「アナログ電話はどのような仕組みなの?」
固定電話回線の利用を検討している方の中には、上記のような疑問を抱く方がいます。
近年、「光電話」が固定電話回線の主流になりつつあることで、「アナログ電話の仕組みを把握したうえで、どちらの回線を導入するか見極めたい」などと考える方が増えたためです。
たしかに、どちらも同じ固定電話回線であることは間違いありませんが、使用している配線や基本料金などが異なるため、事前にアナログ電話回線の特徴を明確に確認しておくことは重要になります。
そうすることで、後々「自身の希望や用途に合わない」などの不満を抱くリスクを大幅に減らすことが可能なため十分に理解しておくようにしましょう。
この記事では「アナログ電話とはどのような回線なのか」について詳しく解説していきます。
同回線の新規利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
アナログ電話とは
アナログ電話とは、「アナログ信号を活用して通話を行う固定電話回線」のことです。
具体的には、通称「メタル線」と呼ばれる「銅線」を使用して、あなたがアナログ電話を使用する場所とNTT東日本や西日本の会社を繋ぐことで、電話機を使用して通話を行うことができる回線になっています。
そんなアナログ電話の主な特徴は、下記をご確認ください。
・ひかり電話が普及される以前まで主流となっていた固定電話回線
・波を描くように音声を伝えるため、電話をかける相手の距離が遠いほど通信速度が低下しやすくなる
・NTTの局地から直接給電されているため、停電時でも使用することが可能
・施設設置負担金(加入権)の購入が必要
・ADSL回線というインターネット回線を使用することが可能(2022年8月3日時点)
上記のように、アナログ回線には災害時でも固定電話回線を使用できると言ったメリットがある反面、長距離の相手に電話をかける際に通信速度が低下しやすいなどと言ったデメリットも存在します。
このため、アナログ電話の導入を検討する際は、事前に同回線について良く理解しておくことが重要です。
アナログ電話回線の種類
アナログ電話回線には、「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」と呼ばれる2種類の回線があります。
それぞれの回線について紹介していきましょう。
まず「プッシュ回線」とは、「現在主流になっているプッシュボタン式の電話機のボタンを押した際に発生する「ピポパ」という音を認識して通話を開始する回線」のことです。
電話機器に設置されている0〜9までのボタンには、それぞれ異なる周波数が紐付けされており、この音を交換機が認識して通話したい相手に電話をかけてくれる仕組みになっています。
一方で、「ダイヤル回線」とは、「回転式のダイヤル電話機のダイヤルを回転させた際に発生するスイッチの遮断音によって電話番号を認識して通話を開始する回線」のことです。
主に黒電話と呼ばれている「ダイヤル式の電話機」に採用されている回線になっており、ダイヤルを回して回転板が元の位置に戻った際に電話機から聞こえる「カチカチカチ」という遮断音の回数を交換機が読み取り、それぞれの番号を繋ぎ合わせて電話をかけてくれる仕組みになっています。
このように、一口に「アナログ電話」と言っても、「ダイヤル回線」と「プッシュ回線」の2つの回線に分けられているため、アナログ電話を利用する際は「あなたが使用する予定の電話機器がどちらに適しているのか」を事前に確認しておく必要があります。
アナログ電話の仕組みとは?
アナログ電話の仕組みを簡単に説明すると、「2本の線(ケーブル)を用いて交換機に接続し電話通信を行う仕組み」になっています。
なお、アナログ電話で通話を行う際の仕組みを具体的に解説したのが下記です。
・あなたが使用する電話機の受話器を持ち上げることで、2本の線を用いて交換機に対して「発信番号」が流れる。
・発信信号を発した電話機に対して交換機が「プー」という「ダイヤルトーン」を出し、電話をかける準備が完了したことを知らせる。
・あなたがダイヤルを行うことで、交換機がダイヤルされた電話番号を認識し、どこの交換機を経由して相手方に接続するのか自動的に決定する。
・経由する交換機の決定後、あなたが通話を行いたい相手方の交換機に接続する。
・交換機同士の接続完了後、相手方の電話機に対して「呼出し信号」を流し、あなたの電話機に「呼び出し音」を流す。
・通話を行いたい相手が受話器を取り応答することで、交換機に「応答信号」が流れ電話の接続が完了
上記のように、あなたが電話機器の受話器を上げて電話番号をダイヤルすることで、自動的に交換機が相手方の電話機に接続してくれるため、1対1で通話のやり取りを行うことができます。
アナログ回線の配線とは
アナログ回線は、回線の種類だけでなく「配線方法」もいくつかの種類の配線方法が用いられています。
具体的な、アナログ回線の配線方法は、以下の3つです。
・2線式:基本的に家庭用電話機で採用されている
・4線式:主に企業や電話局から距離が遠い山間部などで採用されている
・スター配線:ビジネスフォンなどで採用されている
それぞれ解説しましょう。
「2線式」とは、上記でも解説した通り「2つの銅線(電話線)を用いて接続する方法」のことです。
「あなたが使用する電話機」と「相手方の電話機」を2本の線を用いて通信を行い、それぞれの電話機で発信した音声を同じケーブルを使って相手方の受話器に届ける仕組みになっているため、通話時に受話器から相手方の声だけでなくあなたの声も聞こえてくると言った特徴があります。
つぎに、「4線式」とは、その名の通り「4本の銅線(電話線)を用いて接続する方法」のことです。
この配線方法では、使用する電話線4本を2本1組にして1組は送信、もう1組は受信で用いてあなたが使用する電話機と相手方の電話機を繋ぐ仕組みになっています。
「2線式」とは異なり、音声を発信・受信する際の電話線が分かれており、ノイズや通信障害などが起きにくいのが特徴です。
このため、通信障害が起きやすい場所やNTTの電話局から距離が遠い山間部などでこの方法が採用されています。
このように、アナログ回線の配線は、使用する場所などによって採用される固定電話回線の配線方法が異なることを覚えておいてください。
このように、アナログ回線の配線は、使用する場所などによって採用されている固定電話回線の配線方法が異なることを覚えておいてください。
ちなみに、「スター配線」とは、「電話機器1台ごとに主装置にケーブルを繋ぐ配線方法」のことで、ビジネスフォンなどの複数台の電話機を繋ぐ際に用いられており、1台の電話機器にトラブルが起こったとしても他の電話機器は問題なく使用することができるため、近年この配線方法を利用するケースが多くなっています。
契約時の費用とは?
アナログ回線の利用を検討する際は、事前に「どのくらい初期費用がかかるのか」や「月額料金はどのくらいの金額が設定されているのか」を把握しておくことが重要です。
事前にこれらの情報を把握しておくことで、「アナログ電話と光電話(ひかり電話)のどちらが自身の希望に合う電話回線なのか」を決める際の判断材料として活用することができます。
ここでは、NTT東日本・西日本が提供する「アナログ電話」を例に初期費用や月額料金について詳しく解説していくので、新規契約する固定電話を決める際の参考にしてみてください。
初期費用
NTT東日本・西日本が提供する「アナログ電話(加入電話)」を契約した際にかかる初期費用は、選択した料金プランによって異なります。
例えば、「加入電話・ライトプラン」と言う料金プランを契約した場合、通常アナログ電話の契約時に必要な施設設置負担金(加入権)を購入する必要がないため、高額な初期費用をかけずにアナログ電話を導入することが可能です。
ただし、「加入電話・ライトプラン」を契約したからと言って、初期費用が0円になる訳ではありません。
契約金880円(税込)に加えて、電話回線を導入する際の工事内容によって異なりますが、工事費として2,200円(税込)がかかる可能性があることも覚えておきましょう。
なお、NTTのアナログ電話には、上記の「加入電話・ライトプラン」の他に、通常の「施設設置負担金(加入権)の購入が必要な料金プラン」もあります。
この料金プランを契約した場合は、施設設置負担金(加入権)として39,800円(税込)に加えて、工事費や契約料などの初期費用を支払う必要があるため、固定電話の導入時にまとまったお金が用意です。
このため、アナログ電話を導入するのであれば、施設設置負担金が不要になっている「加入電話・ライトプラン」の料金プランを利用した方が良いでしょう。
※上記で紹介した金額は、全て2022年8月3日時点の価格です。
月額料金
上記でも解説した通り、NTT東日本・西日本の「アナログ電話(加入電話)」には、「通常のアナログ電話の料金プラン」と「加入電話・ライトプラン」があり、契約する料金プランや利用環境などによって設定されている月額料金が異なります。
そのため、選んだプランやあなたが固定電話回線を導入する場所によっては、月々の電話料金が重くのしかかる危険性があるため、事前にそれぞれのプランに設定されている基本料金を把握したうえで、アナログ電話を契約するか決めることが必要です。
では、具体的に、NTTの「アナログ回線」に設定されている2つの料金プランの月額料金はいくらなのでしょうか?
まずは、「アナログ電話」の通常の料金プランの月額料金から見ていきましょう。
通常の「アナログ電話」の料金プランは、以下の表のように「住宅用」か「事務用」に分けられており、選択した電話回線の種類によって月々の基本料金が設定されています。
住宅用 | 事務用 | |
プッシュ回線 | 1,760〜1,870円 | 2,640〜2,750円 |
ダイヤル回線 | 1,595〜1,870円 | 2,530〜2,750円 |
※上記の価格は、2022年8月3日時点の料金です。
※上記の価格は、全て税込価格になります。
また、通常のアナログ電話の料金プランは、「プッシュ回線」と「ダイヤル回線」別でも、月々の固定電話にかかる基本料金が設定されています。
「住宅用」の方が「事務用」より少し安い料金設定がなされているため、家庭用の固定電話を引きたい場合に向いているでしょう。
次に、NTTが提供する「加入電話・ライトプラン」の月額料金を見ていきます。
まずは、下記の表をご確認ください。
こちらは、「加入電話・ライトプラン」の「プッシュ回線」と「ダイヤル回線」別に、「住居用」と「事務用」に設定されている月額料金を表にまとめたものです。
住宅用 | 事務用 | |
プッシュ回線 | 2,035〜2,145円 | 2,915〜3,025円 |
ダイヤル回線 | 1,870〜2,145円 | 2,805〜3,025円 |
※上記の価格は、2022年8月3日時点の料金です。
※上記の価格は、全て税込価格になります。
「加入電話・ライトプラン」は施設設置負担金が不要で初期費用の負担が少ないですが、「通常のアナログ電話の料金プラン」に比べると月々の基本料金が高く設定されているのが特徴です。
このため、「ランニングコストによる負担を気にせず、アナログ電話の導入時にかかる費用の負担を減らしたい」などと考えている方に適している料金プランだと言えます。
このように、NTTのアナログ電話に設けられている2つの料金プランは、それぞれ設定されている月額基本料金や施設設置負担金の有無などが異なるため、事前に「電話代にかかるランニングコストを減らしたいのか」や「初期費用による負担を軽減したいのか」などを決めたうえで、どちらが自身に適しているのか選ぶようにしましょう。
なお、どちらの電話回線も「電話サービス取扱所の種類」によって、設定されている基本料金が異なるため、上記で解説した内容に加えて「あなたがアナログ電話を使用する場所が属する地域はどの電話サービス取扱所に該当するのか」を確認しておくようにしてください。
アナログ電話は廃止・終了になる?
結論から言うと、2022年8月3日現在「NTT東日本や西日本が提供するアナログ電話は廃止になる」ことが決定しています。
NTTが公表した情報によると、2024年1月以降に現在アナログ電話で使用している「アナログ回線」から「IP網」と呼ばれる「ネットワークを利用した中継・信号交換機」に移行するため、「移行に伴い提供が困難なサービス」や「今後利用者の減少が見込まれるサービス」の提供が終了になる予定になっています。
ただし、アナログ電話で使用している設備がIP網に移行になるからと言って、「アナログ電話のサービス自体」が廃止になる訳ではありません。
あくまでもNTT東日本・西日本側で使用している信号交換機の設備を切り替えるものになっているため、現在NTTのアナログ電話を利用している方は、「IP網に対応するための工事や手続きなどがせずに」、2024年1月以降もアナログ回線の固定電話を使用し続けることができます。
光電話の方がおすすめ?
固定電話回線の新規利用を検討している方の中には、「アナログ電話と光電話どちらを契約した方が良いの?」と悩んでしまう方も少なくありません。
ひと昔前までは固定電話回線といえばアナログ回線でしたが、「アナログ電話に設定されている初期費用や基本料金が高くて、電話代が重くのしかかりそう」などと感じている方も多いためです。
たしかに、アナログ電話は選んだプランによっては、初期費用や月々の電話代による負担が大きくなりやすいため、このように思うのも無理はありません。
では、これから固定電話を引く場合、「アナログ電話」と「光電話」どちらを利用した方が良いのでしょうか?
費用面を気にせずに固定電話を引きたいのであれば、「光電話」の利用を検討するのがおすすめです。
「光電話」は、主に以下のようなメリットがあるため、固定電話導入時や月々の電話代にかかる負担を軽減でき、どなたでも安心してご利用いただくことができます。
・加入権の購入費用が不要になっている
・フレッツ光ライトプランでお得に利用できる
それぞれ詳しく解説していきましょう。
加入権の購入費用が不要になっている
アナログ電話よりも光電話の新規利用がおすすめだと言える理由の一つは、「加入権の購入費用が不要」になっているという点があります。
加入権は正式には「施設設置負担金」と言い、「アナログ電話(加入電話)を利用する際に必要となる権利」のことで、アナログ電話を利用・契約する際はこの権利を購入しなければ固定電話回線を利用することができません。
しかし、光電話はこの「加入権の購入が不要」で固定電話サービスを利用することができるため、権利を購入する際に必要なまとまったお金を捻出しなくても、アナログ電話と同様に「市外局番から始まる電話番号を取得」して固定電話を利用することができます。
2022年8月3日時点では、「施設設置負担金」は38,900円(税込)もの高額な値段設定がなされているため、初期費用による負担を無くせるのは非常に大きなメリットです。
フレッツ光ライトプランでお得に利用できる
NTTの「ひかり電話(光電話)」で提供している「フレッツ光ライトプラン」を利用した場合、「インターネットによる月々の負担を軽減して固定電話サービスを利用」することが可能です。
通常、光電話は「インターネット回線を利用して通話を行うサービス」になっていることで、固定電話サービスとは別にインターネット回線の契約を行う必要があるり、普段ネットを使用しない方にとっては月々の通信費が重くのしかかってしまいます。
しかし、NTTの「光電話」で提供している「フレッツ光ライトプラン」は月々3,680円(税込)からと、普段ネットを利用しない方でも費用面に不満を抱かずに利用できる値段設定がなされているため、どなたでも気軽に「ひかり電話」をご利用いただくことが可能です。
(上記の金額は、2022年8月3日時点の「フレッツ光ライト ファミリータイプ」の料金になります。)
光電話の利用を検討している方の中には、「インターネットをあまり使わないのに、月額料金が高くて気軽に光電話を契約できない」などと悩んでしまう方もいるため、そう言った方向けのプランも用意されているのは非常に魅力的だと言えます。
なお、光電話の利用を検討している方や「月々どのくらいの金額でひかり電話を利用できるできるのか相談したい」などと考えている方は、下記の窓口にお問い合わせください。
こちらの窓口は、「NTTのひかり電話に関するサポート窓口」になっているため、同電話回線に関する相談や申し込みを行うことができます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では固定電話回線を引きたいと考えている方向けに、「光電話」の利用を検討することをおすすめしました。
光電話ならアナログ電話のように施設設置負担金を購入する必要がなく、契約する通信会社によっては月々の基本料金も低価格な料金設定がなされているため、初期費用やランニングコストを気にせずに固定電話を導入することができるので是非検討してみてください。
なお、光電話をどこで契約するかお悩みの場合は、NTT東日本・西日本が提供する「ひかり電話」の利用を検討してみましょう。
NTTの「ひかり電話」は、普段インターネットを使用しない方の負担を考慮した料金プランが用意されているため、どなたでも月々の電話代や通信費にかかる料金を気にせずに気軽に「光電話」をご利用いただくことができます。
したがって、電話代にかかる料金の負担を気にせずに固定電話を使用したいと考えている方には、ぜひNTTの「ひかり電話」の利用がおすすめです。