西日本エリアで法人・個人事業主が「新規に番号をとりたい」と考えた場合、もっとも一般的なのは「NTT西日本にFAX番号取得を申し込む」という方法です。
とはいえFAXをあまり使ったことない人は「FAXの申込み方法がわからない」「NTT西日本で取得しろと言われても、どうすれば?」など、気になる点やわからない点がたくさんあると思います。
今回はNTT西日本エリアで新たにFAX番号を取得したい法人・個人向けに、NTTでのFAX番号の取得と導入方法を解説します。
NTT西日本のFAX番号の取得方法は?
NTT西日本で新規にFAX番号を取得する場合、以下のような方法があります。
- アナログ電話
- ISDN
- ひかり電話
今回の記事では「どのようなケースならば、どのサービスが適しているのか」を状況に合わせて徹底解説します。
前提として、アナログ電話・ISDN・ひかり電話がそれぞれどんなものなのかを説明します。
アナログ電話はいわゆる「昔ながらの電話」
アナログ電話とは、昔から使われている固定電話のことです。「加入電話」ともいいます。
電話局からメタルケーブル(電話線)を引き込み、ケーブルに電話をつなぐことで利用できる仕組みです。
ISDNは「電話線をつかうデジタル回線」
ISDNはひとことでいうと「デジタル回線」です。
アナログ回線と同じ銅線を使うのですが、音声をデジタル化して送信するのが違い。
アナログ回線よりも音声品質がよく、ひとつのケーブルで2回線使用できるのが特徴です。
「同じ番号で2回線使える」という感じです。
具体的には「電話しながらFAXできる」「電話機を2つつなげば、電話機1が通話中でも、電話機2で通話できる」ようになります。
ひかり電話は「光回線をつかう電話」
ひかり電話は光回線(インターネット回線)をつかう電話。
いわゆるIP電話ですが、使用方法や使い勝手、音声品質はアナログ電話とほとんど変わりません。
従来のアナログ電話などと同様に地域の市外局番から始まる通常の電話番号が取得でき、104番号案内(電話検索)も可能で、110番や119番にもかけられ、電話機もアナログ電話と同じものが使えます。
利用するには光回線の導入工事が必要です。
光回線は主にインターネットの利用を目的とした回線ですが、インターネットを利用しない方でも「電話用の回線」として使えます。
加入電話(アナログ電話)よりも初期費用やランニングコストがおさえられるので、電話回線の主流になってきています。
FAX番号のみで電話を使用する場合
ひとつの番号でFAXのみを使用する場合には、以下の選択肢があります。
- アナログ電話
- ひかり電話
アナログ電話の概要・メリット・デメリット
アナログ電話でFAXを利用する場合のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | すでに電話線をひいており、モジュラージャック設置済みの建物であれば、モジュラージャックに電話線で接続するだけですぐにつかえるので、導入しやすい。 |
デメリット | 基本料金や通話料金が割高。 法人・個人事業主からのニーズが高いオプションサービス「ナンバーディスプレイ(発信元の番号が画面に表示される)」のオプション料金も割高。 |
アナログ回線のFAXは「すでに電話回線があれば導入しやすい」というメリットがありますが、月々かかる各種料金が割高になるのがデメリットです。
なお、一般的にアナログ電話を新たにひくには施設設置負担金(39,600円、税込み)が必要です。施設設置負担金のことを「加入権」と呼ぶことも多いです。
ただ、今では施設設置負担金(加入権)が不要の「ライトプラン」というサービスもありますので「加入権が高い」という点でのハードルは低くなっています。
ひかり電話の概要・メリット・デメリット
ひかり電話でFAXを利用する際のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | 基本料金が割安。 通話料金が全国どこにかけても一律(距離に左右されない)。 ナンバーディスプレイ・転送電話などのオプション料金が割安。 |
デメリット | 光回線の導入工事と対応機器(ルーター)の設置が必要。 |
ひかり電話だと施設設置負担金(加入権)は不要です。
またさきほども説明したとおり、通常の加入電話と同じように市外局番からはじまる電話番号が利用できるので、顧客・見込み顧客からの信頼も高まります。
ただ光回線の導入工事が必要なので、アナログ回線とくらべるとやや導入のハードルは高いかもしれません。
とはいえ月々の各種料金を抑えられるので、長い目で見るとアナログ電話よりもひかり電話のFAXのほうがコスト削減になります。
電話番号とFAX番号を別番号で使用する場合
電話番号とFAX番号を別にする場合には、以下の3つの選択肢があります。
- アナログ回線で2番号契約
- ISDN回線
- ひかり電話
それぞれの特徴について説明していきます。
アナログ回線の2番号契約は非現実的
アナログ回線には加入権が不要の「加入権ライトプラン」もあり、導入にかかる初期費用が少ないです。また、すでに電話線がひいてある建物では導入しやすいのもメリット。
ただ1回線分しかモジュラージャックがない場合、ハブを使って分岐する設定などが必要です。
しかも基本料金・通話料金・オプション料金がそれぞれ2回線分かかってしまうのもデメリット。
ランニングコストを考えると、現実的な選択肢とはいえないでしょう。
ISDNはランニングコストが高め
ISDN回線も以前はアナログ回線同様に加入権が必要でしたが、今は加入権不要のタイプもあります。
ISDNで2回線使用する場合、電話のモジュラージャックからターミナルアダプタというISDN機器に繋ぎます。
ターミナルアダプタの電話線差し込み口から、電話とFAXにそれぞれ電話線で接続をすればOKです。
ISDNだとアナログ回線を2回線契約するよりはコストは低くなりますが、通話料金やオプション料金が割高なためランニングコストはやや高めです。
2番号を利用するにあたっては「アナログ回線以上ひかり電話未満」といえるでしょう。
ひかり電話は最大5つの電話番号が利用可能
ひかり電話は1契約で最大5つまで電話番号を利用できます。
複数番号を使えるので、電話とFAXで番号をわけることが可能。また「自宅=仕事場・店舗」の場合に、プライベート用と仕事用の電話番号をわけられて便利です。
ただ、ひかり電話を利用するには、光回線の導入工事と対応機器の設置が必要。
そのためアナログ回線やISDN回線と比べると、導入のハードルが高めではあります。
しかし基本料金・通話料金・オプションサービス利用料金などのランニングコストを考えると、ひかり電話はアナログやISDNに比べてかなり優位。
電話番号の追加も月額料金110円でOKです(2021年7月時点)。
オススメはコスパに優れた「ひかり電話」
3つの選択肢の中では、ひかり電話がもっともコストパフォーマンスに優れています。
5つまで電話番号が使用でき、基本料金・通話料金・FAX送信料金・オプションサービスの料金も割安だからです。
ネックになる光回線の導入工事自体も、通常なら1時間程度で終わりますし、土日・休日にも作業可能。
ひかり電話の導入方法に関する具体的な相談や問い合わせがしたいなら、経験豊富な以下の窓口がオススメです。問い合わせ後、そのまま申し込み受付もできます。
アナログ電話やISDNはサービス終了が決定している
実はNTT西日本とNTT東日本では、アナログ回線とISDN(INSネット)の廃止を予定しています。
理由は回線の設備が古くなり、固定電話の加入者も減っていく中で、保守が難しくなっているからです。
そのため今から新たに電話番号やFAX番号を取得しようという場合、「すぐにFAXを使えないと本当に困る!」という人以外には、アナログ回線やISDNはオススメしません。
アナログ&ISDN廃止の概要
アナログ電話とISDNのサービス廃止後、これらふたつは「メタルIP電話」として提供される予定です。
2024年1月から作業が始まり、完了予定は2025年1月となっています。
回線が廃止されたらどうなるの?
廃止後も、アナログ電話やISDNは「メタルIP電話」となって引き続き使用できます。
そのためサービス廃止になっても、「何もしない」でいることも可能。電話機やFAX機器もそのまま利用可能です。
ただ何もしないでいると、アナログ回線やISDNの割高な料金を払い続けることになるのがデメリットといえます。
急ぐならあとから「ひかり電話」に変更してもOK
アナログ電話やISDNは廃止予定で、料金も割高。
しかし、すでに電話線をひいている建物であれば、ひかり電話のように新たにネット回線を引く手間・時間がかからないため「利用開始までの待ち時間がひかり電話よりも短い」というメリットがあります。
FAX導入・FAX番号取得を急いでいるなら、まずアナログやISDNでFAX番号を取得するのもいいでしょう。
まずアナログやISDNでFAXを導入し、のちのち「ひかり電話」に移行するのも現実的な選択です。
ひかり電話に変更しても番号は引き継げる
NTT西日本のアナログ電話またはISDNで発番した電話番号なら、ひかり電話に移行したあとも番号そのままで使えます。
アナログやISDNからひかり電話に変更するにあたり、「電話番号・FAX番号が変わることによるビジネスチャンスの損失」を心配する必要はありません。
アナログ電話からひかり電話に番号を引き継いだあとに、アナログ電話の休止・一時中断または解約を申し込みましょう。
休止・一時中断の場合は工事費がかかりますが、解約だと解約金などは不要です。
NTT西日本推奨のサービスはひかり電話!
NTT西日本で新規にFAX番号を取得するなら、コストパフォーマンスに優れたひかり電話がオススメ。
アナログ電話やISDNはサービス廃止予定なので、NTT西日本も「新規の電話・FAXはひかり電話で」と推奨しています。
ひかり電話ならFAXと同時にネットも導入可能
ひかり電話はフレッツ光回線(インターネット回線)を利用した電話。
そのため、ひかり電話を導入すると、電話・FAXのほか上下最大1Gpsの高速インターネットも使えます。
フレッツ光は法人シェアNo.1なので安心感があり、法人名義契約や請求書払いにも対応可能です。通話明細の照会もできます。
「電話・FAXと同時にネットも必要」というオフィスや個人事業主にはぴったりです。
すでに光回線を導入している場合はどうなる?
すでに「フレッツ光」や「光コラボ回線」でインターネットを利用しているオフィスやSOHOもあるでしょう。
その場合、今のインターネット契約にオプションとしてひかり電話を追加できます。
ひかり電話の追加はインターネットで受付できるほか、NTT西日本の市外局番なし116番にかけても受付窓口につながります。携帯電話・スマホからだと、0120-116-116に連絡すればOK。
なお光コラボでひかり電話を利用したい場合、光コラボの種類によって、ひかり電話の受付先・契約先がNTT西日本になるか光コラボ事業者になるかが違います。
どちらになるのかは、NTT西日本公式ホームページの「光コラボレーション事業者さま及びお取り扱いサービス一覧」というリストで調べられます。
また「お客様ID」がわかっていると、問い合わせ・申し込みがスムーズです。
光回線未導入なら早めに手続きを
また光回線を導入しておらず「これから新規で電話番号・FAX番号をとりたい」「インターネットも一緒に契約したい」なら、以下のページから詳細の問い合わせ・受付ができます。
新規のひかり電話・フレッツ光の開通工事までには、申し込みから2週間~1ヶ月ほどかかります。
導入を考えているなら、早めに問い合わせてください。
まとめ:NTT西日本エリアのファクス導入方法
法人や個人事業主が「新規でFAX番号を取得したい」「引越し先の新オフィスに新たにFAXを導入したい」という場合には、NTT西日本で番号取得するのが一般的です。
アナログ、ISDN、ひかり電話という3つの選択肢のうち、オススメはひかり電話。
ひかり電話は市外局番から始まる番号が最大5つまで取得可能。そのため、電話とFAXの番号をわけられます。
通話料金・FAX送信料金が全国一律で、オプションサービスや基本料金が割安なのも大きなメリットです。
導入には光回線の導入工事が必要。すでにフレッツ光や光コラボを利用しているなら、現在の契約にひかり電話に関する契約を追加できます。
まだ「フレッツ光」などの光回線を利用しておらず、新たにFAXを導入したい場合には、以下の受付窓口から問い合わせ・申し込みしてはいかがでしょう。
法人・個人事業主のサポート実績が豊富な受付窓口なので、複合機のリースについても案内できるなど、FAX導入に関する疑問点や希望が相談しやすいのが特徴です。