「引っ越しのかかる初期費用ってどれくらい?」
「初期費用が高くて払えないときはやめたほうがいい?」
「敷金や礼金を安くして、費用を抑えられる方法はある?」
引っ越しにかかる初期費用が分からなくて、お金が足りるか不安に感じる人がいるのではないでしょうか。
引っ越しにかかる初期費用は、賃貸物件に入居する際にかかる費用のことで、敷金や礼金、仲介手数料などがかかります。まとめて支払うため、一時的に多額の資金が必要です。特に、新生活で初めての引っ越し・ひとり暮らしをする方は、初期費用の相場がわからず心配に感じる方が多いです。費用相場に関する知識がないと、余計な出費をしてしまうことも少なくありません。
そこで本記事では、以下の内容について解説します。
- 引っ越しにかかる初期費用の相場
- 引っ越しで必要になる初期費用の内訳
- 初期費用を安く抑える方法
引っ越しの初期費用に関する不安を解消できる内容になっています。引っ越しで損をしたくない方は、ぜひ最後までお読みください。
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引っ越しにかかる初期費用の相場は家賃5~6ヶ月分
賃貸物件の引っ越しにかかる初期費用は、家賃の5~6か月分が相場です。敷金や礼金、その他に必要な費用を合わせると30~50万円ほどの資金が必要になります。
例えば、全国賃貸管理ビジネス協会が公表している、東京都のひとり暮らし(ワンルーム)の家賃相場は約7万円です。平均的な家賃で計算すると、約35~40万円ほど費用が必要になります。
都市圏から離れるほど家賃が安く、同棲などで部屋数が増えると家賃は高くなるため、初期費用も変動します。引っ越しをする際は、相場である家賃の5~6ヶ月分の資金を準備しておきましょう。
引っ越しの初期費用を8種類に分けて解説
引っ越しにかかる費用は、大きく以下の8種類に分類できます。
項目 |
内容 |
費用 |
敷金 | 修繕費や未払いの補填 | 家賃の1~2ヶ月分 |
礼金 | 契約成立の謝礼 | 家賃1ヶ月分 |
仲介手数料 | 不動産管理会社に支払うお金 | 家賃0.5~1ヶ月分 |
前家賃 | 入居する月の前払家賃 | 家賃1~1.5ヶ月分 |
火災保険料 | 有事の事態に備えて加入する保険 | 1.5~2万円 |
管理費・共益費 | 月々発生する費用 | 家賃の5~10% |
引っ越し費用 | 荷物の輸送にかかる費用 | 時期によって大幅に変動 |
その他 | 鍵交換費等 | 1~3万円 |
1. 敷金
敷金は、賃貸借契約を結ぶ際に、借主が貸主(大家さん)に支払うお金です。入居時の担保の役割を果たし、退去時の修繕費や家賃が未払いのときに補填としてあてられます。
国土交通省が公表している「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、敷金の相場は家賃の1~2ヶ月分で、築年数が浅い物件程高い傾向があります。
修繕や退去時の清算で残った分は契約終了時に払い戻されますが、初期費用として支払わなければいけないケースが一般的です。
2. 礼金
礼金は、契約成立の謝礼として大家さんに支払う費用です。お礼として支払う費用なので、敷金のように退去時に戻ってきません。
国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金は家賃1か月分を求めるオーナーが全体の約70%を占めています。特に人気のある物件ほど、礼金は高くなる傾向があります。
一方、近年では礼金の必要ない物件も多いです。
築年数の古い物件や、立地の悪いところでは礼金が必要ないケースもあります。
3. 仲介手数料
仲介手数料は、物件の案内や契約手続きを行った不動産会社に支払う費用です。仲介手数料は、宅地建物取引業法によって、家賃の1ヶ月分が上限と定められています。実際には、家賃の0.5~1ヶ月分が相場です。
賃貸契約をする仲介業者によって金額が異なるため、同じ物件でも業者を変えることで安く抑えられることがあります。初期費用を安く抑えるポイントとして覚えておきましょう。
4. 前家賃
前家賃は、入居する月の家賃を契約時に支払うことを指します。前家賃は、敷金・礼金と同様に、家賃の1ヶ月を支払うケースが多いです。
契約した日が月中で、家賃が発生する場合は、当月の日割り家賃と翌月分をまとめて支払います。例えば、3月初めに契約して月途中の15日に入居する場合、「3月の残り15日分+4月分」の家賃を契約時に支払うことになります。
社会人1年目のときには、前家賃が負担になって家計を圧迫するケースも多いです。入居日次第で支払う料金を抑えられるので、入居のスケジュールについて早めに不動産仲介会社に相談しておきましょう。
5. 火災保険料
火災保険料は、有事の事態に備えて加入する保険です。火災や水漏れなどで物件や家財に被害が生じたときに、費用を保障してもらえます。
ひとり暮らしの場合は1.5万円、2人暮らし以上のファミリー向けだと2万円が相場です。加入が契約条件になっているケースが多く、加入しないという選択肢はほぼありません。
ただし、物件によっては保険会社を自分で決められることもあります。費用を押さえたい方は、安い保険会社を探すのがおすすめです。
6. 管理費・共益費
家賃と同様に、月々かかる管理費や共益費は、入居月分を初期費用として支払うことが多いです。
共益費・管理費の金額は基本的に大家さんが決めており、相場は家賃の5~10%ほど。平成30年に行われた「住宅・土地統計調査」によると、管理費・共益費の平均額はそれぞれ4,000円程度です。なお、家賃の高い物件やグレードの高い物件では、高額に設定される傾向があります。
家賃と同様、初期にかかる費用なので、確実に払えるように用意しておきましょう。
7. 引っ越し費用
転居する際の引っ越し自体にも費用がかかります。引っ越し費用は、時期や物量、輸送距離によって値段は大きく異なります。
引っ越しする人が多くなる2〜3月や9月は、値段が高くなるので注意が必要です。業者によっても値段は異なるため、合い見積もりを取って慎重に選択しましょう。
8. その他
契約する物件や仲介業者によって異なりますが、以下の費用が必要になるケースもあります。
- 鍵交換費消臭
- 室内消毒費
- 保証料
それぞれにかかる費用は1〜3万円程度ですが、すべて合わせると家賃1か月分に相当することもあります。
また、賃貸の契約時に必要な費用以外に、新しい家具などの購入費も考慮しなければいけません。確実にかかる費用よりも多めに見積もって準備しておくのが重要です。初期費用に加えて、5~10万円程度は余分に準備しておきましょう。
引っ越しにかかる初期費用をシュミレーション
引っ越しにかかる初期費用は、契約する物件の家賃によって異なります。総務省が公表した統計結果や全国賃貸管理ビジネス協会が公表している家賃相場から、一人暮らしと二人以上でかかる費用の平均は以下の通りです。
- 一人暮らし(ワンルーム):7万円
- 二人暮らし(1LDK~2LDK):11万円
上記の家賃をもとに、引っ越しにかかる費用をシュミレーションすると以下のようになります。
項目 |
一人暮らし (ワンルーム) |
二人以上 (2部屋以上) |
敷金 |
7万円 |
11万円 |
礼金 |
7万円 |
11万円 |
仲介手数料 |
7万円 |
11万円 |
前家賃 |
7万円 |
11万円 |
火災保険料 |
1万2,000円 |
2万円 |
管理費・共益費 |
7,000円 |
1万1,000円 |
引っ越し費用 |
6万円 |
12万円 |
その他 |
5万円 |
6万円 |
合計 |
41万2,000円 |
65万1,000円 |
賃貸契約時の初期費用として必要になってくるのが、一人暮らしで約41万円、二人暮らしで約65万円です。
引っ越し自体の費用相場は、関東運輸局が公表している平均だと一人暮らしで6万円、二人以上世帯で12万円。
時期や物量によって金額が10万円近く変わることもあるので、依頼する業者は慎重に選ぶことが大切です。
引っ越しにかかる初期費用を安く抑える方法6選
引っ越しにかかる初期費用を抑える方法として、以下の6つが挙げられます。
- 敷金・礼金が0円の物件を選ぶ
- 仲介業者や大家さんに交渉する
- 仲介手数料の安い物件・業者を選ぶ
- フリーレント物件を選ぶ
- 連帯保証人のみで審査できる物件を選ぶ
- 引っ越し作業にかかる費用を抑える
順番に解説していきます。
1. 敷金・礼金が0円の物件を選ぶ
引っ越しにかかる初期費用を抑えるには、敷金と礼金が0円の物件を探すのがおすすめです。敷金と礼金がかからない物件を契約すると、家賃1〜2ヶ月分が節約できます。
敷金や礼金のかからない物件は、築年数の古いものや駅から離れたところに多いです。
「住む場所の条件を少し妥協してもいい」という場合は、敷金・礼金0の物件から探してみましょう。
ただし敷金は、部屋をきれいに使って、家賃の滞納や違約金などを支払う状況でない限りは、大半が戻ってきます。
当然ですが、敷金ありの物件のほうが多いため、「大半が返ってくるなら支払ってもいい」という方は、敷金あり・礼金0の物件も探してみてください。
2. 仲介業者や大家さんに交渉する
仲介業者や大家さんと交渉をすると、初期費用を削減できる可能性があります。条件次第では、初期費用を1~2万円程削減可能です。主に交渉できる項目は以下の通り。
- 礼金
- 敷金
- 前家賃(日割り家賃)
大家さんは基本的には「早く人を入居させたい」と考えているため、時期や入居の条件によっては、減額してもらえる可能性があります。ただし、人気のある物件ではほとんど交渉の余地がない点は要注意。マナーを守って、常識の範囲内で交渉するのが重要です。
3. 仲介手数料の安い物件・業者を選ぶ
仲介手数料も安くできる初期費用のひとつです。仲介手数料の金額は、契約する物件や仲介業者によって異なります。
仲介業者の選択次第で、支払う費用を1ヶ月分から最大0円にできる可能性もあります。費用を抑えたい場合は、対面の店舗以外にオンラインで完結できる仲介業者も検討しましょう。特にオンラインで完結できる業者は、手数料が安い傾向があります。
仲介手数料を削減できると、3〜5万円ほど初期費用を節約可能です。ひとつの仲介業者で絞らず、相見積もりを取るようにしましょう。
4. フリーレント物件を選ぶ
初期費用を抑えたいなら、フリーレントの物件を探すのもおすすめです。フリーレントとは、入居後の一定期間、家賃が発生しない物件のこと。入居から数ヶ月間は家賃がかからないため、初期費用をかなり節約できます。
特に、大学卒業後で社会人1年目のときは、初任給が入るまで貯金が少ないケースが多いです。フリーレント物件なら引っ越しの初期費用を10万円以上抑えられる可能性があるので、確認してみてください。
5. 連帯保証人のみで審査できる物件を選ぶ
連帯保証人のみで審査できる物件を選ぶと、保証料を節約できる可能性があります。
家賃の保証会社との契約が条件になっている物件では、家賃の0.5~1ヶ月相当を初期費用として支払わなくてはなりません。
一方で親や兄弟など、連帯保証人を立てるだけで審査に応じてもらえる物件であれば、保証会社に支払う費用が削減できます。
保証会社との契約が不要な物件は少ないですが、費用を抑えたい場合は、一度探してみることがおすすめです。
6. 引っ越し作業にかかる費用を抑える
賃貸契約にかかる費用自体を削減できない場合は、引っ越し作業などで節約をしましょう。国土交通省の資料によると、引っ越しにかかる費用は単身者で5~10万円、ファミリーだと10~20万円が相場です。
引っ越しの時期をずらしたり、輸送してもらう荷物の量を減らしたりすると、数万円の費用を削減できます。
また、そこまで物量がない場合は、知り合いに手伝ってもらって、自分たちで運ぶのもおすすめです。
物件の条件で妥協できないときは、賃貸契約以外にかかる費用を見直してみましょう。
引っ越しの初期費用が払えないときの対処法3選
学生から社会人になるときなど、新生活が始まるタイミングでは金銭的な余裕が少ない方も多いです。
「お金がなくて初期費用が払えそうにない」という場合は、以下の3つの方法を検討してみてください。
- 分割払いやローンを利用する
- 引っ越し先の物件を見直す
- 自治体の助成金を申請する
順番に解説します。
1. 分割払いやローンを利用する
引っ越しの初期費用が払えないときは、分割払いできる不動産会社を利用すると、一時的な対処が可能です。主に、クレジットカードで支払いができる場合、分割での支払いに対応してもらえることがあります。
また、融資目的が限定されていない銀行のフリーローン(多目的ローン)を利用するのも対処法のひとつ。クレジットカードの分割やローン払いと比較して、低い金利でお金を借りられます。
いずれにせよ、分割払いやローンを利用すると手数料や利息が生じて、本来支払う金額よりも高くなる可能性がある点は要注意です。
2. 引っ越し先の物件を見直す
初期費用が支払えないときや、分割・ローンが使えない場合は、残念ながら引っ越し先の物件を見直す必要があります。初期費用は家賃に応じて高くなるため、一時的に対処ができても、引っ越した後に支払いが困難になる可能性が高いです。
家賃の安い物件や、家具付きで引っ越し費用を抑えられる物件などを検討しましょう。
3. 自治体の助成金を申請する
引っ越しするときの初期費用に、助成金が出る自治体があります。子育て世帯や新婚世帯を助成金の対象としている自治体が多く、条件を満たしていれば初期費用の軽減が可能です。
例えば、福岡県福岡市は令和5年に引っ越しを行う子育て世帯に対して、最大15万円の初期費用に対する助成を行っています。自分が住んでいる自治体の助成対象になっていないか、確認してみましょう。
まとめ:引っ越しの初期費用は家賃の5~6ヶ月分!相場を知って資金を準備しよう
引っ越しにかかる初期費用は家賃の5~6ヶ月分です。敷金や礼金など、さまざまな費用がかかります。
初期費用の金額や家賃や物件ごとの条件によって増減します。費用を抑えたいときは、敷金・礼金のかからない物件を選んだり、引っ越しの時期をずらしたりするのが重要です。
初期費用が払えないときは、引っ越し先を見直したり、ほかの手段を検討しましょう。引っ越しにかかる初期費用は安くないので、余裕を持って準備するのが大切です。
引っ越しは費用面以外に、水道やガスのようなライフラインの解約・契約など、さまざまな手間が負担になります。少しでも負担を抑えたい方には、こちらのまるっと!一括引越し窓口がおすすめです。引っ越しにかかるライフラインの手続きを代行してもらえるため、忙しい時期に契約関連で時間がなくなる事態を避けられます。