的。修理費用などは入居者が実費で支払うケースがほとんどです。
これらのサービスを利用する場合には、オプション料金が必要です。
オプション契約は基本的に任意ですが、物件によっては契約書でオプション加入が必須だと決まっていることもあります。
一人暮らしの家具家電購入費用の目安は?
初めての一人暮らしでは、家具・家電・日用品を揃える必要もあります。
一通りの家具・家電・日用品を揃える場合、予算は十数万円程度を見積もっておきましょう。
内訳を紹介します。
一人暮らしの家具・家電の購入費用内訳
一人暮らしで最低限用意しておきたい家具・家電の種類と費用相場は以下のとおりです。
必要な家具・家電 | 費用 |
洗濯機(4.5~6kg) | 20,000円~ |
冷蔵庫(2ドア) | 22,000円~ |
電子レンジ | 6,000円~ |
テレビ(20~32インチ) | 25,000円~ |
寝具一式 | ベッド:10,000円~ 布団セット:4,000円~ |
カーテン | 3,000円~ |
テーブル | 3,000円~ |
合計で93,000円~となります。
新品でも安いものですと表にあるような値段で購入できますが、「部屋をオシャレにしたい」「好きなブランド・メーカーがある」などこだわりがあるなら、それだけ費用は高くなります。
また上の表では「コンロ」「エアコン」「照明器具」は部屋に備え付けられているものと考えて省きました。
しかしエアコンやコンロが部屋に設置されていない場合には、自分で購入する必要があります。
エアコンを購入すると安くても工事費込みで50,000~60,000万円、ガスコンロは15,000~20,000円程度かかるので、初期費用の総額がぐっと上がってしまいます。そのためできればエアコンやコンロが付いている物件を選びましょう。
また「お米を買って自分で炊く場合は炊飯器が必要」「パンをよく食べるのでトースターが欲しい」など、自炊の有無やライフスタイルによって必要な家具・家電は変わってきます。そのため予算10~15万円程度は見積もっておくといいでしょう。
日用品の購入費用内訳
新生活の開始と同時に、日々使う日用品も必要になります。以下のような生活必需品を準備しておきましょう。
洗濯用品 | ・物干し竿 ・ハンガー ・ピンチハンガー ・洗濯バサミ ・洗濯洗剤 |
お風呂・洗面用品 | ・ボディーソープ・ハンドソープ(石鹸) ・シャンプー・リンス ・体用タオル・スポンジ ・タオル(バスタオル、フェイスタオル) ・お風呂用洗剤 ・お風呂掃除用スポンジ ・ハブラシ ・歯磨き粉 |
キッチン用品 | ・スポンジ ・食器用洗剤 ・調理器具(包丁、まな板、菜箸、フライ返し、おたま、フライパン、鍋) ・食器(コップ、皿、汁椀、茶碗) ・カトラリー(箸、スプーン、フォーク、ナイフ) ・サランラップ ・アルミホイル ・ゴミ袋 |
その他生活用品 | ・ティッシュペーパー ・トイレットペーパー ・ゴミ箱 ・掃除用品 |
日用品の予算としてはだいたい数万円程度と考えておきましょう。ラップやスポンジなどの消耗品は100円ショップでも購入できます。
引っ越し先のセキュリティ面に不安がある場合は、「補助錠」「防犯フィルム」「センサー」などの防犯グッズも購入しておくことをおすすめします。
アウトレット・中古品を活用するのもおすすめ
一人暮らしする際、自分好みの家具・家電を揃えるのは楽しいものです。ワンルームを自分好みの部屋にするのはワクワクしますよね。
一方で購入費用は負担になります。「デザインなどにはあまりこだわらないから、できるだけ安く抑えたい」という場合には、以下のような方法があります。
- アウトレットや中古品を購入する
- 知り合いから譲ってもらう
アウトレットや中古品が購入できる場所としては、以下のようなところがあります。
- 家電量販店のアウトレット部門
- リサイクルショップ
- フリマアプリ
フリマアプリなどで個人から中古家電を購入する場合は、「カビなどの汚れや臭いがないか」や「きちんと動作するか、故障していないか」を事前に出品者に質問するなどしてチェックしましょう。
家電量販店やリサイクルショップのアウトレット・中古品であれば、販売店舗が汚れや動作をチェックしていることが多く、店舗に行けば実物も確認できるので比較的安心です。
こちらの記事でも一人暮らしに必要なものやおすすめのサイズについて詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
一人暮らしの引っ越しを業者に頼んだ場合の相場は?
一人暮らしの引っ越しで引っ越し業者を頼んだ場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
初めての一人暮らしで近隣(同じ都道府県内)に引っ越す場合、引っ越し料金は3~4万円台で済むケースも多くなっています。「意外に安い」と思われた方も多いかもしれませんね。
実は引っ越しの費用には、以下のような特徴があります。
- 3~4月は高くなりやすい(引っ越しシーズンのため)
- 荷物が少ないほど安い
- 距離が近いほど安い
初めての一人暮らしで実家から引っ越す場合は荷物が比較的少ないため、引っ越し費用が安くなる傾向があります。
では詳しく紹介します。
繁忙期(3~4月)の引っ越し料金相場
引っ越し業者の繁忙期だと、引っ越し費用の相場は以下のようになります。
荷物の量 | 近距離 (同一市区町村・都道府県内) |
中・長距離 (都道府県外) |
少ない | 43,000~48,000円 | 52,000~74,000円 |
多い | 60,000~65,000円 | 85,000~124,000円 |
上記はあくまで目安であり、荷物の内容や引っ越し業者によって価格は変わりますので注意してください。引っ越し時には複数業者から見積もりをもらって比較しましょう。
複数業者から電話がかかってきてもかまわないなら、引っ越しの見積もりサイトも便利です。
繁忙期以外(5~2月)の引っ越し料金相場
繁忙期以外の引っ越し費用の相場は以下のようになっています。
荷物の量 | 近距離 (同一都道府県内) |
中・長距離 (都道府県外) |
少ない | 37,000~39,000円 | 47,000~68,000円 |
多い | 49,000~51,000円 | 65,000~100,000円 |
なお「家電製品(エアコンや洗濯機など)の取り外し・取り付け」などが必要な場合には、別途オプション費用が請求されます。
引っ越し料金を安く抑えるには「荷物を減らす」
引っ越し費用を安く抑えたい場合には、どうしたらいいのでしょうか。
「転居先の場所までの距離」や「引っ越す時期」を変えるのは難しいので、荷物を減らす方法を考えるのがおすすめです。
初めての一人暮らしの場合には、比較的荷物が少ないと思いますので、以下のような方法がとれます。
- 家具・家電は購入先(家具店・家電量販店など)から引っ越し先へ配送してもらう
- 家族や友人に手伝ってもらいつつ、自分でできるだけ荷物を運ぶ
荷物が少なければ通常の引っ越しプランではなく「単身パック」や「家財配送サービス」を利用して、引っ越し費用をより安くすることも可能です。単身パックなどについては次の章で紹介します。
一人暮らしの初期費用を安く抑えるコツは?
この章ではできるだけ初期費用を安く抑える工夫を紹介します。
物件探しでは、以下のような方法があります。
- 敷金・礼金なしの物件を選ぶ
- フリーレント(一定期間家賃が無料になる)物件を選ぶ
- 仲介手数料が無料の物件・不動産会社を探す
物件探し以外では、先ほども紹介した通り「家具や家電をフリマアプリやリサイクルショップで購入する」という方法もあります。
また引っ越し費用を安くするための工夫は以下のとおりです。
- 引っ越しを自力でやる
- 引っ越し業者を依頼する場合は「単身プラン」など料金が安いプランを選ぶ
それぞれについて解説します。
敷金・礼金なしの物件を選ぶ
引っ越し時に大きな負担になる初期費用が、賃貸物件の敷金・礼金です。
例えば「敷金・礼金がそれぞれ家賃1ヶ月分」というマンション・アパートなら、それだけで家賃2ヶ月分がかかります。これは大きな出費ですね。
しかし敷金・礼金がかからないいわゆる「ゼロゼロ物件」を選べば、初期費用はぐっと安く抑えられます。
「そんな物件あるの?」と思うかも知れませんが、最近では敷金・礼金がかからない賃貸物件も増えています。
大家さん側に「敷金・礼金をなしにしてでも、早く空室を埋めたい」という事情があるからです。
ただし敷金・礼金なし物件は家賃がやや高めに設定されていることもあります。長期的に住む場合にはトータルの負担金額が増えてしまうので、近隣物件の相場と比べてみることをおすすめします。
フリーレント物件を選ぶ
フリーレント物件も、初期費用を安く抑えるのに有効です。
フリーレント物件とは「一定期間の家賃が0円になる物件」を指します。家賃が0円になる期間は「入居後1ヶ月間」「3ヶ月間」など、物件により異なります。
入居当初の家賃がかからないので、初期費用を抑えられるのが大きなメリットです。そしてフリーレント期間が長いほど、節約効果が高くなります。
フリーレントされる理由としては、大家さんが「額面の家賃額を下げずに入居希望者を集めたい」と考えていることが挙げられます。
家賃を下げてしまうと既に入居中の人たちから不満が出る可能性がありますが、フリーレント物件ならそのような不満は出ないからです。
フリーレント物件の注意点としては「契約期間が定められている」ことがあります。契約期間内に解約すると「違約金」や「無料になっていた期間の家賃」を請求されてしまうので注意しましょう。
また家賃が相場より高いケースがあるのも注意点です。長期的に住む予定なら、トータルでお得になるかチェックしてみてください。
仲介手数料が無料の物件・不動産会社を探す
稀に仲介手数料が無料の賃貸物件もあります。仲介手数料は通常ですと家賃0.5ヶ月分~1ヶ月分はかかりますので、仲介手数料無料だとかなり初期費用を抑えられます。
仲介手数料が無料になっている物件には、以下のような事情があると考えられます。
- 大家さんや管理会社が「早く空室を埋めたい」と考えている
- 元から仲介手数料なしの不動産会社である
- 仲介業者を挟まず、大家さんが直接物件を貸している物件である
大家さんが直接貸している物件のみを集めた賃貸物件ポータルサイトなどもあります。
もし「敷金・礼金なし」「フリーレント」「仲介手数料無料」の条件を全て満たす物件なら、初期費用の総額から家賃3.5~4ヶ月分程度の費用を減らせることになります。
家賃6万円(管理費込み)の場合、どれだけ諸費用を減らせるかシミュレーションしてみましょう。
敷金・礼金などがある場合 | 敷金・礼金なし フリーレント(入居当月+翌月分) 仲介手数料無料の場合 |
・敷金:6万円 ・礼金:6万円 ・仲介手数料:3万円✕消費税=3.3万円 ・日割り家賃(半月分の場合):3万円 ・前家賃:6万円 ・保証料:3万円 ・鍵交換費用:1万円 ・消毒料:1万円 ・火災保険料:1万円 合計:30.3万円(家賃5.05ヶ月分) |
・敷金:0円 ・礼金:0円 ・仲介手数料:0円 ・日割り家賃(半月分の場合):0円 ・前家賃:0円 ・保証料:3万円 ・鍵交換費用:1万円 ・消毒料:1万円 ・火災保険料:1万円 合計:6万円(家賃1ヶ月分) |
かなり初期費用が抑えられることがわかりますね。
ただその分「ゼロゼロ物件」「フリーレント物件」は人気があり、すぐ埋まってしまうことも。見つけたら早めに内見することをおすすめします。
引っ越しを自力でやる
続いて引っ越し作業で費用を節約する方法を紹介します。
まず引っ越しを自力でやると、引っ越し料金を節約できます。
引っ越し業者に支払う料金は「荷物の量」「旧居から新居までの距離」によってはかなり高額になるので、自分でやることで初期費用を安く抑えられます。
自力引っ越しに必要となる主な費用は以下のとおりです。
- レンタカー利用料金
- 梱包資材・養生資材などの購入費用
- 協力者(友人)へのお礼
「荷物が少ない」「近・中距離の引っ越しである」「体力に時間がある」という方は、自力引っ越しも検討してみてはいかがでしょうか。
利用する引っ越しプランを厳選する
自力引っ越しが難しい場合、引っ越し業者を利用することになります。
その場合には利用する料金プランを厳選しましょう。引っ越し業者やプランによって、かなり金額が違うからです。
料金プランを選ぶコツは以下のとおりです。
- 複数の引っ越し業者から見積もりをもらう
- 単身向けプランを利用する
- 大型家具・家財の配送サービスを利用する
引っ越しの際は、必ず複数業者から見積りをもらって料金を比較してください。1社だけに見積もりをもらうと、価格が妥当なのかわからないからです。
また荷物が少ない場合には「単身者向けパック」や「家財の配送サービス」を利用することで費用を安く抑えられます。
「単身パック」とは単身者向けの引っ越しサービスで、「専用のボックスに収まるだけの荷物を運ぶ」などの特徴があります。通常の引っ越しのようにトラックを貸し切りにするわけではないので、費用が安くなります。
各社の単身者向け引っ越しプランには、以下のようなものがあります。
引っ越し業者 | 単身向けプラン名 |
ヤマトホームコンビニエンス | わたしの引越 |
日本通運 | ・単身パックS、L ・単身パック当日便 ・単身パック積んでみる1.5㎥(リューベイ) |
西濃運輸 | カンガルー単身MAX+1 |
福山通運 | 青春引越便 |
結局一人暮らしを始めるにはいくら用意できればいいの?
ここまで見てきたように、一人暮らしの初期費用は「家賃の1~5ヶ月分+15~25万円」が目安です。
家賃ごとに相場をまとめると以下のようになります。
家賃 | 初期費用の相場 |
5万円 | 20~45万円程度 |
7万円 | 22~55万円程度 |
9万円 | 24~65万円程度 |
おおまかな費用内訳と費用を安く抑えるコツを表でまとめます。
内訳 | 費用相場 | 安くするコツ |
賃貸物件の契約費用 | 家賃1~5ヶ月分 | ・ゼロゼロ物件を探す ・フリーレント物件を探す ・仲介手数料無料物件を探す |
引っ越し費用 | 3~10万円 | ・繁忙期を避ける ・荷物を少なくして単身パックなどを利用する ・家族や友人に協力してもらって自力で引っ越しする |
家具・家電・日用品の購入費用 | 12~15万円 | ・エアコンやコンロが備え付けられている物件を選ぶ ・アウトレットや中古品を購入する ・知り合いに譲ってもらう |
このうち節約できる余地が大きいのは、賃貸契約にかかる費用です。ゼロゼロ物件などを選べば一人暮らしの費用がぐっと減りますので、物件探しの際に不動産屋さんに相談してみましょう。
仲介手数料がない物件は稀ですが、大家さんが直接物件を掲載しているポータルサイトなどを使えば、比較的見つけやすいでしょう。
またエアコンやコンロが部屋についているかどうかによって、家電製品の購入費用総額が大きく変わってきます。初期費用を抑えるならエアコン・コンロ付きの物件がおすすめです。
また引っ越し費用も荷物を減らすなど工夫次第で減らせます。「素人では運びにくい大きな荷物だけを運んでもらう」などの方法を考えましょう。
家電や家具も、新品やメーカーにこだわらないなら中古品などで安く揃えられます。
うまく節約して、無理なく一人暮らしを始めましょう。
まとめ:一人暮らしの引っ越しにかかる費用相場
一人暮らしを始めるとき、初期費用は総額40~50万円くらいが相場だと言われます。ただ家賃や物件の選び方によっては、もっと少ない金額で一人暮らしを始めることも可能です。
家賃額が少なければ、一人暮らしの初期費用のうち多くを占める「賃貸契約にかかる初期費用」が少なくなるからです。
ただ家賃相場はエリアにより決まっているので、住みたいエリアで極端に安い物件を探すのは難しいかもしれません。そんな場合でも初期費用の総額をできるだけ少なくしたい方は、以下のように工夫してみてください。
- ゼロゼロ物件を選ぶ
- フリーレント物件を選ぶ
- 仲介手数料がない物件を選ぶ
- エアコン・コンロ・照明付きの物件を選ぶ
また「家具・家電はリサイクルショップなどで購入する」「荷物を減らして引っ越し費用を節約する」といった工夫もできます。
なお一人暮らしを始めるときには、引っ越しや部屋の準備だけではなく各種手続きも必要です。新生活への期待でワクワクする反面、準備や手続きが多いと大変ですよね。バタバタして手続きが漏れてしまうと、一人暮らしをスムーズに始められないこともあります。
そんなときに便利なのが、以下の窓口です。新居で使えるように手続きしておかなくてはいけな電気・ガス・水道について、一括でオトクに手配してくれます。オトクなインターネット回線も同時に手続きできるので、一人暮らしを始める方はぜひ詳細をチェックしてみてください。
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また「一人暮らしに必要なもの」や「引っ越し時に必要な手続き」については、それぞれの記事で解説しているので参考にしてください。