そこで今回は、引っ越し当日の流れを時系列で紹介します。事前に段取りや流れを把握して、スムーズに引っ越ししましょう。
なお当日までには、荷造りや役所の手続きのほか電気・ガス・水道など「ライフラインの引っ越し手続き」も必要です。ライフラインの手続きを忘れていると、引っ越し当日に思いのほかバタバタしてしまう可能性もあります。
そのため事前にできる手続きについては、当日までに余裕をもって終えておきましょう。
以下の窓口で「電気・ガス・水道」「新居・旧居」の手続きが一括で手配可能です。まだ手続きしていない方は、こちらからラクに手続きしてみてはいかがでしょうか。
引っ越し当日の流れ
まずは引っ越し当日のおおまかな流れや所要時間について説明します。
引っ越し当日のおおまかな流れ
引っ越し当日の流れは、一般的に以下のようになります。
おおまかな流れ | 具体的な作業 |
引っ越し業者が到着するまでの準備 | ・荷造りの仕上げ ・トラック停車場所の決定 ・近隣への挨拶 |
旧居での引っ越し作業 | ・引っ越し料金の支払い ・搬出作業への立ち会い ・掃除やゴミの処分 ・ライフラインの閉栓立ち会い ・賃貸物件の退去立ち会い |
新居への移動 | ・自身で移動 |
新居での引っ越し作業 | ・近隣への挨拶 ・ライフラインの開栓立ち会い ・搬入作業への立ち会い ・荷ほどき |
なお引っ越しに関するサービスを別途依頼している場合は、その工程も追加されます。例えば以下のようなものですね。
- 荷造り代行
- エアコンの取り外し・取り付け
- 不要品買い取り・回収
- ハウスクリーニング
上記のようなサービスは引っ越し業者とは別に頼むこともできますし、引っ越し業者や提携業者に依頼もできます。
引っ越し作業にかかる時間
引っ越し作業にかかる時間は、「荷物の量」「部屋の位置(階)」「養生する場所の数や範囲」「分解して運ぶ家具の有無」「スタッフの数」などにより異なります。そのため「一人暮らしだから2時間」などと簡単には推測できません。
見積もり時に作業時間の目安を提示してくれる業者も多いので、参考にしてください。
参考として「作業時間が長くなるケース」と「時間を短くするための工夫」を紹介します。
作業時間が長くなるケース | ・荷物が多い ・トラックを止める場所が家から離れている ・高層階の引っ越し ・マンションのエントランスから部屋までが遠い ・分解・組み立てが必要な家具が多い |
作業時間を短くするための工夫 | ・荷物を少なくする ・荷造りを終えておく ・ダンボールに「新居のどの部屋に置くか」をメモする |
部屋の場所などは変えられませんが、「荷物を少なくする」「荷造りをちゃんとしておく」などの工夫はできますね。
なお引っ越し先が遠方の場合には、搬出の翌日に搬入するなど、2日に分けて作業することもあります。
引っ越し業者が来るまでの準備とは
引っ越し当日、引っ越し業者が旧居に来るまでにやっておきたいことを紹介します。もちろん引っ越し作業の開始時間によっては、前日までに済ませておいてもOKです。
- 荷造りの仕上げ
- 引っ越しトラックの停車場所を決める
- 近隣への挨拶
順番に解説します。
荷造りの仕上げ
まずは荷造りの仕上げです。引っ越し業者に荷造り作業を依頼していない場合は、引っ越し業者到着までに荷造りを終えておきましょう。
荷造りが終わっていない場合、引っ越し業者に追加費用を払って手伝ってもらうこもできますが、引っ越し作業の時間が余計にかかってしまいます。スケジュールがずれこむと、「他のお客さんに迷惑がかかってしまう」とか「引っ越し自体のリスケジュールを検討せざるをえなくなる」といった可能性も考えられます。
そのため引っ越し当日に使用するもの以外は、前日までにきっちり荷造りしておきましょう。「忙しくてどうしても自分や家族だけでは荷造りできない」ということなら、荷造りの専用サービスや家事代行サービスを依頼することも検討してください。
また荷造りと同時に、「引っ越し荷物のリスト」を作っておくのもおすすめ。リストを作成しておくと、新居への搬入時に「荷物が足りない」などのトラブルを防ぎやすくなります。
なおダンボールには「何が入っているか」「新居のどの部屋・スペースに置くか」を書いておくと便利です。
引っ越しトラックの停車場所を決める
引っ越しトラックを停める場所も決めておきましょう。以下のような場所があれば理想的です。
- 家に近い
- 道幅に余裕がある
- 近隣住民の出入りの邪魔にならない
停車・駐車できる場所がないと、当日場所探しに時間がかかってしまい、作業が始められません。特に「家の前の道路が狭い」という場合には注意してください。
営業担当者が旧居に見積もりに来た際に、「どのあたりならトラックを停められそうですか?」などと相談しておくといいでしょう。
近隣への挨拶
必須ではありませんが、引っ越し業者の到着前に近隣住民に挨拶しておくことをおすすめします。引っ越しのトラックが停まったり、搬出作業で騒がしくなることが予想されるからですね。
気難しい隣人だと「うるさい」「邪魔だ」などとトラブルになってしまうかもしれません。事前に挨拶しておくと、トラブルの予防にもなるでしょう。
お餞別を渡す場合は、当日までに準備しておくとスムーズ。洗剤やタオルなどの日用品を贈る人が多いですね。
旧居の引っ越し作業の流れ
次に引っ越しの当日に旧居で発生する作業の流れについて紹介します。やることが多くバタバタしやすいので、事前にコツを押さえておきましょう。
- 引っ越し料金の支払い
- 搬出作業への立ち会い
- 掃除やゴミの処分
- ライフラインの閉栓立ち会い
- 賃貸物件の退去立ち会い
順番に解説します。
引っ越し料金の支払い
引っ越し業者が到着したら、まずは引っ越し料金を支払います。基本的なルールとして「引っ越し料金は作業開始前に前払いする」と定められているからですね。
現金払いの引っ越し会社が多いので、見積もりを元にお釣りのないように準備しておくと支払いがスムーズです。
業者によっては「後払い」「カード払い」にも対応しているので、見積もり時に担当者に確認しましょう。「アート引越センター」「日通」などの大手引っ越し業者であれば、たいていカード決済に対応しています。
なお転勤による引っ越しで料金が会社負担になる場合は、会社と提携引っ越し業者間のやりとりになるはずです。勤務先の人事総務担当者などに確認してください。
搬出作業への立ち会い
搬出作業が始まったら、作業に立ち会います。「荷物の損傷」「紛失」「積み忘れ」がないかチェックしておく必要があるからです。
「取り扱い注意のもの」「旧居に置いていくもの」など、随時スタッフから指示を求められることもあるでしょう。小さなお子様がいる場合は、お子様がケガしないように見守る必要もありますね。
しかし「先に新居に向かわなくてはいけない」など、搬出作業に立ち会えない場合はどうしたらいいのでしょうか。
この場合は、家族や友人に代理をお願いしてください。同居していない代理人の場合、荷物の数などを正確に把握できていない可能性が高いので、荷物リストを渡しておくと便利です。
掃除やゴミの処分
搬出作業が終わったら、掃除とゴミの処分を行います。家具・家電が置いてあったところにはホコリが溜まっているものですし、「新居に持っていかないゴミ」が残されるケースも多いからです。
また賃貸物件の場合、部屋をキレイに掃除しておくと、入居時に預けた敷金が多く戻ってくる可能性も。特に以下の箇所に注意して、キレイにしておきましょう。
- 冷蔵庫下
- キッチンの油汚れ・水垢・カビ
- お風呂や洗面所の水垢・カビ
また搬出作業後に出てきたゴミについては、回収曜日ではなかったり回収時間を過ぎてしまったりすると、ゴミ出しできません。また「大型の不燃ゴミ」など、そもそも無料では回収してもらえないゴミが出てきてしまうこともあるでしょう。
搬出作業に出たゴミの処分方法としては、以下のようなものがあります。
- 新居へ持っていき、新居でのゴミ回収日に捨てる
- 環境センター(ゴミ処理センター)へ直接持ち込んで捨てる
引っ越し業者によっては、新居に持っていかない家具や家電などの粗大ゴミを回収してくれることもあるようです。その場合は見積もり時に「ソファとローテーブルは回収してほしい」などと相談しておくといいでしょう。
ライフラインの閉栓立ち会い
場合によっては、ライフラインの閉栓立ち会いも必要です。通常ですとライフラインの閉栓には立ち会い不要ですが、「メーターがオートロックで施錠されたエリアにある」「ガス警報器の取り外しが必要」といった場合には、閉栓立ち会いが必要になるからですね。
「退去日当日に現金で最終月の光熱水費を精算したい」という場合も、立ち会いが必要です。現金精算したい旨を、事前に電力会社やガス会社に伝えましょう。
流れとしては、引っ越し日の1~2週間前までに電話やインターネットからライフラインの解約・引っ越し手続きをして、当日予約した時間に立ち会うことになります。土日も立ち会い可能な電力会社・ガス会社が多いです。
事前に解約手続きをしても、最終使用日を引っ越し当日に設定しておけば、引っ越し日まで電気・ガス・水道は問題なく使えます。
反対に解約連絡が当日になってしまうと、「立ち会いが必要なのに、当日来てもらえない」というケースも。特に3~4月の引っ越しシーズンは、電力会社・ガス会社ともに多忙だからです。
そのため遅くとも引っ越し当日の1週間前までには、電話・ネットから解約手続きをしておきましょう。なお電気・ガス・水道の引っ越し手続きをまとめて行いたい場合は、以下の窓口が便利です。
賃貸物件の退去立ち会い
賃貸物件からの引っ越しの場合は、荷物の搬出や掃除が終わってから「退去立ち会い」が行われます。部屋の状態を確認し、原状回復にかかる費用を借主と貸主のそれぞれがどの程度負担するか決めるためですね。
部屋の状態を管理会社担当者と一緒に確認してください。入居時からあったキズや汚れについては「元からついていた」と伝えましょう。最後に部屋の鍵をすべて返却して、退去立ち会いは終了となります。
部屋の広さにもよりますが、一人暮らしの部屋だと所要時間は20~30分程度です。
退去立ち会いには代理人を立てることもできますが、キズや汚れがついた経緯を正確に説明する必要があるので、本人が立ち会うのが望ましいでしょう。
なお退去立ち会いの日程は引っ越しが決まって退去連絡する際に決めておきます。
退去立会いが終わったら、車や公共交通機関まで新居で移動しましょう。引っ越し業者のトラックに同乗はできません。
新居の引っ越し作業の流れ
引っ越し当日に新居で行う作業の流れについて説明します。旧居での作業ほど時間には追われませんが、できるだけスムーズに進めたいものです。
- 新居周辺への挨拶
- ライフラインの開通・開栓
- 新居の掃除
- 荷物搬入への立ち会い
- 荷ほどき
順に解説します。
新居周辺への挨拶
新居に到着したら、引っ越し業者が到着する前に、新しいご近所さんに挨拶しておきます。「これからよろしくお願いします」という挨拶も必要ですし、何より荷物搬入で騒がしくなるからですね。
「○時ごろからトラックが来て搬入するのでうるさくなります」「このあたりにトラックが停まります」などと一言断りを入れておくことで、トラブルの防止にもつながりますし、「しっかりした人だな」という印象も与えられるでしょう。
挨拶する範囲は、一般的に以下のように言われています。
- マンション:両隣と上下の部屋
- 一戸建て:両隣と向かい側にある3軒
挨拶の品を渡す場合は「お菓子」「洗剤」「タオル」などが一般的。高価なものでなくても大丈夫です。引っ越し業者を通じて手配できることもあります。
ライフラインの開通や開栓
次に電気・ガス・水道の開通・開栓をしましょう。搬入時や掃除にライフラインが必要だからですね。
水道については、蛇口をひねれば水が出る物件がほとんどです。出ない場合は、水道の元栓や止水栓が閉まっていないか確認してください。
元栓は水道メーターの横や量水器の近くにあるケースが多いです。止水栓はトイレのタンク横やキッチン・洗面所のシンク下にあります。
電気については、従来型のメーターの場合は、ブレーカーをあげれば電気が使えます。スマートメーターの場合は、事前に手続きしていれば問題なく電気がつくはずです。
ただガスについては、安全上の理由から開栓にあたり立ち会いが必要です。ガスの引っ越し手続きをする際、新居でのガス開栓の立ち会い日時を予約しておきます。搬入作業の前または後の時間に設定しておくとスムーズです。
ただし3~4月の引っ越しシーズンは開栓希望が多くなるため、希望日時に開栓立ち会いの予約が取れないケースもあります。希望日時に予約するためには、早めにライフラインの引っ越し手続きをすることが大切です。多くのガス会社で、利用開始日の1ヶ月前から予約できます。
なおガス以外のライフライン(電気・水道)については、「入居してからの利用開始手続きでも問題ない」という人もいます。たしかに水道は蛇口をひねれば水が出ますし、従来型メーターであれば電気もブレーカーをあげれば使えます。
ただしスマートメーターつきの物件だと、入居前に手続きしておかないと電気が使えないことも。水道についても手続きを忘れたままになっていると料金トラブルになりかねません。
スムーズな引っ越しのためにも、ライフラインはすべて事前に引っ越し手続きしておくのがおすすめです。
ライフラインの引っ越し手続きをまとめて行いたい場合は、以下の窓口が便利です。
新居の掃除
新居が遠方で引っ越し当日までに部屋の掃除ができなかった場合、搬入作業前に掃除しておくといいでしょう。床や壁などにホコリ・ゴミが溜まっている可能性があるからですね。
簡単に拭き掃除しておくだけでも、かなり気分は違うはずですよ。
荷物搬入への立ち会い
引っ越しトラックが新居に到着したら、荷物を新居に搬入します。
搬入自体は引っ越し業者が行いますので、依頼主は立ち会います。「家具や家電をどの部屋にどの向きで配置するのか」など、引っ越し業者に適宜指示を出していきましょう。
間取り図に家具の配置位置を書き込んでおくと、指示が出しやすくなります。
また荷物リストをもとに、家具の損傷や荷物の紛失がないかもチェックしてください。
なお引っ越しトラックを停める場所については、新居を見学する際に考えておくとスムーズです。遠方で内覧に行けない場合などは、不動産業者や管理会社に「トラックを停められそうな場所があるか」「周辺の道は、引っ越しのトラックが問題なく通れるか」などを聞いておきましょう。
当日「トラックを停められる場所がない」となると、搬入作業がなかなか開始できず時間をロスしてしまいます。
荷ほどきする
搬入が完了したら、荷ほどきします。大きな家具・家電を設置してから荷ほどきするとスムーズですよ。
また「すぐに使うもの」「よく使うもの」のダンボールから開けていくと、荷ほどきが途中でも生活できるのでラクです。ライフスタイルにもよりますが、「すぐに使うもの」「よく使うもの」としては、以下のようなものがあります。
- スマホの充電器
- 洗面・バス用品
- メイク道具
- バスタオル・フェイスタオル
- 当面の着替え(2日分程度)
- 食器
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- 照明器具
- カーテン
これらの荷物はまとめて1つのダンボールに入れておくといいでしょう。
なお一人では荷ほどきできない人は「荷ほどきサービス」「家事代行サービス」などを利用するのもおすすめです。
旧居と新居での必要なものリスト
引っ越し当日、旧居と新居では何が必要になるのでしょうか。引っ越し当日までに準備しておいた方がいい道具や消耗品を紹介します。
荷造りや掃除で必要なもの
引っ越し当日の「荷造りの仕上げ」や「掃除・ゴミ処分」で必要になるのは、以下のような資材や道具です。
- ダンボール
- ガムテープ
- ビニール紐
- 緩衝材
- 軍手
- はさみ・カッターナイフ
- マジックペン
- ゴミ袋
- ほうき・フロアワイパー
- 雑巾・ウエットティッシュ
- 掃除用洗剤
梱包資材やマジックペンは、荷造りで使います。ハサミやカッターナイフは荷ほどきに必須です。またケガ防止のために軍手もあると便利。
掃除道具は旧居でも新居でも使います。拭き掃除用の雑巾やボロ布を多めに準備しておくといいでしょう。
引っ越し当日に持ち歩いておくと便利なもの
引っ越し当日に持ち歩きたいものもありますので紹介します。
- 貴重品
- 新居の鍵
- 新居の契約書などの重要書類
- スマートフォン
- モバイルバッテリー
- 筆記用具
- 間取り図に家具・家電の配置を書き込んだもの
- 荷物リスト
- 新居のご近所さんに渡す品
必要なものはひとつのカバンにまとめ、身につけておくようにしましょう。
引っ越し当日の注意点
引っ越し当日の注意点やをまとめました。当日の流れと合わせて確認してください。
- 当日までに荷造りは終える
- 当日までに家電の搬出準備を終えておく
- 貴重品は自分で持っていく
- 引っ越し業者より先に新居に到着する
- 搬入作業の前に新居を点検する
- 見積もり書と当日の請求書を比較する
- 家電の配置は業者に任せる
- いつでも連絡がとれるようにしておく
- 外食・中食できるようにしておく
順番に解説します。
当日までに荷造りは終える
必ず引っ越し当日まで(引っ越し業者が来るまで)に荷造りは終えましょう。「荷造りが全然終わっていない」という場合には、引っ越し自体が延期になってしまう可能性があるからです。スケジュールを変更する場合はキャンセル料が発生する可能性もあります。
あるいは荷造りできなかった荷物を車などに乗せて、自力で運ばなくてはならなくなります。
「少しだけ荷造りできていない荷物がある」といった場合であれば、オプション料金を支払って引っ越し業者に荷造りを依頼できる可能性も。ただ繁忙期や「続いて別の家の引っ越し予定が入っている」などの場合は、対応してもらえないケースがあるので注意しましょう。
「自力での荷造りが難しい」とわかっているのであれば、予め「引っ越し業者のオプションプランで荷造り代行を頼む」か「家事代行業者や荷造り代行業者に依頼する」などの方法がおすすめです。
なお当日に「荷造り用のダンボールが足りない」と気づいたら、まずは引っ越し業者に連絡しましょう。予備のダンボールを用意している業者もあります。
当日までに家電の搬出準備を終えておく
家電の搬出準備も重要です。冷蔵庫や洗濯機は、事前に「水抜き」と言われる作業をしておかないと、搬出時に水が漏れて他の荷物を濡らす可能性があるからです。
そのため前日までに必ず水抜きをしておきましょう。各家電の取扱説明書に水抜きの方法が書いてあるはずですよ。
貴重品は自分で持っていく
貴重品は引っ越し業者に運んでもらう荷物の中には入れず、自分で管理して持っていきましょう。引っ越し業者との契約で「引っ越し業者が運ぶ荷物の中に貴重品は入れない」と決まっているはずだからです。
荷物の中に貴重品を入れた場合、もし紛失しても保証されません。貴重品には引っ越し業者が加入している保険が適用されないからです。
そのため現金はもちろん、「商品券」「通帳・キャッシュカード」「印鑑」「株券などの有価証券」「貴金属や宝石」などは自分で管理してください。
なお高価な美術品や骨董品については、引っ越し業者によって対応できるかどうかが異なります。
「運びますが、別途依頼者側で専用の保険に加入してください」という業者もあります。利用予定の引っ越し業者で対応できない場合は、美術品だけ専用の運搬サービスを利用しましょう。
引っ越し業者より先に新居に到着する
引っ越し当日は引っ越し業者より先に新居に到着し、鍵を開けておきましょう。スムーズに搬入作業を開始するためです。
賃貸物件の場合、新居の鍵をもらえるのは原則として入居日当日です。ただ「朝早くからの搬入を予定している」などの事情があれば、前日に鍵がもらえるケースもあります。
鍵の受け渡し日や受け渡し方法については、不動産業者に相談してみてください。
搬入作業の前に新居を点検する
引っ越し業者が搬入作業を開始する前に、新居内を点検しておきましょう。
搬入作業では、部屋にキズがつく場合があります。事前にキズの有無を確認しておけば、「搬入によってついたキズであり、引っ越し業者に責任がある」とすぐ判断できるからです。
賃貸物件の場合には、引っ越し作業でできたキズについて原状回復義務が発生します。大家さん・管理会社とのトラブルを防ぐ上でも「室内の事前チェック」は重要です。
同じ理由で、運ぶ家具・家電にキズがないかも旧居で予めチェックしておくことをおすすめします。
見積もり書と当日の請求書を比較する
見積もり書と当日の請求書の金額が合っているか比較しましょう。請求金額が見積額より多くなる可能性があるからです。
請求額が増える理由としては、以下のようなことが考えられます。
- 荷物が増えた
- 急遽荷造りを頼んだ
- 予定していた搬入経路が使えなかった(エレベーターではなく階段で運んだなど)
- 道幅が狭くトラックを変えた
なお引っ越し業者への心づけ(チップ)は不要です。受け取らないようルール化している業者も多いので、渡そうとするとスタッフを困らせてしまう可能性もあります。
「お礼の気持ちを伝えたい」「差し入れしたい」なら、季節に応じたペットボトル飲料などがおすすめです。
家電の配置は業者に任せる
洗濯機・冷蔵庫・エアコンなどの配置は、引っ越し業者または専門業者に任せましょう。大型家電の設置には専門の技術が必要となるからです。
設置にミスがあると、故障や事故の原因にもなります。引っ越し業者または引っ越し業者が提携する業者に任せるのが安心です。
いつでも連絡がとれるようにしておく
引っ越し当日はスマホの充電を十分にしておき、いつでも連絡がとれる状態にしておきましょう。引っ越し当日は「引っ越し業者」「引っ越し業者と提携する工事業者」「不動産業者や管理会社」など、さまざまな人と連絡を取り合う可能性が高いからです。
例えば引っ越し業者からは「渋滞していて到着が予定より遅れる」とか「予定より早く就きそうだが、作業を開始できるか」などの連絡・相談があるでしょう。
反対に自分から業者に「予定より到着が遅れているがどうなっているのか」と確認したいケースもあるかもしれません。トラブルが起きたときに素早く対処するためにも、スマホは手放さないのがおすすめです。
なお当日よくあるトラブルとして「業者が約束していた時間に来ない」というものがあります。この場合「他の顧客の引っ越し作業が長引いている」「道に迷っている」「道が狭くてトラックが入れない」などの事情が考えられます。
道については事前に地図を渡しておくなど、入念に打ち合わせすることでトラブルを防ぎやすくなるはずです。
外食や中食できるようにしておく
引っ越し当日は、できれば外食または中食できるようにしておきましょう。引っ越し作業を行う時間帯などにもよりますが、引っ越し当日に自炊するのは大変だからです。
自炊にこだわりがある方もいらっしゃるでしょうが、無理して疲れるのはよくありません。
新居の近くで「お弁当やお惣菜を変えるお店」「レストラン」を見つけておくのがおすすめです。
まとめ
「引っ越し当日の流れ」「引っ越し当日の注意点」などについて解説しました。「当日は引っ越し業者が全部やってくれるでしょう?」と思いがちですが、意外に自分でやることも多いですよね。
トラブルを減らしスムーズに引っ越すために、事前に当日の流れを把握しておきましょう。
特に大切なのは「旧居では搬出作業開始までに荷造りを終えておく」こと。また新居では「早めに到着して、搬入前に室内をチェックする」「すぐ使うものは1つのダンボールにまとめておく」のがおすすめです。
また新居で搬入作業や掃除をするにあたり、水や電気などのライフラインが必要になります。そのため事前にライフラインの引っ越し手続きを終えておきましょう。スマートメーターを備えた物件が増えてきており、事前に手続きしておかないと電気が使えないケースもあります。
引っ越し当日が迫っているのにまだライフラインの引っ越し手続きができていない人は、以下の窓口から手続きしてみてはいかがでしょうか。電話連絡もできるので、「急いでいる方」「サクッと手続きを終わらせたい方」にもおすすめです。