NTT東日本情報機器特約店とは、NTT東日本と契約を結び、情報機器を販売・工事・保守している事業者のことです。いわばNTTのビジネスパートナーですね。
中には株式会社大塚商会やレカム株式会社など、有名企業や上場企業もあります。
一方で特約店であるかのように装って、強引な勧誘をする悪質な業者も存在するので注意が必要です。
この記事では「NTT東日本の特約店とは何か」「何をしてくれる事業者なのか」や「代理店や販売委託店との違い」などについて解説します。
NTT東日本特約店とは?
この章では「NTT東日本の特約店とは何か」について、詳しく解説します。
NTT東日本の情報機器を扱う事業者
NTT東日本の特約店(NTT東日本情報機器特約店)とは、NTT東日本と「情報機器特約店契約」を締結し、主としてNTT東日本ブランドの情報機器を販売・工事・保守することを事業としている企業です。
情報機器とは「FAX」「複合機」「ビジネスホン」などを指します。
特約店はNTT東日本のビジネスパートナーとして位置づけられています。そのため、NTT東日本の社員と特約店の担当者が一緒に顧客のところに訪問するケースもあります。
なお以前は「NTT東日本販売店」と呼ばれていました。
NTT東日本とNTT西日本両方の特約店になっている事業者もいます。
NTT東日本特約店の一覧
NTT東日本特約店には多くの会社があります。2022年1月時点の一覧では、57社が確認できました。
全ては紹介できないので、ここでは一部だけ紹介します。
- 株式会社エフティグループ
- 株式会社大塚商会
- 株式会社協和エクシオ
- 株式会社ミライト
- 株式会社リコー
- GMOデジタルラボ株式会社
有名企業やそのグループ会社もNTT東日本の特約店として名を連ねていることがわかります。
なお特約店の一覧は「ひかりWEB NTT東日本代理店サイト」で確認できます。
悪質業者の見分け方
「NTT東日本の特約店」と聞くと、「信頼できる業者だ」という印象を持ちますよね。
その印象を悪用しようと、実際には特約店ではないのに特約店のふりをする業者もいます。
「NTTパートナーズです」など、存在しない肩書を名乗って、NTTと何らかの関係があるよう誤解させる業者もいるようです。
悪質業者に騙されないために、NTT東日本特約店の見分け方を知っておきましょう。
NTT東日本の特約店であれば、営業担当者は以下のようなルールに則って営業活動しています。
- 営業先に訪問目的を説明する
- 会社名を名乗り、名刺を渡す
- NTT東日本が発行した特約店証(証明書)を持っている
会社名を聞いてもごまかす場合には、特約店ではない可能性が高いと考えましょう。
なお特約店証の書式は、NTT東日本のWEBサイトで確認できます。
業者の営業に疑問を感じたら
強引な勧誘・しつこいセールスをする悪質な事業者は、以下のような営業トークをすることがあります。
- NTT東日本の依頼を受けて工事・点検をしています
- この地域全体で今までの電話機が使えなくなります
- 電話機を交換すればすぐに通話料が安くなります
- ひかり電話を導入するなら、必ず電話機を交換しなくてはいけません
しかしひかり電話を導入するにあたっては従来の電話機がそのまま使えることがほとんどです。つまり悪質業者の説明は虚偽であったり大げさであったりすることが多いのですね。
業者のセールス・勧誘の手法や説明内容に疑問を感じたら、NTT東日本に問い合わせができます。局番なしの116(受付時間は9:00~17:00)に問い合わせしましょう。
以下の情報があると、問い合わせがスムーズです。
- 営業に来た会社名
- 営業担当者名
- 相手先の電話番号
また「NTT東日本や特約店を騙る業者とすでに契約し、被害にあってしまった」という場合は、「消費生活センター」に相談できます。
特約店は怪しい事業者ではない
NTT東日本や特約店を騙る悪質な業者やしつこいセールスをする業者のせいで、「NTT東日本の特約店って大丈夫なの?」と、ネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれません。
「NTT関連の業者から、迷惑電話がかかってくる」といった口コミも見かけます。
しかし本来特約店は怪しい事業者ではなく、NTTの情報機器に精通し、技術力もある事業者です。
上手に利用すれば業務効率化や経費削減の心強い味方になってくれます。
実際に「NTTの特約店を利用している」「特約店に親切にしてもらっている」という会社は多いです。
NTT東日本特約店は何をしてくれるの?
この章では「NTT東日本特約店は何ができるのか」について解説します。
通信機器の販売ができる
NTT東日本の特約店は、NTTブランドの情報機器の販売を行っています。
具体的には、以下のような情報機器があります。
ネットワーク構成機器 | ・NAS ・ひかり電話対応アダプタ ・モバイル内線アダプタ ・ルーター 等 |
電話・FAX・複合機 | ・ビジネスホン ・IP-PBX ・簡易公衆電話 ・ビジネスFAX機 ・デジタル複合機 ・福祉用緊急通報装置 等 |
セキュリティ機器 | ・ネットワークカメラ ・UTM 等 |
その他 | ・無停電電源装置 ・雷対策製品 等 |
「オフィスで使う通信機器やセキュリティ機器は一通り扱っている」と思っていただければいいでしょう。
ただ情報機器を売るだけではなく、NTTの情報機器を使ったネットワーク環境の整備など、低コスト化に繋がる方法の提案(コンサルティング)もできます。
通信機器の設置工事やメンテナンスもできる
特約店は情報機器を販売するだけではなく、取付工事なども行っています。
例えば「ビジネスホンの新設・移設・増設」「カメラ設置など、セキュリティ関係の工事」などの工事ができます。
具体的には、ビジネスホンの工事では「電話番号と電話回線を電話機に繋いで使用するためのデータ設定」や「主装置から電話機までの配線工事」が必要となります。
オフィスによっては天井配線や屋外配線も必要になるケースがあるので、経験豊富で専門技術をもつプロに任せられるのは安心ですね。
なおひかり電話を導入する際の電話回線の工事(インターネット回線の導入工事)は、電話の配線工事などとは別途行われます。
また特約店では設置後のメンテナンスも可能。トラブル時に年中無休で対応してくれる特約店もあるので、対応力に優れた事業者を選べば安心です。
特約店を通じて情報機器を購入した場合、機器のセキュリティ対策の窓口も特約店となります。
NTT東日本特約店じゃないとだめなの?
NTT関連の事業者には「特約店」のほか、「代理店」「販売委託店」などがあります。
この章では「特約店」と「代理店」「販売委託店」の役割や違いについて解説します。
代理店はネットワーク商品を扱う
NTT東日本の代理店(販売パートナー)はネットワーク商品を扱います。
ネットワーク商品とは、NTT東日本のインターネット回線(フレッツ光)などを指します。
代理店の愛称は「NTTフレンドリーショップテレポケット」です。テレポケットの「赤と緑の逆三角形のロゴマーク」を見たことがあるという方もいるかもしれませんね。
「テレポケット」という企業があるわけではなく、NTTから代理店として認められた事業者がテレポケットの一員となる仕組みです。
代理店がセールスを行うときには、特約店と同様に会社名や担当者名を名乗ることがNTTから義務付けられています。
代理店経由でフレッツ光を申し込むメリットは、代理店独自の特典を受けられることです。
例えば以下のような特典・キャンペーンがあります。
- 現金のキャッシュバック
- 月額利用料金の割引
- パソコン関連用品のプレゼント
テレポケット(代理店)はかなり数が多く、一覧は2022年1月時点では公開されていません。
そのため「テレポケットを名乗る会社からセールスを受けたが、本当に代理店なのか確認したい」という場合は、NTT東日本に直接確認する必要があります。
販売委託店も情報機器の販売・工事・保守ができる
「販売委託店」とは、特約店と個別に「販売店委託契約」を結んでいる事業者です。
販売委託店となっている事業者もNTTの情報機器の販売・工事・保守ができ、実績豊富な事業者も多いです。
例えば以下のような事業者があります。
委託元(特約店) | 販売委託店 |
株式会社エフティグループ | ・株式会社エフティコミュニケーションズ ・株式会社エフティ東北 など |
レカム株式会社 | ・株式会社カワシマ通信 ・関東システムソリューションズ株式会社 など |
サクサビジネスシステム株式会社 | ・株式会社キャリアライト ・アイティサポート・ジャパン株式会社 など |
岩通ビジネスサービス株式会社 | ・株式会社アイシーシステム ・株式会社オーエムテック など |
株式会社エヌ・エヌ・ティ | ・オフィスコム株式会社 ・NECプラットフォームズ株式会社東京支社 など |
なお販売委託店の担当者は「取扱店証」という証明書を携行しています。取扱店証は特約店証に似ており、書式はNTTのサイトで確認できます。
専売店はNTTブランドの商品のみを扱う
特約店や販売委託店では、NTTブランド以外の情報機器も扱っている事業者も多いです。
一方で株式会社トップなど、「NTT東日本情報機器専売店」と呼ばれる事業者もあります。
専売店は「特約店」「販売委託店」のうち、NTTブランドの商品のみを専門に取扱う店舗を指します。
「特約店や販売委託店の一部が専売店である」というイメージです。
それぞれの窓口のメリット・デメリット
例えば新規開業・新事務所開設にあたってビジネスホンを導入したい場合、「特約店」「販売委託店」「NTT東日本」のいずれの窓口でも、ビジネスホン導入ができます。
特約店を利用するメリット・デメリットや、特約店以外を利用するメリット・デメリットはどこにあるのでしょうか。
NTT東日本に直接申し込むメリット・デメリット
NTT東日本に直接申し込むのは、やはり安心感がありますね。
ただNTT東日本に直接申し込みした人からは「NTTから聞かれたことの意味がわからなくて答えられず、スムーズに話が進まなかった」という体験談が寄せられています。
またNTTの窓口は混雑していることも多く、連絡がつくまでに時間がかかることも考えられます。
特約店を利用するメリット・デメリット
特約店はNTTのビジネスパートナーであり、ビジネスホンなどNTTの情報機器にも精通していますので、NTT同様に安心して任せられます。
メリットとしては以下のような点が挙げられます。
・実際にオフィスに訪問してくれる
・電話回線の申込みや情報機器の選定まで任せられる
・専門知識がなくても相談しやすい
・場合によってはNTTの社員が商談に同席する
・対応が早い特約店を選べば、待ち時間のストレスが少ない
デメリットとしては、以下のようなことが考えられます。
・必ずNTT社員が商談に同席するわけではない
・特約店の数が多く、どこを選べばいいか迷う
販売委託店を利用するメリット・デメリット
販売委託店も特約店同様に販売や工事ができます。
販売工事店のメリットは事業者数が特約店に比べて多いため、オフィスに近い事業者を選べることです。
自社オフィスに近ければ近いほど、故障時の対応がスピーディになることが期待できますよね。
ただし数が多いだけに、どの販売委託点を選ぶべきなのか迷ってしまうというデメリットがあります。
まとめ:NTT東日本の特約店とは
NTT東日本の特約店(NTT東日本情報機器特約店)は、NTT東日本のビジネスパートナーです。NTT東日本と「情報機器特約店契約」を締結して、NTTの情報機器の販売・工事・メンテナンスを行っています。
例えば「株式会社大塚商会」「株式会社協和エクシオ」「株式会社テレ・マーカー」といった事業者がNTT東日本の特約店となっています。
特約店はNTTの情報機器(電話、複合機など)についての知識や、導入工事やメンテナンスのノウハウが豊富です。そのため安心して情報機器の導入を任せられます。
特約店の商談にはNTT本体の社員が同席することもあり、特約店と商談しつつNTT社員から直接話を聞ける安心感があるのがメリットです。対応の速さをアピールポイントにしている特約店も多数あります。
また特約店と個別に契約を結んでいる「販売委託店」も、情報機器の販売・工事・保守ができます。
「岩崎通信機株式会社」や「NECプラットフォームズ株式会社」などが販売委託店です。
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