引っ越しにあたっては「賃貸物件の退去予告」をはじめ、期限が設けられている手続きもあります。急な引っ越しなら、まずは手続きの期限をチェックして、計画的に進めていきましょう。
この記事では急な引っ越しが決まった場合にやることや注意すべきことを紹介します。いつまでに何をやるのかわかりやすく解説するので、急に引っ越しが決まった方も慌てなくて大丈夫です。
また引っ越しは特に自分でやろうと思うと、やるべきことがたくさんあります。少しでも面倒な手続きを減らすなら、電気・ガス・水道などライフラインの退去手続き・新居の開始手配をまとめて一括代行してくれる窓口がオススメです。
急な引っ越しが決まった際の手順、やること一覧!
急な引っ越しが決まったときにやることを、引越しする前、引越し中、引越し終了後まで時系列で紹介します。焦らずにひとつひとつ進めていきましょう。
やる時期 | やること |
引っ越し決定後すぐ | ・引っ越し日を決める ・賃貸物件の退去手続き ・新居探し ・引っ越し業者への連絡・見積もり依頼 ・荷造り ・不用品処分 |
引っ越し2週間前まで | ・電気・ガス・水道の旧居での解約手続き・新居での利用開始手続き ・(市区町村をまたぐ引っ越しの場合)市役所での転出手続き ・(子どもがいる場合)転校(転出)手続き ・郵便の転送手続き |
引っ越し1週間前まで | ・冷蔵庫内の食品の整理を開始 ・あいさつ回りで配る品物の準備 ・ご近所へのあいさつ回り |
引っ越し前々日 | 冷蔵庫と洗濯機の水抜き |
引っ越し前日 | 最終の荷造り |
引っ越し当日 | 【旧居にて】 ・荷物の搬出 ・(必要な場合)ガス閉栓の立会い 【新居にて】 ・荷物の搬入 ・ガス開栓の立会い |
引っ越し後 | ・ご近所へのあいさつ回り ・市役所での転入手続きまたは転居届の提出(引っ越し後14日以内に) |
急な引っ越しで最優先するのは3つ!
まず急な引越しが決まった際に最優先させたいのは以下の3つです。
・引っ越し先の新居を決める
・引っ越し日を決める
・引越し業社を手配する
急な引越しの場合、スケジュールなどが限定的になってしまうこともあるかと思います。
そのスケジュールで引っ越しをしたい場合に、ギリギリすぎて引越し業者が見つからない!などとなってしまうと大変です。
まず引越し業者のスケジュールを押さえておきたいので、「引っ越し先の新居を決める」「引っ越し日を決める」「引越し業社を手配する」を最優先させることをお勧めいたします。
引っ越し費用をできるだけ安く押さえたい場合には、複数の引越し業者に見積もりをとって比較してから決めるという方法があります。
早めにスケジュールを決めることができれば、複数見積もりを取る時間も生まれます。
即日・当日引越しが可能な業者も少数ありますが、たいていの引っ越し業者は事前手配が必要です。
そのため引っ越し繁忙期には、「引っ越し業者の予約がいっぱいで希望日時に引っ越しできない」という失敗談が聞かれることも。3~4月に引っ越しするなら、早めに引っ越し業者で見積もりをとることをおすすめします。
不用品の処分は転居前に行うことをおすすめします。「自治体が粗大ゴミを回収してくれる曜日が決まっている」「フリマアプリで売ろうとしてもすぐに売れない」といった事情がありますので、早めに準備を進める必要があります。上手に処分できれば引っ越し費用の足しになるかもしれません。
新居探しについては何度も内見しなくていいように、「新居に求める優先条件を決めて不動産屋さん伝える」「内見にはメモやメジャーを持参する」など準備してから望むのがおすすめです。
引っ越しする新居が決まったら、どの部屋をどう活用しようか、現在の持ち物はどこに配置しようかなど、きるだけ細かく想像しておくイメージすることが必要です。
なお引っ越し前後のご近所へのあいさつ回りは必須ではなく、粗品も必ず渡さないといけないものではありません。
賃貸物件からの退去手続きや役所で行う手続きについては、のちほど詳しく解説します。
引っ越し手順のワンポイントアドバイス
引っ越し準備のコツを紹介します。
引っ越しにともなうフードロスを減らすコツ
引っ越し時に意外に困ってしまうのが、食料品の処分です。
というのも、冷蔵庫は遅くとも引っ越し前日(おすすめは前々日)までには水抜きのために電源を切り、中を空にしなくてはいけません。
この時点で冷蔵保存しなくてはいけない食品が冷蔵庫内に残っていると、処分せざるを得なくなってしまいます。食料品をゴミとして捨ててしまうのはもったいないですよね。
そのため食料品は引っ越し日から逆算して、残らないように買っていきましょう。
水抜きまでに冷凍食品などを消費していけば、荷物もフードロスも減らせます。また「前々日からはお弁当や外食にする」など工夫すれば、食器や調理器具も早めに荷造りできます。
退去予告の期限に注意する
賃貸物件の退去予告については、契約書で期限が「1カ月前(30日前)まで」と決められているのが一般的です。ただし人気物件などでは「2カ月前までに予告してください」というケースもあります。
退去予告が決められた期限を過ぎてしまうと、住んでいない期間の家賃が発生します。そのため急な引っ越しが決まった場合には、新居との二重家賃が発生するケースもあります。
急な転勤・引っ越しが多い人は、次のマンション・アパートを契約する場合に「2カ月前に予告」という物件は避けたほうがいいでしょう。
なお大家さんによっては「急な転勤」などやむを得ない場合には、事情を酌んで家賃負担を軽減してくれることもあるようです。引っ越しが急に決まってどうしても退去予告が遅くなってしまったら、一度相談してみてもいいかもしれません。
【やること1】必要最低限の日用品以外はすぐに荷造り
急な引っ越しの場合、荷造りの時間が十分に取れないことも多いのではないでしょうか。
特に「一人暮らしで家族のサポートが得られない」「家族みんなでの引っ越しなので荷物が多い」という方は大変ですよね。
「どうしても荷造りの時間が足りない」という場合、よく使う最低限の日用品(歯ブラシセット、シャンプーなど)以外は早めに荷造りしてしまいましょう。
時間に余裕がある引っ越しの場合には、引っ越しの数日前まで自炊できます。ただ時間がない場合には、食器や調理器具は早めに荷造りしてしまい、食事は「外食」「容器付きのレトルト・冷凍食品」などを活用するのがコツです。
引っ越し業者に荷造り依頼も可能
自分で荷造りする時間がどうしても取れない場合は、引っ越し業者に荷造りを任せる方法もあります。大手の引っ越し業者の多くは「荷造りサービス付きのプラン」を用意しています。
大手引っ越し業者の荷造り付きプランは以下のとおりです。
引っ越し業者名 | 荷造りつきプラン名 |
アート引越センター | ・ハーフコース ・フルコース |
サカイ引越センター | ・プレミアムプラン ・フルサービスプラン ・スタンダードプラン |
アリさんマークの引越社 | ・アリさんフルパック ・アリさんパック |
※2023年5月時点の情報です。
また「荷造り専門業者」「家事代行業者」にも荷造りを依頼できます。例えば荷造り専門業者(荷づくりサービスコンポ)の場合、1LDKで2万4000円~から依頼可能です。
荷造りを依頼できる業者や費用相場について詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
荷造りサービスを利用する場合の注意点としては、「(転勤の場合でも)勤務先が荷造りサービスの費用は負担してくれない可能性がある」ことが挙げられます。
【やること2】忘れないで!急な引っ越しで必要な手続き
この章では引っ越し時に必要な手続きについて詳しく紹介します。
賃貸物件の退去手続き
現在賃貸物件に住んでいる場合は、退去手続きが必要になります。住んでいる賃貸物件の大家さんか管理会社に引っ越しの日程を伝え、退去届を提出しましょう。
連絡方法は「電話したあとで退去届を郵送する」というケースが多いものの、オンラインで手続きが完結する管理会社もあります。手続き方法は契約書に記載されているはずです。
退去届の提出期限も契約書で決められていて、「退去日の1か月(30日)前」としている物件が多くなっています。そのため急に引っ越しが決まった場合は、早めに連絡しましょう。
とにかく「契約書で決められた方法で、期限までに手続きする」のが基本です。退去手続きについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
役所の手続き
引っ越しの際には役所での手続きも必要です。全ての人に必要なのは以下の手続きとなっています。
同一自治体内での引っ越し | ・引っ越し後の転居届を提出 ・引っ越し後の役所にマイナンバーカードの住所変更 |
自治体をまたぐ引っ越し | ・引っ越し前の役所に転出届を提出 ・引っ越し後の役所に転入届を提出 ・引っ越し後の役所にマイナンバーカードの住所変更 |
転居届や転入届は、引っ越し後14日以内の提出が義務付けられていますので、期限までに忘れず行いましょう。転出届は引っ越し14日前から提出可能です。
なお「学生の下宿で、引っ越し後も頻繁に実家に帰る予定」などの場合には、転出・転入の手続きをしなくてもよいとされています。
また以下のような人は、役所でそれぞれに関する手続きが必要です。
- 国民健康保険加入者
- 国民年金第1号被保険者
- 要介護者
- 児童手当を受給している
- 妊婦・幼児
- 子どもが公立小中学校の生徒
- 印鑑登録している
- 犬など自治体に登録が必要なペットを飼っている
引っ越す方が妊婦さんや小さなお子様連れの場合に必要になる「妊婦健診の補助券・子どもの予防接種の予診票」の引っ越し手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
自動車・バイク関連の手続き
自動車・バイクを所有していて引っ越し先にも持っていく人は、自動車・バイク関連の手続きも必要です。
自動車の手続き | ・車庫証明書の住所変更 ・車検証の住所変更 ・保険の住所変更 |
原付(50~125cc)の手続き ※市区町村をまたぐ引っ越しの場合 |
・住所変更手続き(廃車・登録) ・保険の住所変更 |
軽二輪車(126~250cc)の手続き | ・住所変更手続き ・保険の住所変更 |
小型二輪車(251cc以上)の手続 | ・住所変更手付き ・保険の住所変更 |
自動車の車検証の住所変更は、引っ越し後15日以内に行うと定められています。
またバイクについては、原付は市区町村、軽二輪と小型二輪は新住所を管轄する陸運支局での手続きとなります。排気量によって窓口や必要書類が違うので注意してください。
また現在自動車やバイクを持っていなくても、運転免許証を持っている人は、運転免許証の住所変更をしましょう。運転免許証の住所変更手続きは運転免許試験場や警察署で可能です。
教育・学校関連の手続き
お子様も一緒に引っ越す場合には、保育園や小学校の転園・転校手続きなども必要です。
まずは現在お子様が通っている学校に引っ越し予定について伝え、書類や手続きを準備しましょう。
細かい手続きや必要な書類については「学齢」「公立/私立」「引っ越し先が同一市内か」などによって異なりますので、学校や自治体に確認してください。
郵便の転送手続き
郵便物を新しい住所に転送したいときは、郵便窓口で「転居届」を出す必要があります。これにより、旧住所から1年間期限付きで新しい住所へ郵便物を転送できるようになります。
ライフライン関連の手続き
引っ越し時には、電気・ガス・水道などライフライン関連の手続きも必要です。「旧居での解約・利用停止」と「新居での利用開始」の手続きを忘れないようにしましょう。
電気・水道については、一般的にオンラインや電話で「旧居での使用停止手続き」と「新居での使用開始手続き」をすればOKです。
ただしガスは「新居での開栓立ち会い」が必要で、場合によっては旧居での閉栓にも立ち会いが必要となります。引っ越し繁忙期(3~4月)だと希望日時に立ち会いの予約がとれないこともあるので、引っ越し日が決まり次第早めの連絡がおすすめです。
多くの電力会社・ガス会社・水道局では、引っ越し約1ヶ月前から利用停止・利用開始の手続きが可能となっています。
インターネットの光回線を利用している場合には、ネットの引っ越し手続きも必要です。新居での光回線導入には1ヶ月ほどかかることもありますので、こちらも早めに申し込んでおきましょう。
その他住所変更手続きを必要とするもの
引っ越し時には他にも多くの住所変更手続きが必要となります。代表的なものは以下のとおりです。
- 固定電話
- スマホ
- モバイルWi-Fi
- 新聞
- NHK
- 郵便(郵便局)、宅急便(クロネコヤマト)
- 銀行口座
- 証券会社
- 保険
- クレジットカード
- ショッピングサイト
- パスポートなど
手続きを怠っていると「必要なときにスムーズにサービスを受けられない」などの不都合が起きてしまう可能性があります。引っ越したら早めに手続きしましょう。
民間サービスであれば、オンラインで簡単に住所変更手続きできるケースがほとんどです。
【やること3】忘れがちな電気・ガス・水道の手続きに注意!
急遽引っ越しすることになり忙しい中、やるべきなのに忘れてしまいがちなのは「電気・ガス・水道」の手続きです。
電気・ガス・水道の手続きを忘れがちな理由
電気・ガス・水道については引っ越しにあたり電力会社などから何か案内があるわけではないので、手続きが漏れてしまいがちです。自分で動かないとほったらかしになってしまうのですね。
また遠方への引っ越しで電力会社・ガス会社・水道局の管轄が変わってしまう場合には、「旧居での利用停止」と「新居での利用開始」を別々の窓口で手続きしなくてはいけないので、「何をどこまで手続きしたか忘れる」というケースもあります。
なお光回線(インターネット)の解約手続きでは、ネット回線とプロバイダーを別契約にしている場合、それぞれに解約手続きが必要なので注意してください。プロバイダーだけ解約を忘れるケースがあるからです。
ライフラインの手続きを忘れた場合に起こること
やるべきライフラインの引っ越し手続きを忘れたままになっていると、以下のようなことが起こります。
- 旧居での光熱費がかかり続ける
- 新居で電気やガスが使えない
引っ越しがスムーズに進まなかったり、無駄なコストがかかってしまったりしますので、ライフラインの手続きは忘れずにしておきましょう。
面倒な手続きを一括で代行してくれる窓口がこちら
ご紹介してきたように、引っ越し時にやるべき手続きはたくさんあります。家族が多く利用している公的・民間サービスが多いほど、手続きも多くなってしまいますね。
急な引っ越しの場合ですと、焦る気持ちもあり「手続き漏れ」や「手続き期限を過ぎてしまう」といった失敗も起こりがち。
そこでおすすめなのが、面倒な引っ越し関連の手続きを代行してくれる「一括代行窓口」です。
そこでおすすめなのが、面倒な引っ越し関連の手続きを代行してくれる「一括代行窓口」です。
ひとつの窓口に連絡するだけで、忘れがちな電気・ガス・水道の解約・利用開始手続きをまとめて依頼できるので、とてもラクになります。「引越れんらく帳」など多くの一括代行窓口があり、無料で利用できる窓口がほとんどです。
おすすめなのはこちらの退去一括代行窓口です。気になる方はぜひ以下から詳細をチェックしてください。無料かつ会員登録なしで利用できるので、手軽でおすすめです。
まとめ:急な引っ越しが決まったらやること
急な引っ越しがきまったら、まずやることは以下の2つです。
- 賃貸物件からの退去連絡
- 引っ越し業者への見積もり依頼
この2つの手続きをすぐやるべき理由は、「退去連絡には決められた期限があるから」「引っ越し繁忙期だと希望日時に予約がとりにくいので早く連絡すべきだから」です。
また役所での転出・転入手続きには手続き期限がありますので、期限を超えないよう注意してください。
急な引っ越しをスムーズに進めるためのコツは、できるだけやることや労力を減らすこと。そのためにやりたいことは以下のとおりです。
- 毎日使う日用品以外は早めに荷造りする
- 引っ越し業者などの荷造りサービスを利用する
- 電気・ガス・水道手続きの一括代行窓口を利用する
急な引っ越しだと焦ってしまいますが、一括代行窓口や荷造りサービスなど外部の力を利用すれば労力や作業時間を減らせます。するとどうしても自分ではやらなくてはいけない「役所での手続き」などが落ち着いてできるはずです。
「仕事が忙しい」「一人暮らしで助けてくれる家族がいない」「家族が多くて手続きが大変」という方は、ぜひこちらの退去一括代行窓口を上手に活用してみてください。