【車庫証明の引越し】手続きは必要?流れや注意点は?しないとどうなる?

引越しの際には市役所での転出・転入手続きをはじめ、さまざまな手続きが必要となります。そのうち自動車を所有している人については「車庫証明の住所変更」も必要です。

ただ車庫証明の引越し手続きは「面倒」「よくわからない」と後回しになりがち。その理由は以下のとおりです。

  • 手続きに必要な書類が多い
  • 駐車場の所有者や自動車の種類によって必要書類が変わるのでわかりにくい

しかし車庫証明の変更手続きは引越しから15日以内に行うよう定められています。手続きを怠っていると10万円以下の罰金を科される可能性もあるため、漏れなく手続きしなくてはいけません。

この記事では「車庫証明の引越し手続きについて知りたい」という方に向けて、「車庫証明とは何か」「車庫証明の引越し手続きに必要な書類」「手続きの窓口」をわかりやすく解説します。

書類の書き方自体は難しくないので、最後まで読んでいただければ「大変そうだと思っていたけれど、意外に簡単だな」と思えるはずです。

車庫証明ってどういうもの?

車庫証明は多くの方にとってあまり馴染みのない書類なのではないでしょうか。この章では「そもそも車庫証明とは何か」について説明します。

車庫証明ってなに?


車庫証明とは「自動車の保管場所が確保されていること」を証明する書類です。
正式名称は「自動車保管場所証明書」ですが、一般的には車庫証明と呼ばれます。

道路を保管場所として使用しないよう、あるいは違法な駐車をしないために、自動車の所有者には「自動車の保管場所の確保」と「車庫証明の取得」が求められています。

どんなときに車庫証明が必要になる?


車庫証明の取得が必要になるのは、以下のような場合です。

  • 自動車を購入したとき
  • 自動車を譲り受けたとき
  • 引越ししたとき
  • 駐車場の場所が変わったとき

このうち新たに自動車を購入する時には、ディーラー(自動車販売店)が車庫証明の取得を代行してくれるケースが多いです。

そのため「自動車の購入時に自分で車庫証明の手続きをした」という人は少なく、引越しすることになって初めて「車庫証明の手続きってなに?」と困ってしまうのですね。中には引越しにあたり車庫証明の手続きが必要だと知らなかった方もいるかもしれません。

なお例外的に「自動車を保有し使用する人の住所(使用の本拠の位置)」が「運用除外地域」に該当する場合は、車庫証明取得が不要です。運用除外地域については各都道府県警の公式サイトで確認してください。

例えば東京都や愛知県では以下の地域が適用除外地域となっています。

東京都 桧原村、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ヶ島村、小笠原村
愛知県 豊田市の旧小原村・旧下山村、新城市の旧作手村、設楽町の旧津具村、豊根村

※2022年4月時点の情報です。

保管場所の条件は?


車庫証明を取得するためには、自動車の保管場所について以下の条件を満たす必要があります。

  • 使用の本拠の位置(自動車を保有し使用する人の住所)から直線距離で2キロメートル以内である
  • 道路への出入りが問題なくでき、自動車が道路へはみ出さずに駐車できる
  • 保管場所として使用できる権利がある

「自動車の保管場所はどこでもいい」というわけではないので、注意してください。

軽自動車は「軽自動車の保管場所届出」が必要


軽自動車については、車庫証明ではなく「軽自動車の保管場所届出」が必要です。

書庫証明同様に「使用の本拠の位置によっては届出不要」となっていますので、各都道府県署の公式サイトで確認してください。

例えば東京都ですと、以下の地域は適用除外地域となっています。自動車の車庫証明の適用除外地域よりも、範囲が広いですね。

東京都 福生市、武蔵村山市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町、大島町、八丈島町、桧原村、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ヶ島村、小笠原村

※2022年4月時点の情報です。

車庫証明の引越し手続きの方法は?

この章では車庫証明の住所変更手続きの「必要書類」「書類の提出窓口」「手続きの期限」を紹介します。「取得した車庫証明を使って行う手続き」についても解説します。

引越しに伴う車庫証明の手続きに必要な書類

引越しに伴う車庫証明の手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

必要書類は警察署で入手できるほか、各都道府県警の公式サイトからもダウンロード可能です。ダウンロードすれば、書類をとりに警察署に行かなくてもいいのでラクですね。

【自動車】保管場所が自分の土地・建物の場合 ・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の配置図・所在図
・保管場所使用権原疎明書面(自認書)
・使用の本拠の位置が確認できるもの(運転免許証、健康保険証など)
・申請手数料
・印鑑
【軽自動車】保管場所が自分の土地・建物の場合 ・自動車保管場所届出書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の配置図・所在図
・保管場所使用権原疎明書面(自認書)
・使用の本拠の位置が確認できるもの(運転免許証、健康保険証など)
・印鑑
【自動車】保管場所(駐車場・ガレージ)を借りている場合 ・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の配置図・所在図
・保管場所使用承諾証明書
・使用の本拠の位置が確認できるもの(運転免許証、健康保険証など)
・申請手数料
・印鑑
【軽自動車】保管場所(駐車場・ガレージ)を借りている場合 ・自動車保管場所届出書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の配置図・所在図
・保管場所の使用権原を疎明する書類(自認書)
・使用の本拠の位置が確認できるもの(運転免許証、健康保険証など)
・印鑑

※2022年4月時点の情報です。

見ていただくとわかる通り、「自動車か軽自動車か」「保管場所が自己所有か他者所有か」で必要な書類が違いますので注意してください。

ではそれぞれの書類について、記載する内容などを紹介します。

自動車保管場所証明申請書・届出書

まず自動車の場合は「自動車保管場所証明申請書」、軽自動車の場合は「自動車保管場所届出書」が必要です。

この書類には以下のような内容を記載します。

  • メーカー
  • 型式
  • 車台番号
  • 車の大きさ
  • 使用の本拠の位置(新しい住所)
  • 保管場所の住所

「使用の本拠の位置」とは、自動車を所有し使用する人が住んでいる場所を指します(個人の場合)。そのため引越し先の新しい住所を記入しましょう。

メーカー名については「ニッサンはカタカナで」「三菱は漢字で」など、書き方が指定されている場合もあります。記入例や説明をよくチェックしてください。

保管場所標章交付申請書

保管場所標章交付申請書は「保管場所標章」を受け取るために必要な書類で、「自動車保管場所証明申請書」「自動車保管場所届出書」と同時に提出することになっています。

「自動車保管場所証明申請書」等と同様に、以下のような内容を記載します。

  • メーカー
  • 型式
  • 車台番号
  • 車の大きさ
  • 使用の本拠の位置(新しい住所)
  • 保管場所の住所

保管場所の所在図・配置図


「保管場所の所在図・配置図」には、「自宅と駐車場の位置関係」と「駐車場近辺の道路や建物の配置」を記載します。

所在図は手書きしてもいいですし、地図をコピーして書類に貼り付けたうえで自宅と駐車場の場所に印をつけてもOK。自宅と駐車場の直線距離も書き込みます。

なお「使用の本拠の位置=保管場所(自宅が保管場所)」の場合は、所在図は省略できます。

配置図には以下の情報を記載します。

  • 駐車場の区画のサイズ
  • 出入口の広さ
  • 接する道路の幅員

立体駐車場などで高さ制限がある場合には、高さも記入しておきます。

マンションの駐車場や月極駐車場で区画が複数ある場合、自分がどの区画を使うかはっきりわかるように記載しましょう。

保管場所使用権原疎明書面(自認書)


自分が所有する土地・建物を保管場所にする際に必要になる書類です。

保管場所が自己所有の土地なのか建物なのかなどを記載します。例えば自宅の1階部分が車庫になっているビルトインガレージの場合は「建物」になります。

保管場所使用承諾証明書

保管場所を借りている場合に必要となる書類です。

保管場所使用承諾証明書には車庫の所有者(大家さんや管理会社)の署名または捺印が必要なので、管理会社か大家さんに連絡して、書類作成をお願いしましょう。

なお書類作成にあたり手数料が必要になるケースもあります。

警察によっては、保管場所使用承諾証明書の代わりに賃貸契約書のコピーでも受け付けてもらえるケースがあります。

「保管場所使用承諾証明書の用意が難しい」「管理会社に書類を作ってもらうための手数料を節約したい」といった場合には、予め警察署に問い合わせてください。

「使用の本拠の位置」が確認できるもの

転居先となる新居の住所を証明する書類も必要です。住所と駐車場が2キロメートル以内だと確認するためですね。

住所変更手続きが済んでいるなら、以下の書類が使えます。

  • 住民票
  • 運転免許証
  • 健康保険証

学生の一人暮らしや単身赴任などの事情があって住民票を移していない場合には、以下の書類でも申請・届出可能です。

  • 住所が記載されている公共料金の領収書
  • 消印がある郵便物

手数料と印鑑

自動車の場合、申請時に約2,000円の申請手数料が必要となります。軽自動車については申請ではなく届出なので、申請手数料が不要です。


ただし標章交付時には、自動車も軽自動車も標章交付手数料として約500円が必要です。

申請手数料も標章交付手数料も都道府県によって多少金額が前後しますので、正確な金額は各都道府県警察の公式サイトで確認してください。

なお申請手数料・標章交付手数料ともに「各都道府県の収入証紙」を購入して支払います。

収入証紙は警察署にある交通安全協会の窓口で購入できますが、時間帯によっては販売窓口が閉まっていることもあります。「警察の窓口が開いている時間=交通安全協会窓口での販売時間」ではないからです。事前に販売時間を調べておきましょう。

印鑑はシャチハタ不可ですので、印肉を使用する認印を用意してください。

書庫証明の申請手続き

必要書類が揃い、記入が終わったら実際に申請手続きを行います。

提出窓口や交付までにかかる期間について紹介します。

提出窓口は「車庫の住所」を管轄する警察署


提出窓口は「車庫の住所」を管轄する警察署です。
「使用の本拠の位置(所有・使用者の住所)」ではないので注意してください。

ただし申請・届出が必要かどうかは、「使用の本拠の位置」で判断します。

必要書類に漏れなく記入し、手数料(収入証紙)とともに窓口に提出します。

3日~1週間後に車庫証明が交付される


書類に問題がなく申請が受理されると、3日~1週間後に以下のものが交付されます。

  • 車庫証明
  • 保管場所標章番号通知書
  • 保管場所標章

基本的に車庫証明等の受け取りは警察署に出向いて行います。窓口が開いている時間帯しか受け取れないので、平日の日中に出向く必要があります。受け取りには以下のものが必要です。

  • 納入通知書兼領収書
  • 印鑑(シャチハタ不可)
  • 標章交付手数料

標章交付手数料は500円程度で、都道府県によって金額が異なります。申請手数料同様に都道府県の収入証紙を購入して支払うので、販売窓口で購入してください。

なお申請時に交通安全協会に申し込めば、交付された車庫証明を郵送してもらえる場合もあります。その場合は、郵送の手数料が必要です。なお申請を郵送で行うことはできません。

また家族や友人に代理で車庫証明を受け取ってもらうこともできます。受け取り時に必要な「納入通知書兼領収書」等を代理人に預けましょう。委任状は不要です。

車庫証明を取得した後にやるべきこと

車庫証明や標章は「受け取ったら終わり」ではありません。


車庫証明は車検証の住所変更に使いますし、標章は自動車の決められた位置に貼り付ける必要があります。
以下のように取り扱ってください。

  • 車庫証明:車検証の住所変更のための必要書類とともに、運輸支局に提出
  • 保管場所標章番号通知書:保管する
  • 保管場所標章:車の後面ガラスに貼る(オープンカーなど後面ガラスがない車は車体左側面に貼る)

ちなみに軽自動車の車検証の住所変更は、運輸支局ではなく軽自動車検査協会で行います。

引越しに伴う車庫証明の手続き期限


車庫証明の住所変更の手続きは、引越し(住所変更)から15日以内です。
引越しで忙しい中、あまり余裕がない期間設定ですが、法律で決められているので仕方ありません。


車庫証明を使って行う車検証の住所変更手続きも引越しから15日以内に行うことになっているため、速やかに手続きしましょう。

しかし「うっかり忘れてた」「引越しで忙しく、車庫証明はそのままだった」など、15日という期限を超えてしまった方もいるかもしれません。また「元々は車庫証明が不要な地域に住んでいたため、手続きが必要だと知らなかった」というケースもあるかもしれませんね。

車庫を変更したのに手続きせず放置していると、いわゆる「車庫とばし」となり罪に問われる可能性があります。

期限を超えてしまった場合は、気づいた時点で警察署に相談し、速やかに車庫証明と車検証の住所変更手続きを行ってください。

賃貸への引越しでも車庫証明の変更手続きはするべき?

賃貸マンション・アパートへの引越しでも、持ち家戸建てへの引越しでも、引越しするなら車庫証明の住所変更手続きは必要です。

ここでは車庫証明の手続きに関してよく聞く疑問を紹介します。

引越し後も車庫が変わらない場合でも手続きが必要?

引越しの場合「家は変わったが車の保管場所は変わらないとき」も手続きが必要です。

例えば賃貸からの住み替えで「引越し先が近隣なので借りている駐車場はそのまま」という場合でも、手続きしなくてはいけません。


法律で「住所から車庫までは直線距離で2キロ以内」と定められているため、「引越し後も2キロ以内ですよ」と証明しなくてはいけないからですね。

もし引越し先から車庫までの距離が2キロを超えてしまった場合は、元の車庫では車庫証明が取得できません。そのため元の車庫が気に入っていたとしても、転居先から近い別の駐車場を借りる必要があります。

賃貸物件で必要な書類について詳しく知りたい

先ほど紹介したように、駐車場を借りている場合には車庫証明の取得にあたり「保管場所使用承諾証明書」が必要です。

保管場所使用承諾証明書には駐車場所有者の署名または押印が必要なので、大家さんか管理会社に書類作成をお願いします。

警察署などで書類を入手して大家さんに郵送するのは手間がかかりますね。


しかし大規模なマンションや地元で複数物件を管理している会社であれば、大家さんや管理会社が各都道府県警のテンプレートを手元にもっていて、連絡すれば書式を送らなくてもスムーズに作成してくれることが多いです。
一度確認してみましょう。

管理会社が書式を持っていないなら、自分で書類を入手して送付し、署名・押印をお願いしてください。また場合によっては賃貸契約書のコピーを証明書の代わりにできます。

「保管場所が実家のまま」はOK?

実家から独立して近隣で一人暮らしする場合、実際に車を保管しているのが実家の駐車場なら「保管場所が実家のまま」なのはOKです。


ただしその場合でも住所変更の手続きは必要。
使用者の新しい住所と保管場所(実家の駐車場)が2キロメートル以内だと証明しなくてはいけないからです。

なお遠方への引越しで「車はもっていくけれど、自動車税の通知などは実家に郵送されてくるから、わざわざ住所変更しなくていいか」と考える人もいますが、これはNG。きちんと手続きしましょう。

車庫証明の手続きを代行してもらうのは可能?

車庫証明の申請手続きは、家族などに代行してもらうことも可能です。実際に車の購入時にはディーラーの担当者などが手続きを代行してくれます。

代理人に書類提出を依頼するにあたり、委任状などは不要です。ただ委任状がないと、書類に間違いがあったときにその場で訂正ができません。そのため委任状を作成しておくと安心です。

先ほども説明したとおり、受け取りについても代理人にお願いできます。

まとめ

引越しにあたり「車を持っているんだけど、車庫証明の引越し手続きはどうすればいいの?」と悩む方は多いです。

車庫証明の引越し手続きは、引越し先の都道府県警察の公式サイトで必要書類をダウンロードし、漏れなく記入して手数料を添えて窓口に提出すればOK。

書類の記入自体は難しくありません。ただ手続き期限が引越しから15日以内なので速やかに提出しましょう。

車庫証明が交付されたら、車検証の住所変更手続きも忘れずに行います。

なお引越し時には「自治体での住所変更手続き」「運転免許証の住所変更手続き」など、車庫証明以外にもやるべきことがたくさんあります。電気やガスの解約・契約手続きもしなくてはいけません。

少しでも引越し関連の手間を減らしたいなら「ライフラインの一括代行サービス」の利用がおすすめ。ひとつの窓口に連絡するだけで電気・ガス・水道・インターネットの引越し手続きが無料でできるからです。

引越し手続きをラクにする便利なサービスについてはこちらの記事で紹介しています。

また書庫証明以外の引越し手続きについてはこちらの記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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