IPFAXとは？仕組みとメリットや導入する手順を徹底解説

会社でFAXが必要なときに、従来のFAXではなく「IPFAX」の導入を検討している担当者の方は多いのではないでしょうか。

IPFAXは、インターネット回線を利用したFAXシステムです。従来のFAXとは異なり、電話回線を使わないため、通信費を抑えながら効率的に利用できます。

本記事では、IPFAXの仕組みや従来のFAXとの違い、導入のメリットやデメリットについて解説し、導入手順も詳しく紹介します。オフィスのペーパーレス化や業務効率化を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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IPFAXとは？仕組みをわかりやすく解説

IPFAXは、インターネット回線を使ってFAXの送受信を行うシステムです。IPは「Internet Protocol（インターネットプロトコル）」の略で、データをインターネット上でやり取りするための通信規格を意味します。

従来のFAXが電話回線を使うのに対して、IPFAXはIPアドレスを使ってデータ通信を行うのが特徴です。デジタル通信を活用することで、従来型FAXに比べて大幅なコスト削減が可能になり、送信速度も格段に向上します。

さらに、IPFAXでは送受信したデータをクラウド上に保存できるため、どこからでもアクセスが可能です。この仕組みにより、業務の効率化やペーパーレス化を実現し、現代のビジネスニーズに適した柔軟な運用が可能になります。

IPFAXと従来のFAXの違いとは？

IPFAXと従来のFAXの違いは以下のとおりです。

	IPFAX	従来のFAX
通信回線	IP回線（インターネット回線）	電話回線
FAX機（複合機） の必要性	不要	必要
出力媒体	データ（PDF）	紙

従来のFAXはアナログ電話回線を介して通信を行い、通話料が発生するため、通信費がかさむことが多いです。一方、IPFAXはインターネット上のIPアドレスを使ってデジタルデータを送受信します。そのため、通話料が抑えられ、通信コストの削減が期待できます。

さらに、IPFAXはFAX機能を持った複合機を設置しなくても利用できるため、オフィス以外の場所からでもパソコンやスマートフォンを使って送受信できます。また、FAXデータをデジタル形式で管理できるため、紙の書類を保存する必要がなくなるのも、IPFAXの特徴です。

IPFAX以外のFAXの種類

FAXにはIPFAX以外にもさまざまな種類があり、利用する環境や目的によって選択肢が異なります。以下に、他の代表的なFAXの種類を紹介します。

	IPFAX	G3FAX （従来のFAX）	PCFAX	インターネット FAX
G3ファクス対応機との送受信	〇 （VoIPゲートウェイ経由）	〇	〇	✕
通信コスト	ネットワーク使用料のみ	距離／時間に応じた従量課金	距離／時間に応じた従量課金	ネットワーク使用料のみ
メールサーバー	不要	不要	不要	必要
宛先の形式	FAX番号など	FAX番号	FAX番号	メールアドレス

それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。

G3FAX

G3FAXは、電話回線を使用するアナログ方式のFAXです。従来型のFAX機のほとんどがこの方式を採用しており、国内外で広く普及しています。通信速度は遅く、1ページの送信に約10〜20秒程度かかります。

G3方式のメリットは、普及率が高く、ほぼすべてのFAX機が対応している点です。しかし、アナログ回線を使用するため、通信費がかかり、長時間の通信ではコストがかさむデメリットがあります。

PCFAX

PCFAXは、パソコンを使ってFAXを送受信できるシステムです。専用ソフトウェアをインストールすることで、パソコンからFAXを送ることができ、紙を使わずに管理できます。これにより、パソコン上で作成した文書をそのまま送信でき、紙の節約と業務効率化に役立つ点が魅力です。

一方で、PCFAXも基本的に電話回線を使って通信を行うため、FAX機能を持つ複合機の設置が必要です。また、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換してインターネットに接続するために、専用モデムが必要となる場合があります。この環境設定の手間が、PCFAXの導入時のデメリットとして挙げられます。

インターネットFAX

インターネットFAXは、インターネットを使ってFAXを送受信するサービスです。IPFAXと似ていますが、インターネットFAXは専用のサーバーを介してFAXのやり取りをします。

このサービスを利用することで、、FAX機を設置せずに、パソコンやスマートフォンから簡単に送受信ができます。また、クラウド上でデータを管理する仕組みのため、ペーパーレス化が進み、バックアップも容易です。

インターネットFAXは、紙や機器の維持管理が不要で、コスト削減と業務効率化に貢献します。一方で、相手側のFAX機が対応していない場合、送信できない可能性があるため、利用前に確認が必要です。

インターネットFAXについて知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

IPFAXを導入するメリット

IPFAXを導入するメリットは、以下の3つです。

• 通信費が安い
• 通信速度が早い
• 高画質印刷が可能

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

通信費が安い

IPFAXはインターネット回線を利用してFAXを送受信するため、従来の電話回線に比べて通信費を大幅に削減できます。

特に、長距離や国際FAXの送信が多い企業にとっては、コスト削減の効果が顕著です。例えば、1回の国際FAXに500円かかり、月20回送信する場合、年間通信費は約12万円になります。これをIPFAXに切り替えることで、通信費がほぼゼロになるケースもあります。
さらに、FAX専用の電話回線を廃止したり、回線数を削減できるため、固定費の最適化にもつながります。これにより、全体的な経費を効率化することが可能です。

通信速度が早い

IPFAXはデジタルデータとしてFAXを送受信するため、従来のアナログFAXに比べて通信速度が格段に向上します。電話回線に依存するアナログFAXでは、特に複数ページや高解像度の書類の送信に時間がかかり、業務の進行を妨げることが少なくありません。

一方、IPFAXではデジタルデータとして一括送信が可能なため、複数ページの書類や大容量の画像データも短時間でやり取りできます。これにより、FAX送信時の待ち時間を大幅に短縮でき、業務全体のスピードアップに寄与します。

高画質印刷が可能

IPFAXはデジタルデータをそのまま送受信するため、従来のアナログFAXに比べて高画質での印刷が可能です。

従来のアナログFAXでは、電話回線を通じてデータをアナログ信号に変換して送るため、細かい文字や図面が不鮮明になるケースも少なくありませんでした。しかし、IPFAXは画質が劣化しないため、契約書や図面などの正確さが求められる書類の送受信にも適しています。

さらに、デジタルデータとして保存できるため、再印刷する場合にも画質が劣化しません。これにより、長期間鮮明な状態を維持できるだけでなく、重要書類の保存や再利用も容易になります。

IPFAXを導入するデメリット

IPFAXにはさまざまなメリットがある反面、一定のデメリットも存在します。具体的には、以下の2点です。

• IPFAX対応機種の購入が必要
• インターネットの環境が必須

順番に見ていきましょう。

IPFAX対応機種の購入が必要

IPFAXを利用するには、対応する機器の導入が必要です。現在使用しているFAX機がIPFAXに対応していない場合、新たに専用機種を購入しなければなりません。特に、ビジネス向けの高機能なIPFAX対応機器は価格が高いことが多く、初期費用が課題になるケースがあります。

さらに、IPFAXはインターネット回線を利用するため、ネット回線の準備も必要です。新たに回線を引く場合、工事費やルーターの購入費などの追加コストが発生する点に注意しましょう。

インターネットの環境が必須

IPFAXはインターネット回線を利用してFAXを送受信するため、安定した通信環境が不可欠です。通信速度が不安定な環境や回線が遅い場合、FAXの送受信がスムーズに行えず、業務に支障をきたす可能性があります。

特にオフィス全体でIPFAXを利用する場合、通信の帯域幅を十分に確保することが重要です。

また、インターネットの障害や停電が発生するとFAXが利用できなくなるリスクもあります。そのため、バックアップ回線の確保や、重要な書類の送受信には別の通信手段も併用するなどの対策を考えておきましょう。

ここまでで説明したように、IPFAXを導入するにはインターネット回線が必要です。迅速な対応をご希望の方は、以下のリンクからお気軽にご相談ください。インターネット回線の導入に必要な回線工事を、最短日程で予約してもらえる窓口になっています。

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IPFAXを導入する手順3STEP

IPFAXは、以下の3つの手順で導入を進めていきます。

• 電話回線を契約する
• IPFAXの機器を選ぶ
• オフィスに設置する

FAX複合機の導入についてもっと知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

1.電話回線を契約する

まずは、IPFAXに対応した光電話回線の契約を行います。契約時には、光電話回線の提供事業者やプランを選びます。

多くの光電話サービスがIPFAXに対応しているため、以下の点を確認しておきましょう。

• 対応プロバイダーかどうか
• 回線速度の安定性
• サービスの信頼性

すでに光電話回線を導入済みの場合、その回線をIPFAX用に利用できるかプロバイダーに確認してください。

2.IPFAXの機器を選ぶ

次に、IPFAX対応の機器やソフトウェアを選びます。導入方法としては以下の選択肢があります。

• 購入
• レンタル
• リース

自社の予算や業務内容に合わせて、適切な方法を選びましょう。機器の選定にあたり、重要なポイントは以下のとおりです。

• 送受信頻度が高い場合：耐久性が高く、大量のFAXを処理できる業務用モデルがおすすめ
• 利用頻度が低い場合：シンプルでコストパフォーマンスに優れたモデルが最適

また、IPFAXゲートウェイや対応ルーターなどの追加機器が必要になる場合もあります。事前に必要なものを確認し、企業規模や用途に適した選択を行いましょう。

3.オフィスに設置する

最後のステップは、選定したIPFAXの機器やシステムをオフィスに設置することです。設置場所は、ネットワーク接続が安定し、使用頻度が高いエリアが理想的です。

設置後は、以下の作業を行ってから運用を開始してください。

• 初期設定：ネットワーク接続やIPFAXの動作確認
• 試運転：実際にFAXの送受信をテスト
• 従業員への説明：操作方法やトラブル時の対応を周知

さらに、操作マニュアルやトラブルシューティングガイドを準備しておくと安心です。また、導入後のトラブルに備えて、サポート窓口の連絡先を共有しておきましょう。

IPFAXは通信費がかからないというメリットがありますが、その分デメリットもあります。社内でFAX導入を検討している場合は、まず下記のリンクからお気軽にご相談ください。

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