不動産におけるIoTカメラ活用事例と導入効果
最終更新日:
不動産において、安心安全のために防犯カメラや監視カメラは必須といっても過言ではありませんよね。
商業施設やオフィスはもちろんのことながら、マンションや一般家庭でも防犯カメラを設置してセキュリティ対策をしている場合もあります。
とはいえ、防犯カメラは限定的な用途と閲覧・管理の柔軟性の低さから、価格や管理の側面で導入が見送られることもしばしばです。
ただ、カメラがIoT化によってネットワーク通信できるようになって、その状況は大きく変わりつつあります。
IoTカメラは、ネットワークカメラやIPカメラとも呼ばれますが、防犯カメラよりも用途が幅広く使い勝手も改善されるため、導入を検討中のオーナー様もいるかもしれません。
本記事では、不動産においてIoTカメラがどのように活用され、どんな効果をもたらしているのか、事例にもとづいて解説を進めていきます。
IoT × カメラで実現できること
IoTとカメラを組み合わせると、非常にさまざまなことが実現できるようになります。
具体的には、次のような用途での活用や価値の創出が挙げられます。
・防犯防止と使い勝手の向上
・子供やペットの見守り
・レジレスによる店舗省人化
防犯防止と使い勝手の向上
IoTカメラと聞いて期待されることといえば、やはり防犯カメラや監視カメラとしての用途が最も大きいでしょう。
防犯カメラとしてIoTカメラを導入すると、防犯防止機能と使い勝手が格段に良くなります。
IoTカメラが防犯カメラと違う明確なポイントは、インターネット通信ができることです。
数年前までの防犯カメラは、専用レコーダーにデータが保存されるため、防犯カメラ専用の端末でしか閲覧や監視ができませんでした。
これでは、使い勝手と価格の面で一般向けとはいえません。
しかし、IoTカメラはスマホやパソコンなどインターネット通信できる端末なら閲覧できる、マルチ端末対応となっています。
そのため、レコーダーからのデータ抽出や映像確認のためわざわざ現地へ行く必要がなくなり、スマホさえあればネットワーク経由でいつでもどこでも確認OKです。
もちろん遠隔地からでもWebアプリでライブ映像を見られるので、自分の好きなタイミングでIoTカメラへアクセスが可能となります。
また、人感センサー搭載のIoTカメラなら、人の在不在や動きをセンサーで検知したタイミングだけ画像や映像データを保存してくれます。
監視カメラのように24時間ずっと記録する必要がなくなりますので、常時監視や映像データの保管も楽になるでしょう。
もちろん撮影された画像や映像データは、ネットワーク経由でクラウドへ保存されるため、物理的なビデオやDVDなどデータ記録機器も必要としません。
子供やペットの見守り
カメラがIoT化により通信機能を有したことでにわかに注目を集め始めているのが、子供やペットの見守り用途での活用です。
一昔前までは子供やペットの見守りを目的にカメラを導入しようと思っても、価格や設置の難易度の面で見合いませんでした。
しかし、昨今のIoT化の流れに乗って、いわゆるネットワークカメラが非常に低価格かつ使い勝手が良くなっています。
玄関先にIoTカメラを設置しておけば、共働きで留守の家へ学校から帰宅してくる子供の様子や訪問者をスマホで確認できて安心です。
また、マイク機能を搭載しているIoTカメラもあるので、スマホを持っていないお子さんやご両親とも、通話で簡単にコミュニケーションが取れます。
留守番中のお子さんとビデオ通話して不安な気持ちを和らげたり、離れて暮らすご両親に孫の元気な姿を見せつつ、様子の確認をすることも可能です。
このほか、生まれたばかりの赤ちゃんやペットのいる家庭でも、IoTカメラは活躍してくれること間違いなしです。
たとえば、赤ちゃんをベビーベッドへ寝かしつけた後に、キッチンからスマホアプリで様子をうかがいつつ、食事の準備に取り掛かることもできます。
もし泣き出してしまっても異変にすぐ気付けるので、不安な気持ちにならずに済みますよね。
また、留守中のペットの様子をIoTカメラでチェックしながら、IoT化した自宅のエアコンを遠隔操作してあげることで、熱中症対策としても役立ちます。
レジレスで店舗省人化
居住スペースでの利用とは少し気色が異なりますが、IoTカメラでレジレスの省人そして無人店舗の実現すらしてしまっています。
これは、アメリカのAmazonが展開するAmazon Goで取り入れられている最新技術です。
コンビニなどの店舗にIoTカメラを設置、入店した人の顔をカメラで捉えると、顔認識によってどの会員かを特定し、アカウントデータを照合します。
さらに、かごに入れた商品もIoTカメラで監視・画像解析し、そのタイミングで価格計算、退店するタイミングで自動決済されるのです。
決済はアカウント登録されたクレジットカードへ請求されるため、購入者はレジでの支払いなしで商品を持ち帰れるというわけです。
レジの待ち時間や財布を携帯する必要すらなくなる非常に利便性が高いシステムということもあって、日本のコンビニなどもIT企業と共同開発に取り組んでいます。
入店時の本人照会や商品の自動料金計算は、QRコードやRFIDタグなどIoTカメラ以外のセンサー機器が用いられることもあります。
このように、画像解析技術を搭載したIoTカメラを設置すると、データ通信によって店舗を無人化、オペレーションコストを極小化して収益性を向上が図れるのです。
IoTカメラでチェックすべき3つのポイント
IoTカメラの導入にあたっては、一般的なカメラとは利用シーンや周囲環境が異なります。
そのため、次の3つのポイントのチェックを怠らないようにしましょう。
・通信と電源に配慮した設置場所
・暗視モードや広角レンズなど視認性の高さ
・インターネット回線を含めた月額コスト
通信と電源に配慮した設置場所
IoTカメラの設置場所は、給電とネットワーク通信のためのケーブル取り回しやプライバシーへよく配慮して決めなければなりません。
電源とネットワーク通信のケーブルは、IoTカメラ本体まで引き込む必要があります。
ケーブルが届く距離か・隠蔽配線が可能かなど、長期的な利用が前提のIoTカメラにおいては、通信の安定性やメンテナンス性につながる重要な要素です。
もしLANケーブルでの通信が難しい設置場所であるなら、無線通信ができるWiFi対応のIoTカメラを選んでも良いでしょう。
ただその場合は、WiFiで通信できる範囲が限定的なこと、そして周囲環境によっては無線通信が安定しないときがあります。
WiFiモデルを利用するのであれば、通信の品質について十分に頭に入れておかなければなりません。
また、共用部に設置するならプライバシーへ配慮した場所であること、そして入居者の方へ適切な説明も必要になるでしょう。
暗視モードや広角対応など視認性の高さ
防犯カメラや監視カメラとしての用途が多くなるIoTカメラは、視認性の高いカメラ性能が備わっているかも要チェックポイントの1つです。
特に利用シーンや周辺環境を考えると、画素数だけではなく暗視モードや広角対応といったアシスト機能は必須といってよいでしょう。
1日の約半分は、夜間の時間帯で暗闇の撮影となります。
撮影したものの、画像が暗くて人の顔がハッキリと見えないのでは意味がありません。
また、昼間でも影になる場所やカーテンを閉める室内では、十分な明るさが確保できない場合もあります。
視野角が狭いと障害物で人物が映らないため、もう1台設置しなければなりません。
暗視モードがあれば、暗闇でも人物がわかるくらいの鮮明な画質を保てます。そして、広い視野角で死角を作らない広角対応も見逃せないですね。
このほか、専用のスマホアプリやWebサイトから遠隔でアングル調整ができる、首振り機能に対応しているモデルもあります。
カバーできる範囲が広がるので、2台必要なところを1台にまとめて価格を抑えられます。
また、屋外に設置する場合はIoTカメラが風雨にさらされることになるので、当然ながら防水防塵耐性のあるモデルを選びましょう。
インターネット回線を含めた月額コスト
IoTカメラの利用には、インターネット回線の費用とともにサービス利用料金も月額コストとしてかかることもあります。
毎月固定額で発生するコストなので、できる限り安く抑えたいものです。
とはいえインターネット回線のプランも含めて、最適な組み合わせを検討するのは難易度が結構高いです。
入居者向けにインターネットサービスの提供も考えているのであれば、まとめて見積もり提案してもらうほうが手間もかかりません。
抱き合わせでコスト削減も期待できるので、総合的な提案や相談のできる業者へ依頼するのがオススメです。
不動産におけるIoT × カメラ活用の特徴や導入効果
不動産の領域において、IoTカメラを活用するとどのような導入効果が得られるのでしょうか。
実際の利用者の視点を踏まえて、次の3つを解説していきます。
・内見や民泊の入退室管理を効率化
・オーナー向けには空室対策とトラブル対応
・入居者向けには防犯と見守りで安心安全
内見や民泊の入退室管理を効率化
内見や民泊といった不特定多数の人が出入りする不動産であっても、IoTカメラがあれば素早い状況把握や効率的な管理ができるようになります。
手元のスマホアプリやWebサイトで、リアルタイムでの入退室監視に加えて入退室履歴も合わせて確認できるため、セキュリティ上も安心です。
特に民泊の場合は、予約人数と実際の入室者の人数が合わなかったり、騒音等で近隣の入居者からクレームなどがあるので、事実確認や監視を素早くできるのは嬉しいです。
自治体によっては、民泊事業を営むために防犯カメラの取り付けが必須となっているところもあります。
このような不動産の入退室管理は、IoTカメラにスマートロックを組み合わせが非常に有効です。
デジタルキーでの鍵の受け渡しや鍵の施錠・解錠履歴の追跡もできるようになり、より効率的な管理を期待できるでしょう。
また内見は遠隔地に住む人でも、VRやWebサイトを利用して確認できる技術も浸透してきています。
空室対策の一環として、IoTカメラとともに検討するのも良いかもしれません。
オーナー向けには空室対策とトラブル対応
不動産オーナーにとって、IoTカメラの導入効果は空室対策とトラブル対応といったポイントに現れてきます。
空室対策の観点では、IoTカメラの導入によってセキュリティマンションとしてのPRが可能になり、入居者の安心安全に繋がります。
特に単身女性やファミリー向けのマンションなのであれば、セキュリティは絶対に外せないポイントの1つです。
マンション周辺の不審人物や共用部への外部の人間の侵入など、犯罪抑止やトラブル解決という視点でもIoTカメラが有効に働くでしょう。
また、不動産オーナーならではのトラブル対応という観点では、IoTカメラは証拠として活躍してくれます。
マンションの玄関や駐車場・駐輪場、ゴミステーションなど、共用部への設置が一般的です。
ゴミ出しのルールを守らない入居者や、駐車場や駐輪場を契約していない入居者や外部の人間が利用している場合にも、画像や映像データから「いつ誰が」という情報が一目瞭然でわかります。
入居者同士でのトラブルに発展すると水掛け論になることも多いので、しっかりとデータで確認して、毅然と対応できる環境を整えておきたいところです。
入居者にIoTカメラの存在を周知しておけば、そのようなトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。
このほか、複数の不動産を所有しているオーナー様なら、監視カメラとして使い勝手の改善も見込めます。
通信機能を持たない監視カメラだと、1つずつ個別のシステムでデータ記録や閲覧端末が用意されていることが多いですが、IoTカメラなら1つのアプリやWebサイトで複数カメラを一元管理できるシステムもあります。
また、人感センサー等で検知したときのみ映像記録しておけば、警察等の要請があっても24時間のデータ全てを確認する手間からも開放されるでしょう。
入居者向けには防犯と見守りで安心安全
IoTカメラは、入居者目線で見ると防犯・見守りの用途で安心安全を守ってくれる、日常生活の頼もしいパートナーになります。
オーナーがIoTカメラを各部屋内へ設置する事例はまだ少ないですが、スマートホームやIoTマンションが浸透してきた今を考えると、今後スタンダードとなる日も近いでしょう。
防犯対策としては、空き巣などの侵入者を人感センサーで検知して、自動的にアプリ通知・映像データで確認が可能です。
玄関先に設置しておけば、宅配便業者などの訪問者の対応時にも少し安心感が増します。
そして、IoTカメラはファミリーには子供や赤ちゃんの、そして単身女性ならペットの見守りへの関心からも導入事例が増えています。
また、遠方で暮らす高齢のご両親の様子をチェックするためにもIoTカメラが効果的です。
さらにはIoTカメラは見守りの用途を想定して、温湿度センサーが搭載されているモデルもあります。
映像にプラスして気温や湿度も一緒にモニタリングができるので、熱中症の危険性や赤ちゃん部屋の湿度環境など、非常に細やかな見守りにまで目が行き届いて便利です。
ただ、室内でIoTカメラを利用するときは、撮影される側のプライバシーに十分に配慮する必要があります。
もちろん用途次第ではありますが、リビングや寝室などプライベート性の高い空間はなるべく避けて、玄関や廊下など居住者が気にならない場所を選ぶべきです。
設置場所を変える以外では、画角を調整してあえて映る範囲を制限するなどの工夫をするのも1つの手でしょう。
マンションの防犯対策にネットワークカメラを検討ならおまかせください!
マンションの防犯対策に、IoTカメラは欠かせない存在であることがわかりました。スマホやパソコンからのライブビュー映像の閲覧に加え、撮影データの履歴チェック、人感センサー検知時の自動撮影など非常に便利な機能が盛りだくさんです。
高セキュリティ性やIoTマンションとしてのPR、将来的な見守り等での活用の観点から、IoTカメラの導入は防犯対策と空室対策を両立できます。
「まるっとIoTマンション」なら、IoTカメラだけでなくスマートロックやインターネット回線など、入居者にとってより魅力的なトータルコーディネートが可能です。
ご興味のある方は、ぜひ一度「まるっとIoTマンション」へご相談ください!
この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。運営や方針の詳細はコンテンツポリシーを参照ください。
記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら
あなたにオススメ@>
ワイヤレス防犯カメラは屋内向き!?選び方や設置するメリット
店内に監視カメラを設置するメリットや注意点を解説
防犯カメラを設置するメリット・選ぶ際のポイントや注意点は?
JENNOVの防犯カメラにはどのようなものが存在する?店舗開業検討者必見!
NTTの防犯カメラ「ギガらくカメラ」について詳しく解説!
Wi-Fi不要の防犯カメラの種類は?ネットなしで使える防犯カメラについて
おすすめのワイヤレス防犯カメラ5選!選び方も解説!
屋外で使える防犯カメラの選び方!おすすめ機種も併せてご紹介!
おすすめの防犯カメラはどれ?防犯カメラのおすすめ機種をご紹介!
クラウド型の防犯カメラってなに?仕組みやメリットは?
Wi-Fi防犯カメラのメリットは?メリット・デメリットを有線カメラと比較!
店舗に導入する防犯カメラの設置場所はどこにすればいいの?