ただマンションにインターネットを一括導入する際には「どのサービスを選べばいいのかわからない」「新築ではなくすでに入居者がいるため、全戸一括では工事しにくい」といったお悩みや、「初期費用やランニングコストはどれくらいかかるのか」といった疑問もありますよね。
また選ぶインターネット回線・サービスによっては「ネットが遅い」「通信が途切れる」など、マンション入居者からのクレームにつながることがあり、よかれと思って導入したサービスが、逆に入居者の満足度を下げてしまうことも。
そこで今回はマンション一括型インターネットにかかる費用、導入までの流れ、新築・既存物件別への一括インターネット導入がスムーズにできるオススメの方法について紹介します。
オーナー向けマンション一括型インターネットとは
マンションのインターネット設備には2つの種類があります。
- 入居者が個別で契約するインターネット
- オーナーや管理会社が一括で契約するインターネット
マンションオーナーや管理会社が一括で光回線などのインターネットを契約して整備し、入居者が入居後すぐに利用できるのが「マンション一括インターネット(全戸一括型マンションインターネット)」です。入居者に無料でインターネットを提供している物件が多いです。
マンション一括インターネットとは
マンション一括インターネットでは、多くの場合光回線をマンション内の共用スペース(主にMDF室)へ引き込み、そこから全戸に配線またはWi-Fiをつかってとばします。ひとつの回線を、居住者たちが共有して利用するスタイルです。
なおコストは高くなりますが、回線をシェアせず全戸に専有の光回線を導入する方法もあります。
またほとんどのインターネット導入済みマンションでは、インターネット利用料金をマンションオーナーが負担することで、居住者・入居者は無料でインターネット通信を利用できます。
マンション一括インターネットでは、マンションISPと呼ばれる会社と契約します。
ISPは「インターネットサービスプロバイダー」の略で、「インターネット回線の整備」と「ネット回線をつかって、インターネットにアクセスするための取り次ぎ」を担う業者です。
マンションのインターネット無料設備は入居者人気1位
全国賃貸住宅新聞が毎年行っている【入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編】では、インターネット無料設備がダントツの人気です。
「単身者向け」では9年連続1位、「ファミリー向け」では8年連続1位で、長期に渡り高い人気が続いていることがわかります。
一人暮らし | ファミリー | |
1位 | ネット無料 | ネット無料 |
2位 | オートロック | 追い炊き |
3位 | 高速インターネット | オートロック |
4位 | 宅配ボックス | 高速インターネット |
5位 | 浴室換気乾燥 | システムキッチン |
参照:ネット無料、首位独走【入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編】
さらに、物件の大家さんと入居希望者を直接マッチングするプラットフォーム「ウチコミ!タイムズ」が公表した「大家さん、入居希望者に聞いた!2021年人気設備ランキング」でも「インターネット無料」が2年連続1位でした。
参照:大家さん、入居希望者に聞いた! 2021年人気設備ランキング
なお、どちらのランキングも「どの設備があれば、周辺相場より家賃が高くても契約や入居を検討するのか」を探ることを目的の一つにして調査を行なっています。
このことから、入居者にとってアパートやマンションを探すうえで、インターネット完備はただ単に人気のある設備ではなく、入居・契約を決めるうえで必須条件になりつつあることは間違いありません。
反対に、このままインターネット無料の設備を未導入なままでいると、地域のライバル物件に負けてしまうことが考えられます。
現在自身が保有しているアパートやマンション物件にインターネットを無料で提供する設備や回線を導入していない大家さんは、周辺賃貸物件も調査して出来るだけ早く導入を検討して下さい。
マンション一括インターネットの導入手順
マンション一括インターネットのおおまかな導入手順は以下のとおりです。
現地調査で確認した物件の状態(配管の状況など)をもとに工事内容と費用が決まるので、OKなら工事を実施します。
- 現地調査(業者が物件の状態を確認)
- 必要な設備や工事を確認
- 費用を確認
- 工事実施、利用開始
オーナーが全戸にインターネットを導入するメリット
マンション一括インターネットはオーナーが契約し、月額利用料金もオーナーが負担します。
負担があるにも関わらず全戸一括インターネットを導入するマンションオーナーが増えているのは、入居者からのニーズが高く、物件価値の向上や入居率アップにつながるから。
マンション全戸一括インターネットを契約する主なメリットを2つ紹介します。
物件価値の向上
物件価値を保つための修繕や設備投資としては、「キッチン・トイレ・洗面台・お風呂など水回りのリフォーム」「外壁塗装」「壁紙張り替えなどの内装変更」などがよく挙げられます。
しかしこれらには多額の費用がかかるうえ、外壁や内装のデザインは残念ながらすぐに「流行遅れ」になってしまうことも。
しかしマンション一括インターネット導入なら、リフォームよりも安価で実施でき、流行にも左右されにくいのがメリット。
通信環境の整備は「物件価値を向上させるための効率よい設備投資」といえます。
入居率アップによる利回り改善
全国賃貸住宅新聞の「入居者に人気の設備ランキング(2019)」では、単身者向け・ファミリー向けともに「インターネット無料」が1位を獲得。
在宅勤務でインターネットを使う人も多い現在ですから、「自分でインターネットを契約する手間がなく、入居後すぐにネット利用でき、しかも無料」のマンションは多くの人にとって魅力的です。
SUUMOなどの賃貸ポータルサイトでも「インターネット無料」という選択ボタンがあるため、部屋探し中の人の目に触れるチャンスも増えます。
検討してもらうチャンスが増え、結果として入居者が増えれば、マンションの利回りも改善します。
費用相場は導入環境によって異なるので見積り依頼してみよう
マンション一括インターネットを導入する際にかかる費用は、物件の築年数、世帯数、所在地エリアやどのような施工をするかによって異なります。
インターネット導入施工の種類
施工の種類には、以下のようなものがあります。
新築物件、既存物件それぞれに適した方式が違いますので、参考にしてください。
施工タイプ | 特徴 |
Wi-Fiルーターの設置 | 各居室内に専用のWi-Fiルーターを設置するのみ。新築・既存どちらの物件にも導入可能。 |
Wi-Fiルーターを埋込 | 居室内の壁面プレートに埋め込むため、スマートな見た目が特徴。新築物件への導入に適している。 |
外壁型Wi-Fiの設置 | 建物の外壁などにWi-Fiをとりつけるため、屋内工事が不要。既存物件や木造物件に適している。 |
導入費用例
費用は条件によって異なり、依頼する業者によっても変わってきます。リーズナブルな業者だと、以下のような例があります。
新規契約だけではなく、既存サービスからの乗り換え例についても載せておきますね。
エリア・条件など | 費用など |
札幌市/22世帯/築年数22年/4階建RC造マンション Wi-Fiルーターの設置 |
Wi-Fiと有線接続が行えるプラン。集合ポスト交換工事と宅配ボックス設置工事込で100万円以下 |
上尾市/9世帯/築年数8年/3階建鉄骨造マンション Wi-Fiルーターの設置 |
既存設備を利用してWi-Fi利用可能なプランに変更。月額利用料金を20%以上削減 |
ただこれは例であり、それぞれのマンション用の見積もりをとってみないことには、正確な導入コストやランニングコストはわかりません。
「まずは見積もりを見てみたい」という方向けに、リーズナブルな価格でマンション一括インターネットが導入できるページを紹介しますので、問い合わせしてはいかがでしょうか。
実際の物件への導入例も紹介されていますので、参考になるはずです。
マンション一括型ネットサービスの選び方
マンション一括インターネットは、依頼先の業者選びが重要です。
費用が高すぎて長期的に赤字になっては意味がないですし、安いサービスプランだと通信速度が遅くなり入居者からクレームを受ける可能性も。
また新築物件の場合は「ネット以外の設備も同時導入できれば便利」と考えるオーナー様も多いのでは?
一方、既存物件の場合には「入居済みの部屋の工事はどうしたらいい?」というお悩みもよく聞きます。
新築物件・既存物件別に一括インターネット選びのポイントを紹介します。
新築:インターネット設備以外も併せて導入できるか
新築マンションの場合、インターネット以外にも導入したい設備があるオーナー様は多いのではないでしょうか。
例えば防犯カメラ、オートロック、鍵交換の必要がないドアロック、集合ポストなどです。
また通販で買い物する人が増えた最近では、不在でも荷物を受け取れる「宅配ボックス」のニーズも高まっています。宅配ボックスも「比較的安価な投資で、物件価値が高まる」とマンション・アパートオーナー様に人気ですね。
業者によっては、インターネット導入のオプションプランとしてこれら設備の導入をまとめて行えるところもあります。
インターネット以外の設備も同時導入できれば手配が一回で済んでラクですし、コスト削減にもなります。
既存マンション:居室ごとに個別対応が可能か
既存物件にマンション一括インターネットを新たに導入したい場合「入居済みの部屋での工事ができない」と悩むオーナー様もいるでしょう。
多くのマンション一括インターネットでは、通常は一括工事のみしか対応していません。コストをおさえたいため、個別対応をしない業者が多いのです。
一括工事となると、どうしても「入居者との日程調整」が必要になります。しかし「仕事が忙しい」などの理由で日程調整が難しい入居者もいるため、オーナー・管理会社が困ってしまうこともしばしば。
「入居中の部屋については、後日工事を行う」という個別対応を希望する既存物件のオーナー様には、「まるっとIoTマンション」がおすすめ。
「まるっとIoTマンション」なら、入居中の部屋が空室になったタイミングで導入工事が可能なので、面倒な日程調整が不要。現時点(2021年6月)で、部屋ごとの個別対応が可能な唯一のマンション一括インターネットです。
後日別途工事をする場合でも、追加で工事費用が発生することはありません。
新築・既存共通:よくある入居者からのクレーム
マンション一括インターネットでよくある失敗を紹介します。サービス選びの参考にして下さい。
多くのマンション一括インターネットでは、ひとつの光回線を全戸でシェアします。
そのため通信速度が速い光回線であっても、とくに戸数が多いマンションなどで「入居者が一斉にネットをつかう」という状況になると、通信速度が遅くなります。
つまり「ネットが遅い」「オンラインゲームがサクサクできない」という状態に。これは「ネットのヘビーユーザー」「光回線に慣れている人」「仕事でネットを使う人」たちからすると、大きなストレスです。
この場合、マンション入居者からのクレームに繋がる可能性も。入居者によっては「マンションのネットが遅いから」と自腹で光回線を契約する人もおり、満足度が下がってしまいます。
このような事態を避けるために、導入するインターネットサービスの通信速度に注意を払いましょう。サービスをすすめてくる業者には「高速でインターネット可能ですか」「速度は安定していますか、遅くなりにくいですか」と確認してください。
たとえば夜間(ネット通信量の多くなる時間帯)でも通信速度が早い次世代通信規格「IPv6」でのサービス提供が可能なら、より安心です。
まとめ:オーナー向けマンション一括型インターネットの失敗しない選び方
マンション一括インターネットは、外壁塗装や室内リフォームに比べて安価に物件価値を高められる方法です。時代に左右されにくく、無料インターネット未導入の物件と差別化をはかれます。
マンション一括インターネットを導入する際には、まず見積もりをとり、収支のバランスを確認することが大切。導入したものの、工事費や月額利用料金が高くて毎月の収支が赤字になってしまっては意味がありません。
また新築か既存かによって適している施工方法が違うため、個々のマンションにあわせたプランを提案できる業者を選ぶことも重要です。
新築マンションであれば「Wi-Fiルーター埋込み型」の工事ができてネット以外のオプションも充実しているとか、既存マンションであれば入居中の部屋についてもスムーズに工事ができることなどです。
ただマンション一括インターネットは「全戸一括工事」を採用している業者がほとんどなので、既存物件だと居住中・入居中の部屋については居住者との日程調整が難しいことも。
既存物件へのネット導入をスムーズに進めたい場合は、各戸の個別対応ができる唯一のサービス「まるっとIoTマンション」がオススメ。
物件によりますが、各世帯最大速度1Gbpsと高速(理論値)の光回線を導入でき、IPv6でのサービス提供も可能なので、入居者が快適にネット通信を利用できるはず。
「まるっとIoTマンション」なら導入時に必要になる既存物件の管理会社、新築物件を担当する建築会社への連絡、入居者への案内や問い合わせ対応もしてくれるため「ネットや通信設備にはうとい」「よくわからないから、なんとなく導入を敬遠してきた」というマンション・アパートオーナーさまも安心して利用できるでしょう。
「マンション全戸へのインターネット導入を考え中」「導入したいけれど、面倒な気もする」という方は、以下のページからまずサービス導入実績やサポート内容を確認してみることをオススメします。