母子手帳の引っ越し手続きは必要ない?妊婦の引っ越し手続きは?
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妊娠中に引っ越しすることになり、「母子手帳の切り替えが必要なのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、母子手帳の「変更手続き」や「切り替え手続き」は必要ありません。日本全国どこへ引っ越ししても、引き続き同じ母子手帳を使います。
ただ母子手帳と一緒に発行された「妊婦健康診査の補助券(受診票)」などについては、引っ越し先の自治体で「交換手続き」が必要です。
また引っ越し前後で通院する産婦人科が変わる場合は、元の病院に紹介状を書いてもらうなどの転院手続きも必要となります。
この記事では「母子手帳の引っ越し手続きの有無」「妊娠中・出産後の引っ越しで必要となる手続き」について紹介します。
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母子手帳は引っ越し手続き不要
引っ越しにともなう母子手帳の変更手続きは必要ありません。母子手帳の「住所欄」を自分で書き換えるだけで大丈夫です。
母子手帳は赤ちゃん1人につき1冊が発行され、「妊娠経過」「予防接種」などの記録を残していくものなので、引っ越ししても同じものを使い続けるからですね。
表紙に自治体名が記載されている場合でも、母子手帳の変更は不要ですよ。
反対に「引っ越し先の自治体の母子手帳のほうが可愛いから交換したい」という場合も、交換できません。
母子手帳の内容はどの自治体でも変わらない
母子手帳のデザインは自治体によって異なりますが、中身はほぼ全国共通となっています。
具体的には、母子手帳のうち以下のようなページは「省令様式」と呼ばれ全国共通です。
- 妊婦自身の記録
- 妊娠中の経過
- 出産の状態
- 乳幼児期の健康診査の記録
- 乳幼児身体発育曲線
- 予防接種の記録など
一方「妊娠期の栄養」「育児やしつけで気をつけたいこと」など、妊娠・子育て中の注意点や参考情報については、任意様式と呼ばれ、各自治体で記載内容が違います。ただ自治体が自由に記載できる部分についても、作成例は厚生労働省から示されています。
妊婦健康診査の補助券などは交換手続きが必要
母子手帳の変更手続きは不要ですが、母子手帳と一緒に発行された「妊婦健康診査の補助券(受診票)」などについては、引っ越し先自治体での交換手続きが必要です。
詳しい手続き方法について、次の章で紹介します。
妊婦さんの引っ越しで必要な手続き
妊娠中に自治体をまたいで引っ越しする場合、以下のような手続きが必要となります。
- 妊婦健康診査の補助券などの交換手続き
- 保健師との面談(自治体による)
- 産院の転院手続き(産院が変わる場合)
それぞれについて説明します。
「妊婦健康診査の補助券」などは交換手続きが必要
妊娠時に母子手帳と一緒に交付された「妊婦健康診査の補助券(受診票)」などは、引っ越しにあたり交換手続きが必要です。
妊婦健診の補助券(受診票)とは「妊婦健診の費用が補助されるチケット」のこと。
妊婦健診は保険が効かない自由診療ですので、本来その費用は高額になります。しかし自治体からもらえる補助券があるおかげで、妊婦さんの自己負担を抑えられる仕組みになっています。
他に「妊産婦歯科健診」「産婦健診」「乳児健診」などについても、自治体から補助券が発行されます。これらの補助券も交換が必要です。
なぜ補助券の交換手続きが必要なの?
補助の金額・内容は自治体ごとに違うため、市外に引っ越しすると前の補助券は使えなくなります。そのため引っ越し先の自治体の補助券に交換する手続きが必要です。
引っ越し前の自治体より補助が手薄になるケースもあれば、その逆もあります。
市内での転居であれば、補助券の交換は必要ありません。
また隣接する自治体であれば、補助券がそのまま使えるケースもあります。東京都内での市区をまたぐ引っ越しだと、補助券は交換せずそのまま使える自治体も多いようです。詳しくは市役所・区役所に確認してください。
交換手続きが必要な補助券の種類は?
自治体により異なりますが、引っ越しにあたり交換手続きが必要な補助券(受診票)は以下のとおりです。
- 妊婦健康診査受診票
- 妊婦超音波検査受診票
- 妊婦子宮頸がん検診受診票
- 妊婦歯科健康診査受診票
- 産婦健康診査受診票
- 乳児健康診査受診票
- 新生児聴覚検査受診票
自治体から交付されたすべての「妊娠・出産・乳児に関する受診票」がひとつの綴りになっていたり、支給されたバッグにまとまって入っていることが多いです。
交換手続き方法・手続き場所は?
補助券の交換手続きは、引っ越し先自治体への転入手続きのあとに行います。転入手続きと同日に手続きできるとスムーズですね。
引っ越し先自治体の窓口に、以下のものを持参して手続きしましょう。
- 母子手帳
- 印鑑
- 未使用分の補助券
- 本人確認書類
補助券の残り枚数に応じて、新しい補助券がもらえます。ただ補助内容が自治体により異なるため、必ずしも同じ枚数がもらえるわけではありません。
また交換手続きの必要書類は自治体により多少異なりますので、役所に出向く前に公式サイトや電話で確認しておきましょう。
なお「転入手続きは市役所で行うが、補助券の交換は保健センターで行う」という自治体もあります。補助券の交換手続きを行う場所についても確認しておいてください。
妊婦さんの転入では面談が必要になることも
妊婦さんの転入にあたっては、補助券の交換だけではなく「自治体保健師との面談」が必要になる自治体もあります。
自治体で行っている子育て支援制度の説明や、妊娠・出産に関する不安や悩みについての相談を行うためです。
面談には予約が必要なこともあるので、事前に引っ越し先の自治体に確認しておきましょう。
産院の転院手続きは早めに
引っ越しによって産婦人科を転院する場合、転院の手続きが必要です。
まずは転院先となる産婦人科に、分娩予約が取れるか早めに確認しておきましょう。「分娩予約がとれる期限は、妊娠何週まで」と制限している産院も多いからです。
また「人気の産院」「産婦人科が少ない地域」などですと、分娩予約がとりにくい可能性が高いです。早めに予約しておきましょう。
分娩予約がとれたら、今通っている産婦人科に紹介状を書いてもらいます。妊娠経過などを新しい病院に申し送り、転院先でもスムーズに受診できるようにするためです。
里帰り出産で知っておきたい手続き
里帰り出産などで「現住所とは別の都道府県にある産院で健診を受け、分娩予定」という方もいるでしょう。
里帰り出産する場合に知っておきたい手続きについて紹介します。
里帰り出産では健康診査費用の助成制度を利用する
里帰り出産では一時的に実家に戻っているだけで、住民票を移して引っ越すわけではありません。そのため補助券の交換手続きは不要です。
ただ現住所と産院の都道府県が違う場合、原則として妊婦健診の補助券が利用できません。補助券は住んでいる地域内(都道府県内)にある医療機関での受診を前提としているためです。
そのため里帰り期間中の健診費用は、一旦自己負担しなくてはいけません。ちなみに妊婦健診を全額自己負担すると平均的に10~15万円程度はかかります。多胎妊娠やハイリスク妊娠で受診回数が増える場合は、それだけ費用も増えます。
ただ自己負担した妊婦健診の費用については、後日住民票がある自治体の助成制度を利用して、払い戻しが受けられます。事後ではありますが、ちゃんと補助してもらえるということですね。
助成される金額には上限があり、払い戻しの対象にならない健診もあるなど、自己負担した費用の全額が戻ってくるわけではありません。ただ自己負担を軽くする効果は大きいので、忘れずに申請しましょう。
助成制度を使って費用の払い戻しを受ける方法
費用の払い戻し手続きは、住民票がある自治体の窓口で行います。「申請は1度にまとめて行う」としている自治体が多いですね。
申請に必要な書類は自治体によって変わるものの、一般的には以下のとおりです。
- 助成申請書・請求書
- 母子手帳
- 未使用の補助券(受診票)
- 産院の領収書・明細書
- 振込先口座がわかるもの
「申請の手順」「具体的な必要書類」「申請の期限」「補助される検査や金額の上限」「支払い方法」は自治体により異なります。
中には名古屋市などのように「県外の医療機関で健診を受ける場合には、事前に医療機関に提出する書類を入手しておく必要がある」という自治体も。
里帰り出産することが決まったら、自治体の公式サイトで制度について確認・相談しておきましょう。
県外の産院で補助券が利用できる場合もある
県外の産院で各種健診を受ける場合でも、住民票がある自治体で発行された補助券が利用できるケースもあります。
自治体と都道府県外の医療機関が、個別に契約を結んでいる場合があるからです。
自治体によっては契約先の医療機関一覧をWEBサイトで公開しています(大阪市、千葉県柏市、埼玉県熊谷市など)。
また里帰りして受診する予定の県外医療機関に対して「委託契約依頼を出し、補助券を使えるようにする」という事務を行ってくれる自治体もあります。
補助券を使えたほうがのちのちの手続きが減ってラクですので、一度お住まいの自治体に確認・相談してみましょう。
出産後の引っ越しで必要な手続き
出産後の引っ越しでも、各種の手続きが必要となります。出産後の引っ越しで忘れずに行いたい、お子さまに関する手続きを紹介します。
乳児健診受診票の交換手続き
出産後、元の自治体で乳児健診を受けないうちに市外へ引っ越した場合は、乳児健診受診票の交換手続きを行います。
乳児健診は生後1ヶ月で受けるものと、生後6~10ヶ月ごろ受けるものがあり、どちらも乳児健診の受診票が必要です。
引っ越し先自治体での転入手続きを行った後に、市役所または保健センター等の窓口で受診票の交換手続きを行いましょう。
交換手続きの必要書類は自治体により異なりますが、一般的には以下のとおりです。
- 母子手帳
- 印鑑
- 未使用の乳児健診受診票
- 本人確認書類
具体的な必要書類や手続き場所については、引っ越し先自治体の公式サイトなどで確認してください。
なお乳児健診受診票は母子手帳と一緒に交付せず、生後しばらくしてから郵送する自治体もあります。この場合は、交換ではなく新たに発行してもらうことになります。
予防接種予診票の交換手続き
自治体をまたいだ引っ越しの場合、赤ちゃんの予防接種予診票の交換手続きも必要になります。
予防接種の予診票は、生後1ヶ月後くらいに自治体から郵送されてきます。もらった予診票を使って、生後約2ヶ月から小児科などで予防接種を受けるのですね。
ただ引っ越しすると前の自治体で発行された予診票は使えなくなるので、引っ越し先の自治体の予診票を入手します。
予診票の交換手続き方法は自治体により異なりますが、一般的に以下のような書類が必要なります。
- 交付申請書
- 母子手帳
- 未使用の予防接種予診票
手続きから予診票の発行(郵送)までに1週間~1ヶ月程度の時間がかかるケースもありますが、「保健センターでの手続きなら、その場で交換・発行できる」という自治体(東京都武蔵野市など)もあります。
子ども医療費助成制度の手続き
子ども医療費助成制度の手続きも必要となります。
子ども医療費助成制度とは、子どもの医療費を自治体が助成する制度のことです。交付された「こども医療費受給者証(医療証、資格者証などと呼ぶ自治体も)」を見せると、子どもの医療費の自己負担額が原則無料となる仕組みです。
子ども医療費助成制度は自治体により助成内容(対象となる年齢の上限、一部負担金の有無など)が異なります。
そのため引っ越しにあたっては「元の自体地での受給者証の返却手続き」と「引っ越し先自治体での受給者証の交付申請手続き」を行います。
返却手続きは転出手続きをしたら続けて行いましょう。市役所の担当課に受給者証と印鑑を持参して、受給者証を返却します。
ただ転出予定日前に転出手続きして受給者証を返却してしまうと、転出日までの間にお子さまが医療機関にかかることになったら困りますよね。後日郵送で返却できる自治体もありますので、窓口で相談してみてください。
次に引っ越し先自治体での転入手続きのあと、担当課に申請書などを持参して交付申請を行います。
交付申請時の必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。
- 子どもの健康保険証
- 印鑑
- 本人確認書類
- 課税所得証明書
マイナンバーカードがあれば、課税所得証明書が不要になる自治体もあります。引っ越し先の自治体で具体的な必要書類を確認しておいてください。
なお市内での引っ越しであれば、転居届を提出したあと、担当課で「受給者証の住所変更手続き」をするだけでOKです。新しい住所が記載された受給者証を受け取りましょう。
児童手当の手続き
児童手当を受け取っている場合、児童手当に関する手続きも必要となります。
児童手当は0歳から中学校卒業までの子どもをもつご家庭に支給される手当ですね。
市外への引っ越しにあたっては「元の自体地での児童手当受給自由消滅届の提出」と「引っ越し先自治体での児童手当認定請求書の提出」を行います。
「児童手当受給自由消滅届の提出」は転出手続きのあとに行いますが、転出手続きにより自動的に受給資格が消滅する自治体も。各自治体サイトなどで手続きが必要か確認しておくと、無駄な手間を防げます。
引っ越し先自治体での児童手当認定請求書の提出時に必要な書類は、自治体により異なりますが、一般的には以下のとおりです。
- 請求者の本人確認書類
- 課税所得証明書
- 請求者の健康保険証のコピー
- 印鑑
- 振込先口座がわかるもの
請求者と配偶者のマイナンバーカードがあれば、「本人確認書類」「健康保険証」「課税所得証明書」は不要となる自治体もあります。
なお市内での引っ越しであれば、市役所に転居届を提出したあとで児童手当の担当課に「住所変更届」を提出するだけでOKです。
まとめ
妊娠中・出産後の引っ越しにあたり、母子手帳の変更手続きは不要です。母子手帳内の住所欄を自分で書き換えておきましょう。
ただ母子手帳と一緒に受け取った「妊婦健康診査の補助券(受診票)」などは、引っ越し先自治体で使える補助券に交換する必要があります。
転入手続きを終えた後、所定の窓口で交換手続きを行ってください。その際は母子手帳や未使用の補助券を持参します。
また出産後の引っ越しであれば「乳児健診の受診票」「予防接種の予診票」「子ども医療費助成受給者証」などの交換・交付手続きが必要となります。
妊娠中・出産直後のお母さんは、手続きのため役所の窓口に出向くのすら大変なこともあるでしょう。くれぐれもムリはせず、「手続きはできるだけ安定期に済ませる」「配偶者などに手続きをお願いする」などの工夫をしましょう。
また引っ越しには、妊娠の有無に関わらず行うべき手続きもたくさんあります。必要な手続きは以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考になさってください。
「体調も心配だし、できるだけ手間や負担を減らしたいな」ということなら、「荷造りや荷解きは代行をお願いする」といった方法があります。
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